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外為マーケットコラム

1ドル=103.73円目指す流れも米雇用統計を警戒


 11月最終週のドル・円相場は上昇基調が続き、27日の海外市場で1ドル=102円台に上昇し、102.61円まで円安・ドル高が進んだ。強気の米経済統計の数字が多く、ニューヨークダウは16,000ドル台に上昇後も一段高となり、史上最高値の更新が続いた。ドル・円は年内に5月22日の高値103.73円を目指す動きが現実的になってきた。

 12月第1週は4日に11月の米ADP雇用統計、6日に米労働省から発表される同月の雇用統計が注目される。強気の数字になると、17、18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小が決まるとの見方が強まる可能性がある。金利差からするとドル買いが有利だ。ただ株安となればリスク回避けの動きが強まり、ドル・円は反落する可能性もあり、米雇用統計の数字と市場の反応に警戒が必要だ。11月の米雇用統計の大方の事前予想は非農業部門の雇用者数は前月比18万人増で10月の同20万人増から鈍化する見込み。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=101.50〜103円台前半。

【強気の米経済統計で1ドル=102円台に上昇】
 11月最終週に発表された米経済指標は26日に発表された11月の米消費者信頼感指数が70.4となり、事前予想の72.6を下回り、7カ月ぶりの低水準となった。しかし27日発表の週間新規失業保険申請件数は316,000件と事前予想の33万件を下回り、9月28日の週以来の低水準となった。また11月のシカゴ購買部協会景気指数は63.0と事前予想の60.0を上回り、11月のミシガン大消費者信頼感指数確報値は75.1と速報値72.0から上方修正され、10月の景気先行指数は前月比0.2%上昇と予想(横ばい)を上回るなど、軒並み強気の数字となったため、ドル高・円安となり、1ドル=102円台を試す格好となった。25日移動平均線が通る100円からの乖離率は約2.5%でまだ買い過剰感はない。ただ14日間の相対力指数(RSI)は73前後まで上昇しており、買われ過ぎ感が台頭している。きっかけ次第で修正安局面となり、1円程度の反落の可能性はあるとみる。

【NYダウ史上最高値の更新も高値警戒感が強まる】
 ニューヨークダウの上値追いが継続し、29日には16,174.51ドルまで上昇し、史上最高値を更新した。10月10日に長大陽線を引く急騰となった日から1カ月半以上、上昇相場を形成している。50日移動平均線が15,524ドル水準に通っているが、乖離率は4%近くになっている。14日間の相対力指数(RSI)は70近くに達し、高値警戒感が強まっている。ドル・円と同様にきっかけ次第で修正安の可能性はある。

【ユーロ経済の改善期待でユーロは対ドル、対円ともに上昇】
 ユーロ・ドルは堅調。先月26日に中国人民銀行の周総裁が外貨準備を管理する際にユーロは重要だとの見方を示し、ドルの保有比率を引き下げる可能性を示唆したことや、欧州中央銀行(ECB)当局者が、インフレ率は徐々に上向くとの見通しで追加緩和観測の後退がユーロ買いを招き、1ユーロ=1.3575ドルに上昇し、同月20日の高値1.3579ドルにほぼ顔合わせした。27日にはドイツでメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が、社会民主党(SPD)との連立で合意したことを受け、政治の安定が好感されるなか、12月の独消費者信頼感指数が事前予想を上回り、2007年8月以来の高水準となったことで、欧州市場で一時、10月31日以来となる1.3613ドルへと値を伸ばした。ユーロは対円でも上昇傾向となり、1ユーロ=139円台まで上昇し、2008年10月以来のユーロ高・円安となった。欧州経済の改善期待から投資家のユーロ買い姿勢が強まった。29日に発表された10月のユーロ圏失業率は12.1%と過去最悪となった前月の12.2%から低下し、欧州の労働市場にも改善の兆しが見られる。

【大口投機家の円の売り越し幅が過去1年で最大に】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が通常金曜日の午後に発表する建玉明細は28日がサンクスギビングデー(感謝祭)で祝日のため、1営業日遅れの2日の午後に発表となる。

 11月19日現在、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は112,216枚だったが、投機家はさらに円売り姿勢を強めているとみられ、売り越し幅は12万枚前後まで拡大しているとみる。利益確定の円の買い戻しが入る可能性はある。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

2日  米11月ISM製造業景況指数
    米10月建設支出
3日  豪10月小売売上高
    オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    ユーロ圏10月生産者物価指数
4日  豪第3四半期国内総生産(GDP)
    ユーロ圏第3四半期域内総生産(GDP)改定値
    ユーロ圏10月小売売上高指数
    米11月ADP雇用統計
    米10月貿易収支
    カナダ銀行(BOC)政策金利
    米11月ISM非製造業景況指数
    米10月新築住宅販売件数
    米地区連銀経済報告(ベージュブック)
5日  豪10月貿易収支
    英中銀(BOE)政策金利
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    米新規失業保険申請件数
    米第3四半期国内総生産(GDP)改定値、米第3四半期個人消費改定値
    カナダ11月Ivey購買部協会指数
    米10月製造業受注指数
6日  日本10月景気動向指数
    独10月製造業受注指数
    米11月雇用統計
    米12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
8日  中国11月貿易収支



2013年12月2日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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