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外為マーケットコラム

日米の金融政策の相違から1ドル=105・44円までドル高・円安進行


 昨年12月24日から新年1月3日のドル・円相場は12月26日に同月20日につけた高値104.63円を上抜き、104.84円まで上昇し、翌27日には105円台まで続伸した。年末も堅調に推移し、年明け2日には2008年10月3日以来の高値となる105.44円まで買われた。14年の米経済が堅調に推移するとの予想が多いことに加え、1日付けの読売新聞で黒田日銀総裁が異次元緩和を2年に限定せず継続する可能性を示唆したことを受け、引き続き日米当局の金融政策の方向性の相違がドル買い、円売りを招いた。複数の米経済指標が予想より強い数字となったが、欧米株式相場の下落によるクロス・円の下げや、10年物米国債の利回り低下などに圧迫され、2日のうちに104.52円まで反落した。3日は104.03円まで下落したが、押し目買いで安値を離れ、104.85円で取引を終了した。

 今週は8日の昨年12月の米ADP雇用統計の発表を皮切りに米労働市場に関する米経済指標の発表が続く。また8日に昨年12月17、18日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表され、市場の反応が注目される。ユーロ絡みでは9日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され、政策金利が公表される。今週のドル・円の予想レンジは1ドル=103.70〜106.00円

  【25日移動平均線を下回らない限り、高値調整長引かず】
 ドル・円は2013年中に1ドル=105円台に上昇した。前回の本欄で2013年中に105円の節目に接近する上伸となる可能性はあろうと予想していたが、予想より早く105円台乗せを達成した。

 2日に発表された昨年12月28日までの米週間新規失業保険申請件数が33万9,000件となり、前回33万8,000件より微増となったが、昨年12月の米ISM製造業景況指数は57.0で事前予想の56.9を上回った。また同月の米建設支出は前月比+1.0%で事前予想の+0.7%を上回った。しかしドルの利食い売りが先行する格好となり、投資家の間で高値警戒感が強まっていることが感じられた。3日に104.03円まで反落し、クリスマス明け後の上げ幅を削る下げとなったが、25日移動平均線を一度も割り込んでいない。6日の東京時間の午前10時半現在、103.80円に25日移動平均線が通っているが、25日移動平均線を下回って引けない限り、高値調整局面は長引かないと考えたい。

【10日発表の米雇用統計次第で高値突破に向け再上昇場面】
 注目される米経済指標は米労働省から10日に発表される昨年12月の雇用統計が挙げられる。大方の事前予想では失業率は昨年11月と変わらずの7.0%。非農業部門の就業者数は前月比19万5,000人増で昨年11月の同20万3,000人増から鈍化する見込み。予想より強い数字が出て、昨年11月の数字を上回ることになれば、ドル高に傾きやすく、高値修正場面を終え、1ドル=105.44円突破に向け、再上昇場面となろう。

【ユーロ・ドルは政策金利据え置き・米量的緩和縮小継続予想で急落】
 ユーロ・ドルは昨年12月27日に2年1カ月ぶりの高値となる1ユーロ=1.3892ドルまで上昇したが、年明け2日から急反落となり、3日には昨年12月5日以来の安値となる1.3580ドルまで売られた。

 1日に中国物流購買連合会から発表された昨年12月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が51.0となり、事前予想の51.2を下回った。11月の51.4を下回り、4か月ぶりの低下となった。2日のユーロ・ドルは中国PMIの低下、米量的緩和継続見通しなどから欧州株式相場が下落したことや、予想を上回る複数の米経済指標などが嫌気され、軟化した。3日は9日の欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利が据え置かれる見通しの一方で、米景気の力強さなどを背景にFRBが量的緩和縮小を継続することが見込まれることが引き続き圧迫要因となり、2日連続で長大陰線を引く下げとなった。  ユーロ経済の回復期待は強いが、米経済の力強さと比べると、強弱感の差があり、1ユーロ=1.3500ドル近くまでの下落はあろう。

【大口投機家の円の売り越しは15万枚前後まで拡大、売り過剰感から買い戻しか】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が昨年12月31日に発表した24日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は同月17日現在の13万0,223枚からさらに拡大し、14万3,822枚まで増加した。25日以降、ドル高・円安が進んだことで年初は15万枚前後まで売り越し幅が拡大したとみられ、円の売り過剰感からの買い戻しが2日から3日にかけてのドルの反落につながったもよう。なおシカゴ・円の今月2日現在の取組高は23万1,131枚となり、昨年12月24日現在の23万9,160枚から減少している。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

6日 2013年12月の非製造業ISM景況指数
7日 2013年12月のユーロ圏の消費者物価指数速報(EUROSTAT)
8日 2013年の11月のユーロ圏の雇用統計(EUROSTAT)
   2013年12月の米ADP雇用統計(ADP)
   FOMCの議事録公表(昨年12月17-18日に開催分)
9日 2013年12月のユーロ圏経済信頼感・企業景況感(欧州委員会)
   欧州中央銀行(ECB)金融政策方針公表
   米週間新規失業保険申請者件数
10日 2013年12月の米雇用統計(米労働省)



2014年1月6日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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