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外為マーケットコラム

1ドル=100.73円割れなら200日移動平均線まで下落の可能性あり


 3月第2週のドル・円相場は10,11日に1ドル=103.40円台を試したが、1ドル=103円台前半ではドル売り圧力が強く、1ドル=103円台での取引は短命に終わった。12日から中国経済への懸念やウクライナ情勢の緊張の高まりを背景にリスク回避の動きが強まり、株安、ドル安が進行し、1ドル=101.18円まで下落し、今月3日の安値1ドル=101.16円にほぼ顔合わせした。今月6日に上放れたが、新興国経済、政情不安がリスク回避を招き、4日から7日にかけての上げ幅をほぼ削り、週足は2週間ぶりの陰線引けとなった。

 ドル・円は昨年の11月8日以降、200日移動平均線を一度も下回っていないが、2月4日の安値1ドル=100.73円割れとなれば200日移動平均線が通る1ドル=100.30円近くまで下落の可能性はあろう。16日に行われたクリミヤのロシアへの編入の住民投票は賛成が95%となった。欧米はロシアに対する制裁を発動する見通しである。欧州連合(EU)は17日の外相理事会で、ロシアに対して、渡航禁止や資産凍結などの第2段階の制裁の発動を決定するとみられている。また米国はクリミヤのロシア編入の住民投票を認めず、米国がロシアに対し制裁を発動するとの報道があり、ウクライナ情勢は一段の緊張が予想され、リスク回避の動きが強まれば1ドル=100円の節目を意識する展開になろう。

 3月第3週は17日の2月の鉱工業生産、設備稼働率を皮切りに米経済統計の発表が多い。また18、19日の2日間、米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催があり、量的緩和縮小の額に関しての思惑が強まりそうだ。

 ドル・円の予想レンジは1ドル=100円台前半〜103円とする。

【中国の経済の先行き不透明感がリスク回避けの口実に】
 中国の経済指標が弱気の数字となり、同国の景気に対し不安が強まった。8日に発表された2月の貿易統計は事前予想の145億米ドルの黒字に反して229億8,000万米ドルの赤字となった。輸出が前年同月比18.1%減となり、5カ月ぶりに減少したことが赤字につながった。

 13日に発表された1−2月の中国の小売売上高は前年同期比11.8%増となり、大方の事前予想である前年同期比13.5%増を下回った。また同月の1−2月の鉱工業生産は、前年同期比8.6%増となり、大方の事前予想の前年同期比9.5%増を下回った。

 10日に中国自動車工業協会が発表した2月の中国新車販売台数は前年同月比17.8%増の159万6,400台と好調を維持している。1-2月の累計も前年同期比10.7%増と2ケタ増だが、最近の株安から鈍化が警戒される。

 中国株の代表的指数である上海総合指数は12日に1,974まで下落し、昨年8月以来の安値をつけた。13日以降、反発基調となり、2,000の大台を回復しているが、中国経済の先行き不透明感は強く、為替市場でも折に触れ、リスク回避の口実となりそうだ。

【ユーロ・ドルは続伸、ECBの早期利下げ観測後退で】
 ユーロ・ドルは続伸。7日に1ユーロ=1.3915ドルまで上昇した後、上げ一服となったが、13日に欧州中央銀行(ECB)による早期の追加利下げ観測が後退したことやチャート面の強気観などが背景となるなか、ECB当局者による景気回復に対する前向きな見方に反応し、一時、2011年10月31日以来となる1ユーロ=1.3967ドルへ上昇した。1ユーロ=1.400ドルの節目が抵抗線だが週足は6週連続の陽線引けとなった。ウクライナ情勢の一段の緊張から利食い売りで修正安の可能性はあるが、11日の安値1ユーロ=1.3831ドルが支持線になるとみる。18日に発表される1月のユーロ圏の貿易統計(EUROSTAT)、3月のドイツの景況感指数(ZEW)が注目される。

【大口投機家はユーロ買い姿勢を継続】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が3月14日に発表した11日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は3月4日現在の7万9,709枚から9万9,356枚まで増加した。しかし12日以降はドル安・円高を受け、円の買い戻しの動きが強まり、売り越し幅は9万枚前後まで縮小しているとみる。1ドル=100.70円割れとなると、円の買い戻しが加速しそうだ。

 シカゴ・ユーロ市場では大口投機家の買い越し幅は3月4日現在の2万3,452枚から3万6,385枚まで拡大した。12日以降も買い越し姿勢がさらに強まり、4万枚台まで拡大か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

17日  ユーロ圏2月消費者物価指数
    米3月NY連銀製造業景気指数
    米1月対米証券投資
    米2月鉱工業生産・設備稼働率
18日 独3月ZEW景況感指数
    ユーロ圏1月貿易収支
    米2月消費者物価指数
    米2月住宅着工・建設許可件数
19日 豪2月ウェストパック先行指数
    日本2月貿易収支
    日本1月景気動向指数
    英金融政策委員会(MPC)議事録
    英2月雇用統計
    米第4四半期経常収支
    米連邦公開市場委員会(FOMC)
20日 NZ第4四半期国内総生産(GDP)
    独2月生産者物価指数
    スイス国立銀行(SNB)政策金利
    米新規失業保険申請件数
    米3月フィラデルフィア連銀景況指数
    米2月中古住宅販売件数
    米2月景気先行指数
21日 <春分の日>
    ユーロ圏1月経常収支
    カナダ1月小売売上高
    カナダ2月消費者物価指数



2014年3月17日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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