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外為マーケットコラム

ドル・円は100円台定着できずもFOMC次第で100円台再挑戦


 9月第2週のドル・円相場はオバマ米大統領がシリアへの軍事攻撃の承認採決延期を議会に要請したことを受け、11日に1ドル=100.61円まで上昇し、7月22日以来の高値をつけた。しかし100円台の取引は長く続かず、その日のうちに99円台に反落した。12、13日は99円台で推移し、100円台が定着するには至らず。12日に発表された米週間新規失業保険申請件数が29万2,000件と事前予想(33万件)を大きく下回り、米労働市場の改善が再認識された。それを受け、ドルはしっかりとなったが、対円では100円の節目が抵抗線となった。週明け16日は98.43円まで下落し、25日移動平均線を試したが、99円台前半に反発して引け、終値ベースではおおむね99円台の動きを継続している。

【米債券購入額は750億ドルに縮小見通しか】
 今週は17、18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。8月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比169,000人増にとどまり、事前予想の18万人増を下回ったことで量的緩和の早期縮小観測は一時後退した。しかし12日に発表された週間米新規失業保険申請件数が労働市場の回復を示し、量的緩和政策の早期縮小観測が再燃した。FOMCでは債券購入額が750億ドルと現行の850億ドルから縮小される見通しである。FOMCで量的緩和の早期縮小に関して具体的な額、時期が公表され、ニューヨークダウが堅調ならば、ドルは対円で上昇し、再度1ドル=100円台に上昇する可能性があろう。抵抗線は11日の高値100.61円。そこを突破すると、101円の節目、7月8日の高値101.55円が高値目標となろう。安値のメドは98.43円、8月30日の安値97.86円。今週の予想レンジは1ドル=98〜101.50円。

 シリア情勢は、シリアが化学兵器を引き渡し、国際管理に置くことを表明し、国連に化学兵器禁止条約の加盟申請書類を送付したのに続き、14日にケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相が、シリアの化学兵器を2014半ばまでに廃棄させる枠組みで合意したため米国の軍事介入の可能性が後退した。

【中国の景気回復でドルの一本調子の上昇は回避か】
 10日に発表された8月の中国の小売売上高は、前年比13.4%増となり、大方の事前予想の同13.3%増を上回った。また同月の鉱工業生産は前年比10.4%増となり、大方の事前予想の前年比9.9%増を上回った。また同月の新車販売台数は前年同月比10.3%増の164万8,000台となった。日系メーカーは苦戦したが、欧米メーカーが好調で全体の増加につながった。1−8月期の累計では前年同期比11.8%増の1,394万7,600台となった。中国の景気回復を示す統計が出たことで中国株の代表的指数である上海総合指数は上昇に弾みがつき、12日に6月5日以来の高値となる2,270まで上伸した。新興国通貨、株式市場へ資 金が回帰すれば、ドルの一本調子の上昇は回避されそうだ。

【ユーロ・ドルはドイツの株高に支援され3週間ぶりの高値】
 ユーロ・ドルは11日にシリア情勢の緊張緩和や米量的緩和の早期縮小観測の後退など を背景に8月29日以来の高値となる1ユーロ=1.3324ドルまで上昇した。12日に発表された米週間新規失業保険申請件数が大幅に減少したことを受け、反落も下値は堅く、1.3300ドル水準で先週の取引を終えた。16日にはドイツ株式市場が過去最高値を更新したことが追い風となり、8月28日以来、約3週間ぶりの高値となる1.3385ドルまで上昇した。

【CMEの円の売り越しが急増】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が9月13日に発表した9月10日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は95,066枚となり、9月3日現在の79,761枚から急増した。11日以降、反落調となり、円の買い戻しが進んだとみられるが、まだ8万枚台後半から9万枚前後は売り越し状態とみられ、ファンドの円売り方針は継続しているとみられる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
17日 ユーロ圏7月経常収支
    英8月生産者物価指数、英8月消費者物価指数、英8月小売物価指数
    独9月ZEW景況感指数
    米8月消費者物価指数
    米7月対米証券投資
18日 豪7月ウェストパック先行指数
    英金融政策委員会(MPC)議事録
    米8月住宅着工件数・建設許可件数
    米連邦公開市場委員会(FOMC)、バーナンキ議長記者会見
19日 NZ第2四半期国内総生産(GDP)
    日本8月貿易収支
    日本7月景気動向指数
    スイス国立銀行(SNB)政策金利
    英8月小売売上高指数
    米新規失業保険申請件数、米第2四半期経常収支
    米9月フィラデルフィア連銀景況指数
    米8月中古住宅販売件数、米8月景気先行指数
20日 カナダ8月消費者物価指数



2013年9月17日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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