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外為マーケットコラム

米新年度予算成立への不安でドル・円は1カ月ぶりの安値


 9月第4週のドル・円相場は1ドル=98.06〜99.60円のレンジで推移し、第3週のレンジから出ることなく、往って来いの展開となった。9月20日に99.66円まで上昇したが、その後は緩やかに下落基調となり、25日移動平均線が通る98.97円を割り込んで引けた。

 その流れを引き継ぎ、週明け30日はアジア時間の早朝から8月29日以来、約1カ月ぶりの安値となる97.50円台に急落した。米議会で30日までに新会計年度の暫定予算が成立しなければ、政府機関が一部閉鎖になる可能性があることがドル売りにつながった。政府機関が閉鎖されればクリントン政権時代の1996年以来の異常事態だ。軍や司法、財政金融関連は通常業務を続ける予定だが、国立公園や博物館が休業となる。債務上限の引き上げ交渉もあり、ドル買いには慎重な投資家が多そうだ。

 9月30日から10月第1週は米労働市場に関する統計の発表が多い。今月17、18日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では量的緩和の早期縮小が見送られたが、米労働市場に関する数字を見極めながら、年内の量的緩和の縮小時期を見極める展開。予想レンジは1ドル=96.50〜99円。

【米量的緩和の年内縮小は織り込み済みか】
 26日に発表された第2四半期・米国内総生産(GDP)確報値は前期比+2.5%となり、事前予想の+2.6%を下回った。しかし同日に発表された21日までの米週間新規失業保険申請件数は30万5,000件にとどまり、大方の予想32万5,000件を大幅に下回り、米雇用情勢の強さが示されたことで一時99.13円に上昇した。しかし99円台では戻り売りにあい、98.88円で引けた。リッチモンド連銀総裁は「FRB債券購入の直接の経済的効果は最小限で向こう数年、米成長率は2%を予想。市場は緩和縮小にうまく適応する。10月の緩和縮小あり得る、当局は難しい立場にある」と発言している。翌27日にはシカゴ連銀総裁が「緩和縮小は10月か12月、または来年1月にあり得る。10月に緩和縮小がなくても驚かないだろう。緩和縮小には景気への一段の信頼が必要だ。金融当局は刺激策継続を継続する必要がある」と発言している。ニューヨークダウは今月18日に15,709.58ドルまで上げ、史上最高値を更新した後、高値修正局面入りし、週足は4週間ぶりに陰線引けとなった。米株式市場はいずれ米量的緩和策の縮小があることを織り込んでいる。

【9月の独雇用統計やドラギEBC総裁の発言に注意】
 ユーロ・ドルも9月第3週のレンジから出ることなく、ドル・円と同様に往って来い展開だった。27日に急上昇し、1.3654ドルまで上昇したが、19日の高値1.3570ドルが抵抗線になった。終値で1.3500ドルを維持したが、3週間ぶりに陰線引け。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴユーロの売り越しが17日現在の31,907枚から24日現在の65,844枚に急増し、ユーロ売りが進んだが、25日以降は買い戻しが先行したもよう。

 10月1日に9月の独雇用統計の発表がある。2日には欧州中央銀行(ECB)の理事会があるが、政策金利は据え置きとの予想。ドラギ総裁の記者会見が予定されており、その反応が注目される。またイタリアで連立政権の一角を占めるベルルスコーニ前首相が率いる自由国民党の閣僚5人が辞任を表明しており、イタリア政局にも注意が必要だ。

【CMEの円の売り越しも25日以降は買い戻し進む】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が9月27日に発表した9月24日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は92,818枚となり、9月17日現在の88,794枚から増加した。ただ25日以降は買い戻しが先行したとみられ、27日現在、売り越しは9万枚前後とみられる。週初に97円台をつけたことでさらに買い戻しが進むことが予想される。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。
30日  ユーロ圏9月消費者物価指数
    米9月シカゴ購買部協会景気指数
1日  日本8月勤労者世帯家計調査、日本8月雇用統計、日本8月有効求人倍率
    7−9月期日銀短観
    中国製造業購買担当景気指数
    豪8月小売売上高
    オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    独9月雇用統計
    ユーロ圏8月雇用統計
    米8月建設支出
    米9月ISM製造業景況指数
2日  豪8月貿易収支、豪8月住宅建設許可件数
    ユーロ圏8月生産者物価指数
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    米9月ADP雇用統計
3日  ユーロ圏8月小売売上高指数
    米新規失業保険申請件数
    米8月製造業受注指数
    米9月ISM非製造業景況指数
4日  日銀金融政策決定会合(3〜4日)・金融政策発表
    独8月生産者物価指数
    米9月雇用統計
    カナダ9月Ivey購買部協会指数



2013年9月30日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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