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外為マーケットコラム

調整局面入り、ユーロ・円サイドからの材料中心の取引か


 1月13日の週のドル・円相場は押し目を形成した後、反発したが決め手を欠き、1ドル=104円台前半で取引を終えた。13日は、10日に発表された昨年12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比7万4,000人増にとどまり、事前予想の同19万7,000人増を大幅に下回ったことで米量的緩和縮小ペースが鈍化するのではとの思惑などから、1ドル=103円台後半まで軟化した流れを引き継ぎ、1ドル=102.82円まで円高・ドル安が進んだ。14日に発表された昨年12月の米小売売上高が総合は前月比+0.2%、自動車除くは前月比+0.7%となり、それぞれ事前予想を上回り、好調な消費が裏付けられた。それを受け、量的緩和縮小ペースの鈍化観測が後退し、ドル高となり、16日の東京市場では104.92円まで上昇した。しかし105円の節目が抵抗線になり、104円台前半で取引を終えた。

 今週は20日の米国がキング牧師の記念日で祝日となる。28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、引き続き、米量的緩和の縮小ペースが材料視されそうだが、今週は重要な米経済指標の発表がなく、ユーロ、円サイドからの材料にした売買か。日銀が21〜22日に金融政策決定会合を行うが、現状の金融緩和政策を維持すると見方が支配的だ。黒田日銀総裁が景気に対し、強気の発言をすれば、海外投資家が円を買い戻す動きが強まる可能性がある。

 予想レンジは1ドル=102.50〜105.00円。

  【米ベージュブックで米景気見通しの明るさが報告】
 ドル・円は年初2日に1ドル=105.44円まで上昇したが、高値修正安局面となり、チャートは三角もちあいを形成しつつある。週足は3週間ぶりに陽線引けとなったが、週明け20日の東京時間の午前中に1ドル=103円台後半に軟化し、売り圧力が根強い。25日移動平均線が通る1ドル=104.40円水準を下回って推移しており、再度105円を試す前の調整局面となっている。

 米労働省発表の12月の雇用統計が事前予想を裏切る弱気の数字となり、ドル売りが進んだが、まだ経済指標は景気回復を示す数字が多い。15日に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では大半の地区で景気はまずまずのペースで拡大し、大半の地区で景気見通しは明るい、9連銀地区が小売り消費の増加、全地区が製造業の活動が拡大していると報告された。

【ユーロ・ドルは軟調、独GDP弱気見通しで】
 ユーロ・ドルは軟調に推移。14日に1ユーロ=1.3700ドルまで上昇し、今月2日以来の高値をつけたが、15日に独連邦統計局が昨年10−12月期・国内総生産(GDP)を0.25%成長と昨年7−9月期の0.3%成長を下回ったとの見通しを示したことなどからユーロ売りが進み、1ユーロ=1.3579ドルまで急落となった。17日にはチャート上での戻りの重さやドイツの景気回復の鈍化見通しなどが引き続き嫌気されるなか、欧米当局の金融政策の方向性の相違などもあり、一時、昨年11月26日以来の安値となる1.3517ドルへと下押されるなど軟調に推移した。独コメルツ銀行はこの日、欧州中央銀行(ECB)の予想とは異なり、ユーロ圏のインフレ率が今後数カ月低下し続けるとし、3月にも政策金利が0.1%に引き下げられ、預金金利はマイナスになるとの見方を示したことが売り材料となった。20日のアジア時間も続落しており、20日の東京時間の午前10時現在、1ユーロ=1.3500ドルの節目を意識する展開。

 21日にZEWから1月の独景況感指数、23日にはMARKITから1月のユーロ圏の製造業購買担当者景況指数(PMI)速報の発表がある。これらの欧州経済統計の数字が弱気になれば、さらにユーロ売りが加速か。

【大口投機家の円の売り越しは3週連続で減少】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が17日に発表した今月14日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は1月7日現在の12万8,868枚から11万8,066枚まで減少した。昨年12月24日の14万3,822枚の売り越しをピークに3週連続で減少している。年明け後は利益確保の円の買い戻しを継続した。取組高は7日現在、23万0,156枚から16日現在、21万6,499枚に減少しており、新規で売りを仕掛ける動きも増えていない商状だ。

 シカゴ・ユーロ市場ではユーロの買い越しが昨年12月24日現在、3万2,172枚まで増加したが、年明けから買い玉が減少、売り玉が増加し、14日現在、買い越し幅9,246枚まで減少している。今後、投機家のユーロ売り、ドル買い傾向が強まるかが注目される。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

20日 日本11月鉱工業生産指数
   独12月生産者物価指数
   独12月生産者物価指数
21日 独1月ZEW景況感指数
22日 豪第4四半期消費者物価指数
   日銀金融政策決定会合(21〜22日)・金融政策発表
   日本11月景気動向指数
   英12月雇用統計
   英金融政策委員会(MPC)議事録
   カナダ銀行(BOC)政策金利
23日 中国HSBC製造業購買担当景気指数
   ユーロ圏11月経常収支
   米新規失業保険申請件数
   米11月住宅価格指数
   米12月中古住宅販売件数
   米12月景気先行指数



2014年1月20日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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