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外為マーケットコラム

米労働市場に関する経済統計強気なら100円台に上昇


 6月最終週のドル・円相場は堅調に推移し、28日の東京時間に1ドル=99円を試し、6月11日以来の高値をつけ、その日の欧米市場でも堅調に推移し、99円台半ばに上昇した。6月26日に発表された第1四半期の米国内総生産(GDP)確報値が前期比+1.8%となり、速報値の同+2.4%から下方修正された以外は米景気回復を示す経済指標が多く、量的緩和政策の縮小が早まる観測からドル高・円安傾向となった。

 先週、6月の米雇用統計に左右されるが、7月半ばに向けて100〜102円台のレンジに上昇する可能性はあるとの見方を示したが、予想より早く100円の節目を試す可能性はある。米国は4日が独立記念日で祝日になる。その前日の3日に6月の米ADP雇用統計の発表がある。米週間新規失業保険申請件数は通常木曜日の発表だが、今週は一日早くなり、3日発表となる。米労働省から発表される6月の米雇用統計は5日に発表される。大方の事前予想では失業率が7.5%と前月の7.6%から低下、非農業部門の就業者数は前月比16万5,000人増加で前月の同17万5,000人増から鈍化予想。ドル・円はこれら米経済統計に左右される展開だが、強い数字が出れば今週中に100円台に上昇しよう。予想レンジは98〜102円とみる。

【強気の米経済統計の発表続く】
 第1四半期の米GDP確定値は下方修正されたが、6月25日に発表された5月の米耐久財受注は予想を上回り、2カ月続けて増加、4月の米S&P/ケースシラー住宅価格指数は2006年3月以来の大幅な伸びとなった。また、6月の米消費者信頼感指数は2008年1月以来の高水準となり、5月の米新築住宅販売件数はほぼ5年ぶりの高水準となった。27日に発表された5月の米個人支出が前月比0.3%増と、2009年9月以来の水準に落ち込んだ前月(0.3%減)から改善した。また、5月の米中古住宅販売仮契約指数が2006年12月以来の高水準となった。ドル・円はこれら米経済統計が強気になったことを好感し、97円台前半から、すぐさま切り返した。

【中国株の下落で投資資金は新興国・商品市場からドル資産へ】
 米国の量的緩和政策の規模縮小となれば投資資金の流入が細ることが予想され、株式にとってはマイナス要因だ。しかし景気回復を示す経済統計が続出したことを好感し、リスクオンの動きとなった。ニューヨークダウは6月27日に15,000ドルの節目を突破し、同月20日以来の高値をつけた。その一方、中国株は短期金利の上昇で不動産を中心とした融資が貸し倒れとなる不安から下値模索の展開となり、中国株の代表的指数である上海総合指数は1,849.65まで下落し、約4年半ぶりの安値をつけた。中国人民銀行(中央銀行)は資金不足となった金融機関に資金供給をすることを明らかにし、投資家の動揺は一服した。しかし今後も金融不安は続きそうな気配はある。中国株の下落で新興国、商品市場から資金が流出し、資金はドル資産に向かっている。1日に中国国家統計局と物流購買連合会が発表した6月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は、50.1となり、前月の50.8から低下した。事前予想通りで中国株はしっかりと推移しているが、欧米市場での投資家の評価を見極めたい。1日の日本時間の午後5時にマーキットが製造業PMIを発表する。この数字も注目される。

【CMEで投機家は円売り姿勢を再度強める展開か】
 米商品先物取引委員会が先月28日に発表した建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の今月25日現在でのシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は61,462枚となり、18日現在の61,890枚からわずかに減少した。18日まで減少傾向が続いてきたが、円の買い戻しに歯止めがかかった。27日辺りから再度、円売り姿勢を強めたとみられる。100円の節目を突破すると、さらに投機家の円売りが増えそうだ。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
1日  4−6月期日銀短観
    中国製造業購買担当景気指数、中国HSBC製造業購買担当景気指数
    ユーロ圏6月消費者物価指数、ユーロ圏5月雇用統計
    米6月ISM製造業景況指数、米5月建設支出
2日  オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    ユーロ圏5月生産者物価指数
    米5月製造業受注指数
3日  豪5月貿易収支、豪5月小売売上高
    ユーロ圏5月小売売上高指数
    米6月ADP雇用統計
    米5月貿易収支
    米新規失業保険申請件数
    米6月ISM非製造業景況指数
4日  豪5月住宅建設許可件数
    英中銀(BOE)政策金利
    欧州中央銀行(ECB)政策金利、ドラギ総裁記者会見
5日  日本5月景気動向指数
    独5月製造業受注指数
    カナダ6月雇用統計
    米6月雇用統計
    カナダ6月Ivey購買部協会指数



2013年7月1日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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