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外為マーケットコラム

新興国通貨安で円は安全通貨との再評価で買い戻される


 1月最終週のドル・円相場は軟調に推移した。1ドル=101円台後半で下げ渋ったが、月足が4カ月ぶりに陰線引けとなり、ドル安・円高局面が今後1〜2カ月続く可能性を示すチャートとなった。1月28、29日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小の継続が決定となり、債券購入額は月額750億ドルから650億ドルに減額されることになった。100億ドルの量的緩和の縮小継続は予想されていたが、円の買い戻しに加え、安全な通貨としての側面が再評価され、ドル安・円高となった。新興国通貨の下落で新興国経済に対する不安からリスク回避の動きは継続され、ニューヨークダウは不安定な値動きとなった。

 今週は5日の1月のADP雇用統計の発表を皮切りに米労働市場に関する米経済雇用の発表が続く。7日に米労働省から発表される雇用統計の数字に対する反応が注目される。ドル・円はチャートからは1月27日の安値101.71円が支持線。支持線割れとなると、101円前後までドル安・円高が進行する可能性がある。一目均衡表の雲に入っており、一目均衡表の雲をどちらかの方向に抜けるかが注目される。  予想レンジは=100.50〜103円台後半とする。

【米経済好調も新興国不安でドル売り】
 ドル・円は先月23日に25日移動平均線を割り込む下げとなったのをきっかけに軟調な展開となっている。先月30日に発表された昨年第4四半期・米国内総生産(GDP)速報値は前期比+3.2%となった。大方の事前予想通りだったが、米経済成長は拡大しているとの見方が多く、ニューヨークダウ、ドルとも上昇した。31日は1月のシカゴ購買部協会景気指数が59.6と予想(59.0)を上回るなど、米経済指標は米経済の好調を示す数字だったが、中国経済の減速や、各中銀の通貨安防衛の効果が限定的なことなどから新興国経済への懸念は強く、リスク回避の動きに押されることとなった。世界的な株安や米長期金利低下も圧迫要因となるなか、新興市場不安が深刻化すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)の債券購入額の減額ペースに影響が出てくるのではとの思惑からドル売り、株安となった。1日に中国物流購買連合会が発表した1月の同国の製造業購買担当者景況指数(PMI)は、50.5となった。事前予想通りながら昨年12月の51.0から低下した。中国製造業PMIの低下は今週の新興国通貨売りにつながる可能性がある。  

 ニューヨークダウは今年に入り軟調に推移。先月24日に300ドルを超える下げとなったのをきっかけに、押し目形成から弱気相場に転換し、31日には昨年11月8日以来の安値となる1万5,617ドルまで下落した。25日移動平均線が通る1万6,286ドルから約4%乖離して31日の取引を終えた。5%近くまでの乖離となると、売り過剰感が強まり、自律修正高の可能性はある。7日に1月の雇用統計の発表を控え、戻りは限定的か。

【ユーロ・ドルは軟調、米国・ユーロの金融政策の相違でユーロ安・ドル高】
 ユーロ・ドルは、軟調。先月24日に1ユーロ=1.3739ドルまで上昇し、1月2日以来の高値をつけた。しかし27日から下落基調に転換し、30日には1.3541ドルまで急落。31日は依然として欧米当局の金融政策の方向性の相違や米経済成長拡大などが嫌気された。1月のユーロ圏消費者物価指数が前年同月比0.7%上昇と予想(0.9%上昇)を下回ったことを受け、インフレ低下が警戒されるとともに、今月6日の欧州中央銀行(ECB)理事会での政策金利の引き下げ観測が浮上したことで1.3477ドルまで下落し、昨年11月22日以来の安値に沈んだ。スペインに景気回復に兆しが見られるが、金融引き締めに転換した米国と低金利政策を継続のユーロの金融政策の相違は明らかであり、ユーロ安、ドル高が進みやすい。   

【1ドル=101.70円割れなら大口投機家が円をさらに買い戻す】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が先月31日に発表した28日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は1月21日現在の11万4,961枚から8万6,192枚まで急減した。29日以降も買い戻しが先行しているとみられ、売り越しは7万枚台に減少か。101.70円を割り込むとさらに円が買い戻され、101円前後まで円高・ドル安が進む可能性がある。  シカゴ・ユーロ市場では先月21日現在、3,772枚の売り越しに転じた。28日には1万4,347枚買い越しに再転換したが、30、31日のユーロ安、ドル高でほぼ均衡か、やや売り越しになっているとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

3日  米1月ISM製造業景況指数
4日  豪第4四半期住宅価格指数
    オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    ユーロ圏12月生産者物価指数
    米12月製造業受注指数
5日  NZ第4四半期雇用統計
    ユーロ圏12月小売売上高指数
    米1月ADP雇用統計
    米1月ISM非製造業景況指数
6日  豪12月貿易収支、豪12月小売売上高
    独12月製造業受注指数
    英中銀(BOE)政策金利
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    ドラギECB総裁記者会見
    米新規失業保険申請件数
    米12月貿易収支
    カナダ1月Ivey購買部協会指数
7日  豪中銀四半期金融政策報告
    日本12月景気動向指数
    独12月貿易収支、独12月経常収支
    英12月貿易収支、英12月鉱工業生産指数、英12月製造業生産指数
    独12月鉱工業生産指数
    カナダ1月雇用統計
    米1月雇用統計



2014年2月3日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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