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外為マーケットコラム

米GDPと雇用統計の数字に注意


 10月最終週から11月1日のドル・円相場は1ドル=97.41〜98.84円の狭いレンジで推移した。10月29、30日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の景気改善が示されたとの声明の発表を受け、ドルは対ユーロで急上昇となった。ドル・円は10月のレンジ相場から出ることはなかった。

 ユーロ・ドルは10月25日に1ユーロ=1.3832ドルまで上昇し、1年11カ月ぶりの高値をつけたが、28日から急落し、波乱の展開となり、1日に1ユーロ=1.3500ドルを割り込み、10月16日以来の安値をつけた。週明け4日も続落し、9月18日以来の安値を更新しており、下値を模索した。

 ドル・円は緩やかに上昇基調を辿っているが、はっきりした方向性が出るには至っていない。今週は7日に第3四半期の米国内総生産(GDP)、8日に米労働省から10月の米雇用統計の発表がある。大方の事前予想はGDPが前期比+2.0%で第2四半期の同+2.5%から鈍化する見通し。雇用統計は非農業部門の雇用者数増加数が前月比12万人増で9月の同14.8万人増より鈍化するとの予想である。

 FOMCで政策金利据え置き、毎月の債券購入額を850億ドルで維持し、量的緩和縮小は今回も見送られた。米景気は改善傾向にあるが、財政協議が難航したため、一部の政府機関が閉鎖され、経済見通しが悪化したことで量的緩和縮小の見送り要因になった。米新車販売は10月が前年同月比10.6%増となり、6年ぶりの高水準を記録したが、FOMCで米住宅市場の減速傾向が示されており、大型消費財でも明暗を分けている。

 年明け1月に米暫定予算が失効するため、再度、政治的混乱が生じる可能性があり、量的緩和の縮小は来年春以降との見方が多い。米GDP、雇用統計が強気の数字となれば、量的緩和の縮小の可能性が早くなるとの見方が増え、ドル高がさらに進む可能性があろう。今週のレンジ予想は1ドル=97〜99円台後半。

【ユーロ・ドルは急落、欧米の経済指標の強弱感の差から】
 10月30日に10月の米ADP雇用統計が発表され、就業者数は前月比13万人増となり、事前予想の同15万人増を下回った。また31日に発表された26日までの週の米週間新規失業保険申請件数は338,000件で事前予想の34万件をわずかに下回った。事前予想より弱い数字となったが、31日に発表された10月のシカゴ購買部協会景気指数が65.9となり、事前予想の55.0を大幅に上回ったことでドルはしっかり。

 ユーロ圏の経済統計は30日に発表されたドイツの10月の雇用統計で失業者数が前月比2,000人増となり、事前予想の変わらずを上回った。また31日に発表された9月のユーロ圏失業率は12.2%に上昇し、事前予想の12.0%を上回り、ユーロ圏内の雇用情勢は予想されたほどの改善は見られなかった。スペインの10年物の国債利回りが5月3日以来の4%割れとなった。スペインが2年ぶりに景気後退(リセッション)から脱出したとの認識がスペイン政府から示されたが、内需が弱く、本格回復には時間がかるとの見方が多く、ユーロ買いにはつながらなかった。ユーロ・ドルは1ユーロ=1.3400ドルを目指す流れにある。ユーロ・ドルが一段安となり、1ユーロ=1.3400ドル割れならドル・円は1ドル=99円台半ば〜後半に上昇か。

【大口投機家は円の売り越し幅を増加か】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月1日に10月22日現在の建玉明細を発表した。通常より1週間遅れだが、それによると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は71,802枚となった。8、15日現在では5万枚台の売り越しまで減少していたが、10月最終週は1ドル=98円台に円安・ドル高が進んだことで7万枚台半ばから7万枚台後半まで円の売り越しが増えている可能性がある。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

5日  オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    ユーロ圏9月生産者物価指数
    カナダ9月貿易収支
    米10月ISM非製造業景況指数
6日  NZ第3四半期雇用統計
    日銀金融政策決定会合議事要旨(10月3・4日分)
    豪9月貿易収支
    英9月鉱工業生産指数、英9月製造業生産指数
    ユーロ圏9月小売売上高指数
    独9月製造業受注指数
    カナダ10月Ivey購買部協会指数
7日  豪10月雇用統計
    日本9月景気動向指数
    独9月鉱工業生産指数
    英中銀(BOE)政策金利
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    米新規失業保険申請件数
    米第3四半期国内総生産(GDP)速報値、米第3四半期個人消費速報値
8日  中国10月貿易収支
    独9月貿易収支、独9月経常収支
    英9月貿易収支
    カナダ10月雇用統計
    米10月雇用統計
    米11月ミシガン大学消費者信頼感指数
9日  中国10月消費者物価指数、中国10月生産者物価指数
    中国10月鉱工業生産指数、中国10月小売売上高



2013年11月5日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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