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外為マーケットコラム

薄商いの中、値動きが激しくなる可能性も仕掛けにくくレンジ相場


 7月最終週から8月2日の週のドル・円相場は週前半から半ばにかけて1ドル=97円台半ばに下落し、約1カ月ぶりの安値をつけた。米連邦公開市場委員会(FOMC)開催後にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を年0−0.25%のレンジで据え置き、月間850億ドルの資産購入ペースを維持し、量的緩和政策を継続するとの声明文が出された。それを受け一時的にドル安に振れたが、おおむね織り込み済みでドルは反発基調となった。1日に発表された7月27日までの米週間新規失業保険申請件数が32万6,000件、7月の米ISM製造業景況指数が55.4となり、事前予想の52.0を上回り、11年6月以来の高値となったため、99円台で堅調に推移した。しかし2日に米労働省から発表された7月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比16万2,000人増にとどまり、大方の事前予想の18万5,000人増を下回った。予想外に米雇用情勢の回復が鈍化したことで9月の量的緩和政策の早期縮小の可能性が後退し、98円台後半に反落した。

 ドル・円は約1カ月ぶりの安値をつけた後、25日移動平均線が通る99.50円台を突破する場面もあったが、6月27日以降のレンジである97.53〜101.55円の中間水準の99.50円水準より、小安い水準で推移し、方向性がない。米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会のイベント、米国内総生産(GDP)、米雇用統計の発表が終わったこと、日本のお盆休みが接近することから仕掛けにくい週だ。ニューヨークダウが史上最高値を更新しており、米ドル金融資産への投資は続き、対ユーロ、対円とも下値堅く推移を予想。ドル・円の予想レンジは1ドル=97.50〜101円。季節柄、商いが細りやすい時期で薄商いのなか、一時的に値動き幅が大きくなる可能性はある。2012年までの10年間の8月のドル・円の月足の陽線確率は30%。長めの陽線を引いたのは2006年の一回のみで過去のチャートからは円高・ドル安が進みやすい月だ。今週は米経済統計の発表が比較的少ない週だ。7、8日に日銀金融政策決定会合があるが、現状維持の予想の声が多い。

【米GDP発表後にNYダウは高値更新】
 第2四半期の米GDP速報値4−6月期・米国内総生産(GDP、季節調整済み、速報値)は前期比年率換算で1.7%増となり、事前予想(1.0%増)を上回った。米経済成長率がプラスとなるのは9期連続となり、年後半も堅調な成長が続くとの見方が多い。米GDPが発表された7月31日にニューヨークダウは7月23日の高値1万5,604.22ドルを突破し、史上最高値を更新。月替わり後も1、2日と3日連続で史上最高値を更新した。

【CMEは投機家が円を売り越しは8万枚台で横ばい】
、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は82,135枚となった。7月は8万枚台の売り越しが続いた。2日に発表された米雇用統計の数字が予想ほど強くなかったことで円が買い戻され、8万枚前後の売り越しになった可能性はある。

【ユーロ・ドルFOMCの声明文発表に上昇後に上昇も買い続かず】
 ユーロ・ドルは7月31日の米東部時間の午後2時過ぎに6月19日以来の高値となる1ユーロ=1.3344ドルまで上昇した。FOMCから量的緩和の継続の声明文が出された直後に高値をつけ、その後は反落となり、1ユーロ=1.3200ドル割れまで急落。「噂で買って事実で売る」典型的な相場となった。1日に開催されたECB理事会では、大方の予想通り、政策金利は0.50%に据え置きとなった。ECBドラギ総裁は、記者会見で、(1)長期にわたり金利は現水準かそれを下回る水準になる、(2)インフレはしっかり抑制されている、(3)経済は安定化し、緩慢なペースで回復するだろう、(4)ユーロ圏の経済リスクは引き続き下向き、(5)最近の市場金利上昇が成長の足かせにもなる、(6)ユーロ圏のインフレリスクは引き続きおおむね均衡していると述べた。1日に英マークイット・エコノミクスから発表された7月のユーロ圏製造業景気指数改定値は50.3に上方修正され、2011年7月以来初めて活動拡大と縮小の分かれ目となる50を上回ったが、まだ欧州景気が本格的に回復するには時間がかかるとの見方が多いようだ。7月31日の高値1ドル=1.3344ドルが当面の高値となり、当面は1.3200ドルを挟んで推移か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
5日  ユーロ圏6月小売売上高指数
    米7月ISM非製造業景況指数
6日  豪7月AiGサービス業指数
    豪6月貿易収支、豪第2四半期住宅価格指数
    オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    日本6月景気動向指数
    英6月鉱工業生産指数、英6月製造業生産指数
    独6月製造業受注指数
    カナダ6月貿易収支
    米6月貿易収支
7日  NZ第2四半期雇用統計
    豪6月住宅ローン許可件数
    独6月鉱工業生産指数
    カナダ7月Ivey購買部協会指数
8日  日本6月経常収支
    豪7月雇用統計
    中国7月貿易収支
    日銀金融政策決定会合(7〜8日)・金融政策発表
    独6月貿易収支、独6月経常収支
    米新規失業保険申請件数
9日  中国7月消費者物価指数、中国7月生産者物価指数
    中国7月鉱工業生産指数、中国7月小売売上高
    英6月貿易収支
    カナダ7月雇用統計



2013年8月5日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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