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外為マーケットコラム

米労働省発表の雇用統計きっかけにドル修正安進む


 1月6日の週のドル・円相場は6日に1ドル=103.88円まで軟化し、昨年12月23日以来の安値をつけ、押し目を形成した。103円台後半から104円台前半での取引は長続きせず、8日に発表された12月の米ADP統計が米労働市場の回復を示す数字となったことでドルは堅調に推移し、105円台に反発した。8日には昨年12月17-18日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開され、米労働市場が好調を維持し、量的緩和の縮小が続くと見方からドルは堅調に推移した。10日に米労働省から発表された昨年12月の米雇用統計で失業率が事前予想の7.0%を大幅に下回る6.7%となったが、非農業部門雇用者数は前月比7万4,000人増にとどまり、事前予想の同19万7,000人増を大幅に下回った。その数字を受け、米量的緩和縮小ペースが鈍化するのではとの思惑などから、ユーロを買い戻す動きが強まることとなり、ドル安が進み、対円では103.83円まで軟化した。かろうじて104円台は維持したが、週足は2週連続の陰線引けとなり、25日移動平均線が通っていた104.18円を下回り、ドル高修正局面を迎えた。13日は東京が祝日だったが、海外市場では米緩和縮小ペースの鈍化観測が強く、1ドル=102.86円までドル安・円高が進んだ。14日の東京時間の午前11時40分現在、1ドル=103.40円台で推移。14日間の相対力指数(RSI)は44.67、25日移動平均線が通る104.17円を約0.7円、下に乖離しており、弱基調転換を示唆している。

 今週は14日に発表される昨年12月の小売売上高を皮切りに複数の米経済統計の発表がある。米経済統計を見極めながら、ドルの修正安が短期で終焉するか、今後数週間続くのかを見極める展開か。予想レンジは1ドル=102〜105.00円。

  【1ドル=102.53円割れなら102円前後まで円高進む】
 ドル・円は昨年12月18日に上放れ、年末は上伸局面となり、年初の2日に1ドル=105.44円をつけた。結果的には2日の高値105.44円が当面の天井となった。日米金融政策の相違、日本は4月に消費税が引き上げられ、景気に不透明感が強く、円は積極的に買いにくく、昨年12月18日、上放れの上昇の出発点となった1ドル=102.53円が支持線になるとみるが、102.53円割れとなると、102円前後までドル安・円高が進む可能性はあろう。

 米労働省発表の雇用統計以外の主な米経済統計は6日に発表された昨年12月のISM非製造業景況指数が53.0となり、11月の53.9から低下し、2013年6月以来の低水準となった。7日発表の昨年11月の米貿易赤字は前月比12.9%減の342億5,200万ドルと事前予想(400億ドル)を下回り、2009年10月以来の低水準に縮小した。8日に発表された昨年12月の米ADP統計は就業者数が前月比23万8,000人増となり、事前予想の20万人増を上回り、2011年11月以来の高水準となった。また9日発表の米週間新規失業保険申請件数が33万件となり、事前予想の33万5,000件を下回った。米経済統計は強弱感が交錯したが、米労働省が10日に発表した雇用統計の数字が事前予想より弱気の数字となり、米緩和縮小ペースの鈍化観測が強まり、ドル高の流れからドル修正安の流れに転換した。

【ユーロ・ドルは急反発もユーロ・米国間の経済回復力の差でユーロ安進みやすい】
 ユーロ・ドルは9日に昨年12月5日以来の安値となる1ユーロ=1.3547ドルまで下落したが、10日に発表された昨年12月の米雇用統計が弱気の数字となったことで今月2日以来の高値となる1ユーロ=1.3775ドルまで急反発した。

 9日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され政策金利が0.25%に据え置かれた。ドラギECB総裁から金利は長期にわたって低水準にとどまるとECBは予想、政策金利は長期にわたり現行水準かそれ以下にし、必要なかぎり、金融政策は緩和的にとどめると述べた。また物価圧力は引き続き抑制されており、ユーロ圏は長期的に低インフレに直面も生産は2014、2015年に鈍いペースで回復へと向かうとの見解を示している。

 イエレン次期米FRB議長が2014年の米国の経済成長率を3%以上と期待、米景気の回復はいら立たしいほど鈍いが、住宅市場は一段と回復へ向かうとの予想を出しており、ユーロ、米国との間で経済回復力は差があり、ユーロ安・ドル高が進みやすい環境である。

【大口投機家の円の売り越しは12万8,868枚まで減少】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が10日に発表した今月7日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は昨年12月31日現在の13万5,228枚から12万8,868枚まで減少した。年明け後は利益確保の円の買い戻しが先行した。10日は損切りを含め、円の買い戻しがかなりあったもよう。まだ円を途転買いに向かう投資家は少ないとみられるが、1ドル=102円台半ばを維持できないと、買い戻しが増え、102円前後まで円高・ドル安が進む可能性があるとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

14日 英12生産者物価指数、英12月消費者物価指数、英12月小売物価指数
   ユーロ圏11月鉱工業生産指数
   米12月小売売上高
15日 ユーロ圏11月貿易収支
   米1月NY連銀製造業景気指数、米12月生産者物価指数
   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
16日 日本11月機械受注高
   豪12月雇用統計
   独12月消費者物価指数
   ユーロ圏12月消費者物価指数
   米12月消費者物価指数
   米新規失業保険申請件数
   米11月対米証券投資
   米1月フィラデルフィア連銀景況指数
17日 英12月小売売上高指数
   米12月住宅着工件数・建設許可件数
   米12月鉱工業生産・設備稼働率
   米1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値



2014年1月14日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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