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外為マーケットコラム

1ドル=102円台後半で戻り売りが強まるチャート


 2月第2週のドル・円相場は1ドル=101.50円台から102.70円でのレンジでの取引となり、方向性を欠いた。11日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の下院金融サービス委員会での証言で、量的緩和縮小継続が支持されたことや米景気の先行きに強気な姿勢を示したことなどがドルの支援材料となった。しかし1ドル=103円台に買い進まれる勢いはなく、13、14日は米景気の先行き不透明感から軟調に推移し、1ドル=101円台を試した。

 2月第3週は、17日に日本の昨年第4四半期の国内総生産(GDP)速報の発表があり、前期比+0.3%、前期比年率+1.0%となり、それぞれ大方の事前予想の前期比+0.7%、前期比年率+2.8%を下回った。19日に先月28−29日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開、さらに20日にはHSBCから2月の中国の製造業購買担当者景況指数(PMI)速報の発表があり、材料が豊富だ。先月23日に長大陰線を引く下げとなった日に25日移動平均線を割り込んだ。その後、3週間以上、25日線移動平均線を下回って推移している。17日の日本時間の午前10時現在、25日移動平均線は1ドル=102.80円水準に通っているが、この水準を上抜く材料があると流れが変わる可能性があるが、現時点では1ドル=102円台半ばから後半では戻り売りが強まるチャートである。

 予想レンジは=100.50〜102円台後半とする。

【NYダウの出直りもユーロ・ドルの上昇でドル・円上昇に至らず】
 前週の本欄でニューヨークダウが一段高となれば、ドル・円は1ドル=103.30円台に向けて上昇するとの見方を示した。11日にイエレンFRB議長が下院金融サービス委員会で証言し、「慎重に緩和縮小を継続する可能性が高い」と述べた。失業率が金融政策変更の目安となる6.5%を大きく下回っても、しばらくは低金利を維持する公算が大きい」との見方を示したことから株高につながり、ニューヨークダウは1万6,000ドル台を回復した。25日移動平均線が1万6,000ドル水準に通っているが、14日に一段高となり、25日移動平均線から上放れた。週足は2週連続で陽線引け。今月上旬に200日移動平均線を割り込んだが、200日移動平均線割れが長く続かず、1万5,000ドルに向けての下げは回避された。  

 米商品先物取引委員会(CFTC)が7日に発表した4日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のニューヨークダウ先物ミニ市場での大口投機家は4日現在の8,976枚買い越しから11日現在、9,921枚の売り越しとなった。13、14日の上昇で買い戻しを余技なくされたとみられ、投機家のポジションはほぼ均衡状態になったとみられる。

 当面は1万6,000ドルを支持線に値固めした後、1万6,500ドルを目指す展開か。ニューヨークダウは出直ったが、ユーロ・ドルが堅調に推移していることが圧迫要因になり、ドル・円が上昇するには至っていない。

【1月の米小売売上高は2カ月連続で前月比マイナス】
 13日に発表された1月の米小売売上高は前月比0.4%減少と事前予想(横ばい)を下回り、2カ月連続してマイナスとなった。しかし記録的な厳しい寒波や大雪の影響と受け止められ、米景気の先行きに対する楽観ムードが大きく後退するまでには至らなかった。しかし14日に発表された1月の米鉱工業生産指数が前月比0.3%低下と事前予想の0.2%増を下回り、2009年5月以来の大幅なマイナスとなり、米景気の悪化に対する警戒感は強い。

【ユーロ・ドルは堅調、ユーロ経済に楽観ムードで】
 ユーロ・ドルは、堅調。6日に大幅高となって以来、堅調な値動きとなり、14日には1月24日以来の高値となる1ユーロ=1.3715ドルまで上昇した。14日にはユーロ圏の昨年第4四半期の域内総生産(GDP)速報値が発表され、前期比0.3%増となり、事前予想の0.2%増を上回った。またドイツの同期のGDP速報値も前期比0.4%増、事前予想の0.3%増を上回った。フランスが同0.3%増、イタリアが同0.1%増とそれぞれのプラス成長を示し、ユーロ経済に楽観ムードが強まり、ユーロが買われることとなった。

 今週は18日にZEWから2月のドイツ景況感指数、20日にMARKITから同月のユーロ圏の製造業購買担当者景況指数(PMI)速報の発表がある。ユーロの景気回復を示す数字が出れば、1月2日の高値1ユーロ=1.3775ドルに向け上昇する可能性があろう。

【1ドル=101円台試し、大口投機家は円の買い戻しを先行か】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が14日に発表した11日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は2月4日現在の7万6,829枚から7万8,786枚まで増加した。13、14日は1ドル=101円台を試す上昇となったことで買い戻しが先行したとみられる。1ドル=101台前半に軟化すると、円の買い戻しがさらに進む可能性はある。

 シカゴ・ユーロ市場では4日現在、1万3,160枚売り越しに転換したが、11日現在、売り越し幅は6,929枚に縮小した。13、14日に連日、直日の高値更新となり、売り越し幅はさらに縮小しているとみられる。買いに転じる投資家も多かったともようだ。1月2日の高値1ユーロ=1.3775ドルを目指す展開となれば、買い越しに転じるとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

17日 日本12月鉱工業生産指数
18日 日銀金融政策決定会合(17〜18日)・金融政策発表
    黒田日銀総裁記者会見
    ユーロ圏12月経常収支
    英1月消費者物価指数、英1月生産者物価指数、英1月小売物価指数
    独2月ZEW景況感指数
    米2月NY連銀製造業景気指数
    米12月対米証券投資
19日 日本12月景気動向指数
    英金融政策委員会(MPC)議事録、英1月雇用統計
    米1月生産者物価指数
    米1月住宅着工件数・建設許可件数
    米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
20日 日本1月貿易収支
    中国HSBC製造業購買担当景気指数
    独1月生産者物価指数
    米1月消費者物価指数
    米新規失業保険申請件数
    米2月フィラデルフィア連銀景況指数
    米1月景気先行指数
21日 日銀金融政策決定会合議事要旨(1月21〜22日分)
    英1月小売売上高指数
    米1月中古住宅販売件数



2014年2月17日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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