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外為マーケットコラム

米労働市場に絡む経済統計など材料豊富で方向性示す可能性あり


 3月第4週のドル・円相場は1ドル=101円台後半から102円台後半の狭いレンジでの取引なった。期末で動きにくく、方向性を示すには至らなかった。24日にオランダで開催された主要7カ国(G7)緊急首脳会議でウクライナ問題に絡み対ロ制裁が強化され、G8からロシアを除外し、6月にソチで開催されるG8会議に参加しないことで合意した。それを受け、リスク回避の動きが強まり、26、27日に1ドル=101円台後半に軟化したが、101円台後半での取引は長続きしなかった。28日は2月の米個人支出が過去3カ月で最大の伸びとなるなど米景気の先行き楽観ムードが広がり、1ドル=102.98円まで上昇した。1ドル=103円台を試すことはできなかったが、1ドル=102.81円で引け、週足は2週連続の陽線引けとなった。

 3月31日からの週は国内が消費税の引き上げ、4月1日に日銀短観(3月調査)、海外は31日にイエレンFRB議長の講演、4月1日に中国物流購買連合会から3月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報、2日には3月の米ADP雇用統計、3日に欧州中央銀行(ECB)の理事会開催、金融政策方針の発表、4日には同月の米労働省発表の雇用統計の発表があり、材料が豊富な週だ。第2四半期入りし、次の方向を示す可能性がある。

 ドル・円の予想レンジは1ドル=101円台後半〜104円前後とする。

【3月の米個人所得の伸びでドル買い】
 ドル・円はレンジ相場を継続したが、ニューヨークダウは堅調に推移し、26日に1万6466.04ドルまで上昇し、今月7日以来の高値を更新した。1万6,500ドルの節目が抵抗線だが、昨年12月31日につけた史上最高値1万6,588.25ドルの更新も可能な値位置だ。25日に発表された3月の米消費者信頼感指数は82.3と事前予想の78.5以上に上昇し、2008年1月以来の高水準となったが、2月の米新築住宅販売件数は44万件と事前予想の44万5,000件を下回り、5カ月ぶりの低水準となり、まちまち。26日発表の3月の米耐久財受注高が前月比+2.2%となり、事前予想の同+0.8%を上回った。27日に発表された米週間新規失業保険申請件数は31万1,000件にとどまり、事前予想の32万4,000件を大幅に下回った。28日に発表された2月の個人所得が前月比+0.3%となり、過去3カ月で最大の伸びを示した。大型消費財である住宅販売は低調だったが、失業保険の申請件数が予想より少なく、個人消費の好調を示し、米景気が順調に回復していることを示したことでドルは対円、対ユーロでも買われた。

 1、2月の米新車販売台数が寒波の影響で伸び悩んだが、4月1日に発表される3月の米新車販売台数がどの程度の伸びを示すかが注目される。事前予想では2月の119万3,872台から123万台に増加見通し。年率換算でも1,527万台から1,580万台に増加予想。住宅と並ぶ大型消費財である自動車の販売の好調さが示されば、月替わりともに1ドル=103円台に前半から半ばまで上昇する可能性はあるとみる。

【ユーロ・ドルは続落、投機家の手じまい売りで調整局面を継続】
 ユーロ・ドルは続落。今月13日に2011年10月31日以来となる1ユーロ=1.3967ドルへ上昇したが、19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に急落したのをきっかけに調整局面入りした。24日にいったん1ユーロ=1.3876ドルまで反発したが、反発局面は続かず、25日からユーロ安・ドル高となり、28日には2月28日以来の安値となる1ユーロ=1.3703ドルまで下落した。

 25日にドイツのifo経済研究所が発表した3月の独景況感指数は110.7(事前予想は110.9)となり、前月の111.3から低下した。26日に発表された同月の独Gfk消費者信頼感指数が8.5となり、2007年1月以来の高水準を維持するなどの強材料もあったが、ウクライナ情勢への警戒感が強く、リスク回避の動きからユーロの利食い売りの動きが継続した。

 今週は米労働市場に絡む米経済統計の発表が続き、米雇用情勢についてどう市場がどう判断するか、来月3日発表のECBが金融政策方針についての反応が注目される。

【投機家はいったん円を買い戻すも再度売り優勢に】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が3月28日に発表した25日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は3月18日現在の6万1,099枚から6万8,887枚に増加となった。26、27日に1ドル=101円後半への円高、ドル安となったことで買い戻しが進んだとみられるが、28日に再度、円売りが優勢となったもようだ。

 シカゴ・ユーロ市場では大口投機家の買い越し幅は3月18日現在の5万2,991枚から25日現在、3万9,634枚まで減少した。26日以降も手じまい売りが進んでいるとみられる。押し目底が確認できれば、投機家は再度買い姿勢を強めるとみられるが、1ユーロ=1.3700ドル割れなら、さらに手じまい売りが膨らむとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

31日  ユーロ圏3月消費者物価指数
    イエレンFRB議長 講演
    米3月シカゴ購買部協会景気指数
1日  豪3月AiG製造業指数
    日銀短観(3月調査)
    中国3月製造業購買担当景気指数
    中国3月HSBC製造業購買担当景気指数
    オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
    独3月雇用統計
    ユーロ圏2月雇用統計
    米3月ISM製造業景況指数
    米2月建設支出
2日  豪2月住宅建設許可件数
    ユーロ圏2月生産者物価指数
    米3月ADP雇用統計
    米2月製造業受注指数
3日  豪3月AiGサービス業指数
    豪2月小売売上高、豪2月貿易収支
    ユーロ圏2月小売売上高指数
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    ドラギECB総裁記者会見
    カナダ2月貿易収支
    米2月貿易収支
    米新規失業保険申請件数
    米3月ISM非製造業景況指数
4日  独2月製造業受注指数
    カナダ3月雇用統計
    米3月雇用統計
    カナダ3月Ivey購買部協会指数



2014年3月31日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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