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外為マーケットコラム

往って来い、次の相場に向けてのエネルギー蓄積期間


 8月12日の週のドル・円相場は12日に1ドル=95.90円台をつけたが、下値は堅く、13日から反発となった。25日移動平均線が通る98.50円水準で上値が重くなり、5日の週のレンジから出ることはなく、往って来いの展開だった。米量的緩和政策の早期縮小観測が根強く市場に残るなか、15日に発表された米週間新規失業保険申請件数が32万件となり、2007年10月以来の低水準となったことが好感され、98.65円まで上昇した。しかし、その直後に米株式相場の大幅下落や8月のフィラデルフィア地区連銀景況指数が予想以上に低下したことなどからドル売り圧力が強まり、97.21円まで下落し、方向感がない相場展開となった。今は次ぎの相場を形成するためのエネルギー蓄積期間とみるが、25日移動平均線が通る98.50円を終値で維持すると、99円台まで上昇の可能性があるとみる。今週の予想レンジは1ドル=96〜99円。

【NYダウは総弱気でドル・円の上値は限定的か】
 今週は21日に7月30、31日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開がある。22日からは米ワイオミング州ジャクソンホールで経済シンポジウムが開催される。例年、この経済シンポジウムでは米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が講演を行い、影響力があったが、今年はバーナンキ議長が参加しないため、影響力は低下しそうだ。今年のシンポジウムではFRBの次期FRB議長候補であり、イエレン副議長が進行役を務める。

 例年、お盆の週は市場を離れる市場関係者が多く、方向性がない年が多いが、今年のドル・円相場はレンジ相場で推移した。ただニューヨークダウが大幅安となり、14日間の相対力指数(RSI)は31台まで低下し、総弱気を示唆した。短期的な売り過剰感から自律反発はあるが、本格反騰は9月以降であろう。米株式市場の調整局面入りでドル資産への投資資金の流入は限られ、ドル・円の上値は限定的か。19日の日本時間の午前9時前に財務省が発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)によると、貿易収支は1兆0,240億円の赤字、季節調整済みは9,440億円の赤字となった。大方の事前予想7,735億円の赤字、季節調整済7,413億円を上回る赤字となり、一時円売りの動きもあったが、97円台後半で頭打ちとなり、19日午前11時現在、97円台半ばに反落している。月足は現時点では3カ月連続の陰線である。

【CMEの円の売り越しは3週連続で減少】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が16日に発表した8月13日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は74,462枚となった。直近で最大の売り越しとなったのは7月23日の87,496枚。3週連続で売り越し幅が減少し、円売りの動きが一服している。7月2日現在、70,736枚だったことから、まだ売り越し幅の減る余地はある。円の買い戻しが進めば再度96円前後までの円高の進行はあろう。

【ユーロ経済に回復の兆し】
 ユーロ・ドルは8日に1ユーロ=1.3400ドルまで上昇し、6月19日の高値1.3416ドルに顔合わせした。12日から調整局面入りしたが、15日に急反発した。14日に発表されたユーロ圏の第2四半期の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増加、前年比0.7%減少となり、大方の事前予想の前期比0.2%増加、前年比0.8%減少より強い数字となり、景気回復の兆候を示した。またドイツGDP速報値は前期比0.7%増となり、予想の0.6%増を上回った。欧州経済が回復の兆しを見せており、ユーロ・ドルは15日の安値1.3204ドルが支持線になり、下値堅く推移か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
19日 NZ第2四半期生産者物価指数
    英8月ライトムーブ住宅価格
    日本7月貿易収支
    日本6月景気動向指数
20日 オーストラリア準備銀行(RBA)議事録
    独7月生産者物価指数
    カナダ6月卸売売上高
21日 米7月中古住宅販売件数
22日 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
    中国HSBC製造業購買担当景気指数
    米新規失業保険申請件数
    カナダ6月小売売上高
    米6月住宅価格指数
    米7月景気先行指数
23日 独第2四半期国内総生産(GDP)改定値
    英第2四半期国内総生産(GDP)改定値
    カナダ7月消費者物価指数
    米7月新築住宅販売件数



2013年8月19日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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