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外為マーケットコラム

米政府機関の閉鎖で1ドル=95.77円を目指す流れに


 9月最終日から10月第1週のドル・円相場は1ドル=96.89〜98.72円のレンジで推移した。3日に96円台後半を試し、8月28日以来の安値をつけた。9月11日につけた高値100.61円を出発点に下降トレンドを形成し、8月8日の安値95.77円を目指す流れだ。米議会での予算案の協議が難航し、一部政府機関が閉鎖され、4日に労働省から発表される予定であった9月の米雇用統計の発表は延期となった。米政府機関の一部閉鎖は1〜2週間ほど続く見込みだが、長引けば米経済に深刻な打撃を与えることになる。債務上限の引き上げ問題でも進展が見られず、デフォルト(債務不履行)の可能性がある。債務不履行となれば2007-09年のリセッション(景気後退)よりも深刻なリセッションに陥る不安がある。現時点ではドル売り圧力が強く、上値が切り下がる展開である。今週の予想レンジは1ドル=95.70〜99.80円のレンジ。

 今月1日から国慶節のため、中国が祝日となっていたが、8日から再開される。為替市場、株式、商品市場に影響を与えそうだ。エジプトの首都カイロなどで6日、イスラム組織スリナム同胞団が主導するモルシ前大統領支持派と治安部隊と反モルシ派市民が衝突し、8月以来の衝突規模になっていることが有事のドル買いにつながるかも注目要因である

【米ADP雇用統計は事前予想より弱気】
 2日に発表された9月の米ADP統計は雇用者数が前月比16万6,000人増加にとどまり、事前予想の18万人増を下回った。3日に発表された9月28日までの週の米週間新規失業保険申請者件数は30万8,000件となり、事前予想の31万5,000件を下回った。ADP雇用統計は事前予想より弱気の数字となり、量的緩和政策の早期縮小が後退したことや、政府機関の一時閉鎖から年内の縮小はないかもしれない。債務上限の引き上げの期限とされる17日までに解決されるか否の思惑が交錯しそうだが、上限引き上げ観測が強まれば、ドルが買われる可能性があろう。

【欧州景気は緩やかに回復基調か】
 ユーロ・ドルは上昇。米政府機関の一部が閉鎖となった1日にユーロ・ドルは1ユーロ=1.3646ドルまで上昇し、2月4日以来、約8カ月ぶりの高値をつけた。2日に行われた欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利は0.50%で据え置かれ、ドラギ総裁は記者会見で「政策金利は長期にわたり現行水準かそれ以下にする。ユーロ圏経済見通しへのリスクは下向きである」と述べている。

 1日に発表されたドイツの9月の雇用統計は、失業率(季節調節済)が6.9%、失業者数(季節調整済)は前月比25,000人増加となった。大方の事前予想は失業率が6.8%、失業者数は前月比5,000人減少よりも悪い数字となった。しかし同日に欧州連合(EU)統計局が発表した7月の失業率を速報値から0.1ポイント低い12.0%に下方修正した。この結果、6月の12.1%を下回り、2011年2月以来、2年5カ月ぶりに失業率が低下した。8月の失業率(速報値)は12.1%と横ばいだが、市場は7月の失業率の下方修正を好感したユーロ高につながった。ユーロ景気は緩やかに回復傾向に向かっているとの見方が台頭している。

【CFTCの建玉明細の発表は延期】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週金曜日に発表している建玉明細は米政府機関の閉鎖に伴い、4日の発表は延期された。今後いつ発表されるかは未定。1ドル=96円台を試したことで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の買い戻しが進んだとみられる。大口投機家の買い越しは9月24日現在、92,818枚あったが、9月3日の79,761枚の売り越しと同水準まで売り越し幅は減少しているとみる。96円台半ば〜前半に下落すると円の買い戻しが進み、95円台後半まで下落する可能性が出てくる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

8日  日本8月経常収支
    独8月貿易収支、独8月経常収支
    独8月製造業受注指数
    米8月貿易収支
9日  日銀金融政策決定会合議事録
    英8月鉱工業生産指数、英8月製造業生産指数、英8月貿易収支
    独8月鉱工業生産指数
    米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
10日 日本8月機械受注高
    豪9月雇用統計
    英中銀(BOE)政策金利
    米新規失業保険申請件数
    米9月輸入価格指数
11日 独9月消費者物価指数
    カナダ9月雇用統計
    米9月生産者物価指数
    米9月小売売上高
    米10月ミシガン大学消費者信頼感指数

※米政府機関の一部閉鎖により、米国の経済統計は発表が遅れる可能性があります。



2013年10月7日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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