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外為マーケットコラム

米雇用統計発表後の株高からドルしっかりで週足は3週間ぶりの陽線引け


 2月第1週のドル・円相場は前半、軟調に推移したものの、下値は堅く週後半に切り返し、1ドル=102円台前半で取引を終え、週足は3週間ぶりに陽線引けとなった。3日から5日にかけて1ドル=100.70円台を3日連続で試したが、底堅い展開となった。1月の米雇用統計がADP雇用統計、労働省発表の雇用統計とも事前予想ほど強くなく、米量的緩和縮小ペースが鈍化するとの見方で株高となり、ドル・円も堅調な値動きとなった。

 1月の米新車販売が鈍化し、米労働市場が予想したほど拡大しなかった背景には米東海岸、中西部中心に寒波となったことが挙げられる。新車販売と労働市場の伸び悩みは、一時的な現象との見方があるが、103円台に戻す勢いはなかった。週明け10日の午前のアジア市場で1ドル=102.50円台に続伸しており、103円を目指す可能性はある。今週は13日に1月の米小売売上高、14日に同月の鉱工業生産高、設備稼働率の発表があり、市場の反応を見極めたい。

 予想レンジは=101.00〜103円台後半とする。

【NYダウ一段高なら1ドル=103.30円台】
 1日に中国物流購買連合会から発表された1月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)は昨年12月の51.0から低下し、50.5となった。3日の外為市場では中国PMIの低下に加え、同月のトルコの消費者物価指数が昨年10月以来の大幅な伸びとなり、インフレリスクの高まりが嫌気され、通貨リラが一時、対ドルで1月24日以来の水準に大幅に下落したことでリスク回避の動きが強まった。1月の米ISM製造業景況指数は51.3と事前予想の56.0を大幅に下回り、昨年5月以来の水準に落ち込んだことが追い討ちをかけ、100.70円台を試した。  

 5日は1月の米ADP民間雇用者数が17万5,000人増と事前予想(18万5,000人増)を下回ったことからドル売りとなり、再度100.70円台を試した。しかし100円台後半での取引は長く続かず、101円台半ばに反発した。

 6日は米週間新規失業保険申請件数が33万1,000件と事前予想(33万5,000件)を下回り、3週間ぶりに減少したことに支援され、102円台前半に続伸した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の記者会見後にドルが売られたことに圧迫されたが、102円台で引けた。

 7日は1月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比11万3,000人増にとどまり、事前予想の18万人増を大幅に下回ったことで発表直後に101.39円まで急落した。しかし失業率が6.6%に低下し、2008年10月以来の低水準となったことでドルの買い意欲は強く、あっさりと102円台前半に切り返した。

 再度1ドル=101円を割り込むような売り圧力はなく、下値は堅いとみるが、一目均衡表雲の上限水準の104円台前半を目指すには、今週はファンダメンタルズからも決め手を欠いている。ニューヨークダウがV字形の急回復となったがさらに反発力を増せば、ドル買いにつながり、25日移動平均線が通る103.20円水準を試す可能性はあるとみる。

【ユーロ・ドルは堅調、ECB総裁の記者会見から反発】
 ユーロ・ドルは、堅調。3日に1ユーロ=1.3475ドルまで下落し、昨年11月22日以来の安値をつけたが、6日に急反発し、7日には1月30日以来の高値となる1ユーロ=1.3643ドルまで急反発した。6日の反発の背景は欧州中央銀行(ECB)の理事会で政策金利が据え置かれたため、朝方に1ユーロ=1.3483ドルへ軟化した。しかし、ドラギECB総裁が記者会見で「必要ならば断固として行動する」との発言が繰り返されるも、追加緩和措置への言及がなかったことから、利下げ観測の後退ととられユーロが買い戻されることとなった。

 5日に発表された昨年12月のユーロ圏小売売上高指数は前月比1.6%低下となり、事前予想の0.7%低下より弱い数字となった。また6日に発表された昨年12月の独製造業受注は前月0.5%低下、事前予想は0.2%上昇でユーロ圏の経済指標は弱気の数字が目立った。1月24日の高値1ユーロ=1.3739ドルを上抜き、年初来高値を更新するには材料不足か。

【1ドル=100.70円割れなら大口投機家が円の買い戻し進む可能性あり】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が7日に発表した4日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は1月28日現在の8万6,192枚から7万6,829枚まで減少した。1月7日の12万8,868枚から5万枚以上減少した。1ドル=100.70円割れとなると、円の買い戻しが進む可能性はある。

 シカゴ・ユーロ市場では先月28日現在、1万4,347枚買い越しとなっていたが、4日現在、13,160枚売り越しに転換したが、6、7日の急反発でユーロの買い戻しが進んだとみられ、投資家の間で気迷いムードだ。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

11日 <建国記念日>
    豪12月住宅ローン許可件数
    豪第4四半期住宅価格指数
12日 日本12月機械受注高
    中国1月貿易収支
    ユーロ圏12月鉱工業生産指数
    英中銀四半期インフレ報告
    米1月財政収支
13日 豪1月雇用統計
    独1月消費者物価指数改定値
    米1月小売売上高
    米新規失業保険申請件数
14日 中国1月生産者物価指数、中国1月消費者物価指数
    独第4四半期国内総生産(GDP)速報値
    ユーロ圏12月貿易収支

    ユーロ圏第4四半期域内総生産(GDP)速報値
    米1月鉱工業生産・設備稼働率
    米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値



2014年2月10日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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