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外為マーケットコラム

米債務上限引き上げ合意もドルは買い進まれず


 10月第3週のドル・円相場は1ドル=97.52〜99.00円のレンジで推移した。17日に期限が迫った米債務上限が引き上げられ、債務不履行(デフォルト)が回避できるかが注目要因だったが、16日に来年2月7日まで期限付き債務上限の引き上げが米議会の上院、下院で可決され、デフォルトは回避された。15日頃から上限の引き上げの合意が近いとの報道があり、徐々にドル買いが優勢となった。引き上げ合意の報道を受け、17日の日本時間の午前9時には1ドル=99円を試した。しかし99円の節目が抵抗線になり、18日には97.52円まで反落した。米国の債務上限の引き上げは決まったが、債務問題は根本的に解決されておらず、数カ月以内に再度デフォルトの不安が台頭する可能性があり、ドルが買い進まれるには至らなかった。1週間のレンジは1.48円の値動きにとどまり、売買妙味を欠いた。

【市場の関心は10月の米雇用統計に】
 今週は4日に発表予定となっていた米労働省発表の9月の米雇用統計が22日に発表される。事前予想は失業率が前月と変わらずの7.3%、非農業部門の就業者数は前月比18万人増で8月の同169,000人増から改善見込み。17日に発表された週間米新規失業保険申請者件数は358,000件となり、事前予想の335,000件を大幅に上回った。10日に発表された新規失業保険申請者件数も事前予想の31万件を大幅に上回る374,000件となり、2週連続で労働市場の悪化を示した。新規失業保険の申請件数が増え、9月の米雇用統計の数字が注目される。米労働市場の悪化が裏付けられると、年内の量的緩和縮小観測が後退し、ドル安に傾きやすくなろう。ただ市場は既に11月8日発表の10月の米雇用統計に関心が移っていると指摘する声もある。影響は限定的で9月終盤以降のレンジ相場を継続か。今週の予想レンジは1ドル=96.50〜99.50円。

【人民元買い続けば円買いシナリオ】
 18日に中国国家統計局から発表された中国の第3四半期の国内総生産(GDP)は前年比+7.8%となり、第2四半期の同+7.5%から持ち直した。成長率が拡大するのは3四半期ぶりのことだが、大方の事前予想で織り込み済み。今後の景気回復が継続されるかは不透明である。中国・人民元は16日に対ドルで20年ぶりの高値をつけた。今後も人民元の上昇が続けば、アジア通貨買いから円が買われるシナリオが描かれる可能性はあろう。

【1ドル=98円台後半に上昇なら投機家のドル買い姿勢が強まる】
 米政府機関の閉鎖が解除され、米経済統計の発表が再開され、米経済の実態が把握できるようになった。18日に発表再開見込みであった米商品先物取引委員会(CFTC)発表の建玉明細は3週連続で未発表となり、大口投機家のポジションが不明だが、ドル・円は97円台半ばから切り返したことで、まだ買い姿勢をとる投資家が多いもよう。21日の日本時間の午前11時現在、1ドル=97.90円台で推移し、25日移動平均線が通る98.10円とほぼ同水準でテクニカル要因は中立である。98円台後半から99円水準に上昇すると投機家はドル買い姿勢を強めるとみられる。

【ユーロ・ドルは年初来高値の更新の可能性あり】
 ユーロ・ドルは堅調。17日に1ユーロ=1.365ドルの抵抗線を突破し、18日には約8カ月ぶりの高値となる1.3704ドルまで上昇した。米金融緩和縮小時期の先送り観測や、市場予想以上に緩和政策が継続されるのではとの思惑からドル売りが優勢となった結果だが、ユーロ経済が最悪期を脱し、1.3710ドルが抵抗線だが、米労働市場に関する経済指標が弱気の数字となりれば、1.3710ドルを突破し、今年の最高値を更新する可能性はあろう。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

21日 日本8月景気動向指数
   独9月生産者物価指数
   米9月中古住宅販売件数
22日 米9月雇用統計(当初の発表予定は4日)
23日 英金融政策委員会(MPC)議事録
   米8月住宅価格指数
   カナダ銀行(BOC)政策金利
24日 中国10月HSBC製造業購買担当景気指数
   米新規失業保険申請件数
   米9月新築住宅販売件数
25日 日本9月消費者物価指数
   独10月ifo景況感指数
   英第3四半期国内総生産(GDP)速報値
   米9月耐久財受注
   米10月ミシガン大学消費者信頼感指数



2013年10月21日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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