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外為マーケットコラム

米債務上限引き上げ期待で1ドル=98円台に急反発


 10月第2週のドル・円相場は1ドル=96.53〜98.59円のレンジで推移した。8日に米債務不履行(デフォルト)懸念とニューヨークダウの大幅下落を受け、ドルが売られ、ドル・円は8月12日以来の安値となる1ドル=96.53円まで下落した。約2カ月ぶりの安値をつけたが、週後半は反発基調となり、98円台半ばまで戻した。10,11日の2日間の日程で開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議終了後の声明で「米国は短期的な財政の不確実性に対処するため、緊急の行動を取る必要がある」と米国に対し、早期解決を促した。

 今週は17日に迫った米債務上限が引き上げられ債務不履行(デフォルト)が回避できるかが注目要因である。週明け14日にはオバマ米大統領が12日に下院共和党が示した6週間限定の債務上限引き上げ案を拒否し、17日までに債務上限引き上げ問題が解決せず、デ フォルト(債務不履行)懸念が強まった。しかし、市場には、土壇場でデフォルトは回避され、決着するとの見方もある。14日の米東部時間の午後3時からオバマ大統領と議会指導部らの会談が行われており、協議進展への期待が下支えし、15日の東京時間の早朝には98.70円まで上昇した。

 先週は米政府機関が閉鎖され、ほとんどの米経済統計の発表が見送られ、米景気の判断がしにくい環境だ。ニューヨークの自由の女神、グランドキャニオンは州が人件費などの費用を負担する格好で再開したが、米経済統計の発表は見送られており、足元の景気動向の把握ができない。早期に米経済統計の発表の再開が待たれるところである。18日に中国国家統計局が第3四半期の国内総生産(GDP)を発表する。大方の事前予想は前年同期比+7.8%。第2四半期の同+7.5%から改善見込み。米債務上限の引き上げとともに注目要因だ。予想レンジは不確定材料が多いため、やや広めにとり1ドル=96〜100円とする。

【ドル・円はV字形の急回復で強気に転換】
 米週間新規失業保険申請件数は10日に予定通り発表され、374,000件となり、大方の事前予想の31万1,000件を大幅に上回った。この数字だけを見れば米量的緩和の縮小の後退でドル売りだが、米議会は10日、債務上限引き上げ問題の打開に関して動き出し、17日の期限前に上限引き上げ期間を6週間に限定する短期的な上限引き上げ案を提案した。それを受け、ニューヨークダウが300ドル以上の急伸となり、今年最大の上げを記録した。ドル・円は1ドル=98円台前半に上昇した。11日は東京時間から98.50円台に続伸し、V字形の急反発となり、おおむね先週の高値で引けた。

 25日移動平均線が1ドル=98.50円水準に通っており、14日間の相対力指数(RSI)は53となり、弱気と強気の分岐点の50を上抜いた。12日まで4日連続の陽線でテクニカルは強気に転換した。米債務上限が引き上げられれば、9月20日の高値99.66円を目指し、10月中に11日の高値100.61円を目指す展開か。

【ユーロ・ドルは下値堅く推移】
 ユーロ・ドルは反落も下値堅く推移。9日にドルの買い戻しを受け、1ユーロ=1.3483ドルまで下落。9月30日以来の安値をつけた。しかし1.3500ドル割れは長く続かず、1.3589ドルで11日の取引を終えた。イタリアではベルルスコーニ元首相がレッタ内閣支持を打ち出したことで、内閣が信任されて連立政権が維持された。イタリアの政局混迷が避けられたこともユーロには支援材料となっている。

【CFTCの建玉明細の発表は延期】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週金曜日に発表している建玉明細は米政府機関の閉鎖に伴い、11日の発表も4日に続き延期された。今後いつ発表されるかは未定。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

15日  日本8月鉱工業生産指数
    英9月生産者物価指数、英9月消費者物価指数、英9月小売物価指数
    独10月ZEW景況感指数
    米10月NY連銀製造業景気指数
16日 豪8月ウェストパック先行指数
    英9月雇用統計
    ユーロ圏9月消費者物価指数、ユーロ圏8月貿易収支
    米9月消費者物価指数
    米8月対米証券投資
17日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
    ユーロ圏8月経常収支
    英9月小売売上高指数
    米新規失業保険申請件数
    米9月住宅着工件数・建設許可件数
    米9月鉱工業生産・設備稼働率
    米10月フィラデルフィア連銀景況指数
18日 中国9月鉱工業生産指数、中国9月小売売上高
    カナダ9月消費者物価指数
    米9月景気先行指数

※米政府機関の一部閉鎖により、米国の経済統計は発表が遅れる可能性があります。



2013年10月15日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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