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外為マーケットコラム

調整色強まる、中国・新興国経済不安でリスク回避の動き


 1月20日の週のドル・円相場は1ドル=103円台後半から104円台後半の狭いレンジでもみあった後、23日にHSBCが発表した1月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が好況と不況の50を割り込み、中国景気に対しての不安が強まったこと、アルゼンチン・ペソの暴落、弱気の米経済統計が発表され、一時102.94円まで下落し、今月13日の安値102.82円に接近した。24日は中国景気の先行き不透明感に加え、アルゼンチン、タイ、トルコなど新興国の経済の不安からリスク回避の動きが強まり、101.97円まで下落し、102.28円で引けた。週明けのアジア時間の朝方に101.70円台に下落しており、なお先安観が強い。週足は長めの陰線引け、25日移動平均線が通る104.30円から約2円以上、下値のレート位置で推移しており、調整色が濃い相場となっている。

 円絡みの材料では21、22日に日銀金融政策決定会合の開催が挙げられる。金融緩和政策の現状維持となり、22日の東京時間に104円水準から104.50円台上昇する場面もあったが、ほぼ織り込み済みで105円台に乗せる勢いはなかった。今週は28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。29日にFOMC終了後に声明を発表する予定であるが、1月も100億ドルの縮小を決定するとの見方が多い。その思惑からドルが買い戻される可能性はあるが、調整色が強まっているため、5日間移動平均線が通る103.30円水準が抵抗線か。支持線は昨年12月6日につけた安値101.60円。27日のアジア時間の早朝に101.71円まで軟化し、ほぼ顔合わせしている。101.60円割れとなると、101円を目指す下げとなる可能性がある。

 予想レンジはFOMCがあることや、変動率(ボラティリティ)が高まっていることもあり、1ドル=101.00〜104.00円と広めに設定したい。

  【ドル・円は目先の戻りは修正高にとどまる展開か】
 ドル・円は1ドル=103円台後半から104円台後半の狭いレンジでもみあってFOMCを迎えるかと思われたが、23日に下放れた。支持線となっていた13日の安値102.82円を割り込むと、一気に下げが加速し、下降トレンドに基調が転換した。予想以上にドル安、円高が進んだ印象があるが、23、24日に2日続けて長大陰線を引いているので目先の戻りは自律修正高にとどまろう。

 1月第4週に発表された米経済指標は弱気の数字が多かった。昨年12月の米中古住宅販売件数が前月比+1.0%の487万件にとどまり、大方の事前予想の493万件を下回った。同月の米景気先行指数が前月比+0.1%も事前予想の同+0.2%を下回り、リスク回避の動きが強まり、ドル安、株安となった。

 ニューヨークダウは今年に入り軟調に推移。24日に300ドルを超える下げとなり、昨年12月18日以来の安値となる15,879.11ドルまで下落し、調整局面入りした。ただ23日に発表された週間米週間新規失業保険申請件数は32万6,000件あり、事前予想の33万件を下回り、まだ景気回復を示す指標はある。今週は28日の昨年12月の耐久財受注高の発表を皮切りに30日に昨年の第4四半期の米国内総生産(GDP)速報値など米経済指標の発表が相次ぐ。FOMCの開催もあり、値動きが荒くなる可能性がある。

【ユーロ・ドルは上昇、弱気の米経済統計の発表から】
 ユーロ・ドルは、欧州経済統計も決め手を欠き、1ユーロ=1.35ドル台を横ばいで推移したが、23日に弱気の米経済統計の発表を受け、1.3698ドルまで急反発した。24日には14日の高値1.3700ドルを上抜き、1.3739ドルまで続伸し、今月2日以来の高値をつけた。14日間の相対力指数(RSI)は55台まで上昇、また25日移動平均線が通る1.3650ドルを上抜き、強気に転換を示唆した。23日に発表された1月のユーロ圏総合景気指数速報値は53.2に上昇し、事前予想の52.5を上回った。しかし24日に国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が欧州にデフレのリスクがあると認識、欧州経済の成長ペースは世界の他の地域よりも鈍く、世界の不均衡が拡大していると発言するなど、ユーロ経済の回復度は鈍い。ユーロの近隣国であるトルコの通貨リラが対ユーロ、対ドルとも過去最安値を更新し、新興国通貨安の影響を受けた。

【大口投機家の円の売り越し継続も買い戻し続けば、1ドル=101円前後まで円高も】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に発表した今月21日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は1月14日現在の11万8,066枚から11万4,961枚まで減少した。ただし23日から円高・ドル安となり、まとまった円の買い戻しがあったとみられる。まだ大幅な売り越しには違いないが、円の買い戻しに主導され、1ドル=101円前後まで円高・ドル安が進む可能性があることは否定できず。

 シカゴ・ユーロ市場ではユーロの買い越しが昨年12月24日現在、3万2,172枚まで増加したのをピークに減少傾向となり、21日現在、3,772枚の売り越しに転じた。23日からユーロ・ドルが急反発し、再度買い越しに転じた可能性があるが、米FOMC後にユーロ売りが仕掛けられるか、リスク回避の動きで買い戻されるかが注目される。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

27日 日銀金融政策決定会合議事要旨(12月19〜20日分)
    独1月ifo景況感指数
    米12月新築住宅販売件数
28日 米12月耐久財受注
    米11月S&P/ケースシラー住宅価格指数
    米1月消費者信頼感指数
29日 豪12月ウェストパック先行指数
    米連邦公開市場委員会(FOMC、28〜29日)・金融政策発表
30日 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
    中国HSBC製造業購買担当景気指数
    スイス1月KOF先行指数
    独1月雇用統計
    独1月消費者物価指数
    米第4四半期国内総生産(GDP)速報値、米第4四半期個人消費速報値
    米新規失業保険申請件数
31日 日本12月勤労者世帯家計調査、日本12月雇用統計
    日本12月有効求人倍率、日本12月消費者物価指数
    日本12月鉱工業生産指数
    ユーロ圏12月雇用統計、ユーロ圏1月消費者物価指数速報値
    米12月個人所得・個人支出
    米1月シカゴ購買部協会景気指数
    米1月ミシガン大学消費者信頼感指数
1日  中国製造業購買担当景気指数



2014年1月27日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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