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外為マーケットコラム

米労働市場に絡む経済統計に左右される


 8月最終週のドル・円相場はおおむね1ドル=96.79〜98.84円のレンジでのもみあいとなり、おおむね前週のレンジから出ることはなかった。依然として方向性が出てこない。

シリアの化学兵器使用で米国が対シリアに向けての武力行使の可能性が高まるなか、8月29日に24日までの米週間新規失業保険申請件数、第2四半期・米国内総生産(GDP)改定値が発表された。新規失業保険申請件数は33万1,000件で大方の事前通りだったが、米GDP改定値は前期比+2.5%で事前予想の+2.2%を上回ったことでドル高が進み、対円では98.52円まで上昇した。しかし8月26日の高値98.84円が抵抗線となり、レンジ相場から出ることはなかった。

 今週から月替わりとなるが、2日の米国はレーバーデーのため祝日となる。週後半に米労働市場に絡む統計の発表が続く。最も注目されるのは6日に米労働省から発表される8月の米雇用統計である。約3週間、レンジ相場が続いており、新たな相場形成へのエネルギー蓄積期間だがADP雇用統計、米週間新規失業保険申請件数、労働省発表の雇用統計の数字を受け、次ぎの相場が始まる可能性がある。米労働市場の改善が示され、9月に米量的緩和政策の縮小の観測が強まりドル高となれば、8月23日の安値99.14円を突破し、99円台半ば〜後半を目指す展開か。100円の節目を再度、試す可能性もあろう。ただニューヨークダウが大幅安となると、ドル安から円高に向かう可能性がある。米雇用統計の発表があり、ドル・円の予想レンジは1ドル=96〜100.50円と広めの予想とする。  シリア情勢に関しては8月31日にオバマ米大統領が「米国は、シリアに対して軍事攻撃を行うべきだ」と発言しているが、武力行使に関しては議会の証言を求めると述べた。休会中の議会が再開される9月9日以降となるとみられるが、英国と同様に議会で否決の可能性もある。

【ユーロ・ドルは25日移動平均線を割り込んで引け】
 ユーロ・ドルは先月28日まで1ユーロ=1.3300ドル台でもみあいで推移したが、29日に第2四半期の米GDP改定値が上方修正されたことを受け、1.3217ドルまで急落した。30日には同月15日の安値1.3204ドルを割り込み、25日移動平均線が通る1.3301ドルも割り込んで8月の取引を終えた。先週もインド、インドネシア、トルコなどの新興国通貨は対ドルで安値を更新し、ドルが堅調。今月5日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利を据え置くとみられる。欧州景気に回復の兆しはあるが、本格回復には時間がかかるとみられる。1ユーロ=1.3200ドルの節目を一時割り込んだが、1.3000ドルまでユーロ安・ドル高となれば、ドルは対円でも99円台半ばから100円のレンジまで上昇か。 

【CMEの円の売り越しが大幅増】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が8月30日に発表した8月27日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は78,353枚となり、同月20日現在の71,721枚から大幅増となった。28日以降、ドルしっかりとなっていることで8万枚近くまで売り越し幅が拡大している可能性がある。直近で最大の売り越しとなったのは7月23日の87,496枚で、まだ売り越しの余地はある。 米労働市場絡みの数字が弱気なら投機家は円売り・ドル買いの流れを加速か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
3日  豪第2四半期経常収支、豪7月小売売上高
    オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    ユーロ圏7月生産者物価指数
    米8月ISM製造業景況指数
4日  豪第2四半期国内総生産(GDP)
    ユーロ圏第2四半期域内総生産(GDP)改定値
    ユーロ圏7月小売売上高指数
    米7月貿易収支
    カナダ銀行(BOC)政策金利
    米地区連銀経済報告(ベージュブック)
5日  豪7月貿易収支
    日銀金融政策決定会合(4〜5日)・金融政策発表
    独7月製造業受注指数
    英中銀(BOE)政策金利
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    米8月ADP雇用統計
    米新規失業保険申請件数
    米7月製造業受注指数
    米8月ISM非製造業景況指数
    20カ国・地域(G20)首脳会議(5〜6日)
6日  日本7月景気動向指数
    独7月貿易収支、独7月経常収支
    英7月鉱工業生産指数、英7月製造業生産指数、英7月貿易収支
    独7月鉱工業生産指数
    カナダ8月雇用統計
    米8月雇用統計
    カナダ8月Ivey購買部協会指数
7日  オーストラリア総選挙



2013年9月2日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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