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外為マーケットコラム

8月は円買い・ドル売り有利か


 8月5日の週のドル・円相場は週前半から軟調な展開となり、支持線であった1ドル=97.50円を割り込み、8日の海外市場では6月19日以来の安値となる95.77円まで下落した。支持線を割り込み、これまでの97.50〜101.50円のレンジ相場から2円ほど値位置を下げた。

 週前半は米量的緩和政策の早期縮小観測が後退していたが、7日に米量的緩和の早期縮小を示す発言が米金融当局者から出たことでニューヨークダウが下落し、ドルも売られる展開となった。ドル・円は支持線97.50円割れで95円の節目を意識する展開か。95円割れとなると、6月13日の安値93.77円を目指す流れになる。自律反発もありえるが、これまでの支持線となっていた97.50円が抵抗線になろう。日米の景況感の違いから中長期的には1ドル=100円前後に下落する可能性はあるが、当面は円買い・ドル売りが有利か。先週の本欄で8月のドル・円は陰線確率が高い月との見方を示したが、現時点では3カ月連続の陰線である。25日移動平均線が通る1ドル=98.70円水準からの乖離率は約2.5%。5%乖離となると売り過剰感が出るが、現状は下値余地ありとみる。12日に内閣府が発表した2013年第2四半期実質国内総生産(GDP)成長率1次速報は、前期比+0.6%、前期比年率+2.6%となり、3四半期連続のプラス成長となった。日本のGDP成長率が海外投資家にどのように判断されるかも重要な材料である。 予想レンジは1ドル=95〜98円。

【NYダウ1カ月ぶりの安値に下落、米株式市場調整ならドル安進みやすい】
 ニューヨークダウは今月2日にザラバで15,658.43ドルまで上昇し、史上最高値を更新した。しかし6日から下げ相場に転じ、9日には1カ月ぶりの安値となる15,346.65ドル まで下落した。時期的に夏休みを取る市場関係者が多く、閑散商いのなか、下げやすい月だ。ニューヨークダウをはじめ、米株式市場の調整局面が続けばドル資産への投資資金の流入が一服となり、ドル安が進みやすい。

【CMEの円の買い戻しが進めば1ドル=95円まで円高・ドル安の進行の可能性】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が9日に発表した8月6日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は7月30日現在の82,135枚から80,213枚に減少となった。7日以降、ドル安・円高となったことで円の買い戻しが進んだとみられる。7、8日の2日間で取組高が8,146枚の減少となったが、売り越し幅は75,000枚前後まで減少しているとみられる。まだ円は売り越しだが、95円台半ばまでドル安・円高が進むと、さらに円の買い戻しが進み、95円の節目まで円高・ドル安が進む可能性はある。

【ユーロ・ドルは6月半ば以来の高値、ユーロ圏のGDPに注目】
 ユーロ・ドルは堅調。今月2日の安値1ユーロ=1.3186ドルを出発点に上昇基調となり、8日には6月19日以来の高値となる1.3400ドルをつけた。6月19日の高値1.3416ドルにほぼ顔合わせしたが、1.3416ドルを上抜くと、1.3500ドルを目指す展開か。1.3500ドルを目指す展開となった場合、ドル・円は95円台前半に下落するとみる。14日に第2四半期のユーロ圏とドイツの国内総生産(GDP)速報の発表がある。ユーロ圏のGDP速報の事前予想では前年比-0.8%、前期比+0.2%。第1四半期の前年比、前期比と比べ改善を示すかがポイントである。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
12日  日本6月鉱工業生産指数
    米7月財政収支
13日 日銀金融政策決定会合議事録
    日本6月機械受注高
    独7月消費者物価指数
    英7月生産者物価指数、英7月消費者物価指数、英7月小売物価指数
    ユーロ圏6月鉱工業生産指数
    独8月ZEW景況感指数
    米7月小売売上高
14日 独第2四半期国内総生産(GDP)速報値
    英金融政策委員会(MPC)議事録
    英7月雇用統計
    ユーロ圏第2四半期域内総生産(GDP)速報値
    米7月生産者物価指数
15日 英7月小売売上高指数
    米8月NY連銀製造業景気指数、米7月消費者物価指数
    米新規失業保険申請件数
    米6月対米証券投資
    米7月鉱工業生産・設備稼働率
    米8月フィラデルフィア連銀景況指数
16日 ユーロ圏6月経常収支
    ユーロ圏7月消費者物価指数、ユーロ圏6月貿易収支
    米7月住宅着工件数・建設許可件数
    米8月ミシガン大学消費者信頼感指数



2013年8月12日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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