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外為マーケットコラム

日米の景況感の違いでドルの押し目買い意欲強い


 3月31日から4月第1週のドル・円相場は日米の景況感の違いからドル高・円安となり、1月23日以来の高値となる1ドル=104.12円まで上昇した。ニューヨークダウが史上最高値を約3カ月ぶりに更新し、ドル資産に対する買い意欲が強まった。しかし4日に発表された3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比19万2,000人増と事前予想(20万人増)を下回ったことで米雇用拡大ペースが鈍化しているとの見方からドル安・円高となり、1ドル=103.17円まで下落した。7営業日ぶりに陰線引けとなったが、週足は3週連続の陽線引けで中期的なドル高・円安基調を維持している25日移動平均先が1ドル=102.60円台に通っており、その水準を割り込むと1ドル=102円台前半までドル安・円高の可能性はあるが、下値は堅いとみる。4日の米雇用統計の発表後にレンジ相場へ戻ったが、今後も日米の景況感の違いからドルの押し目を形成局面でのドル買い意欲は強いとみる。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=102円台前半〜104円半ばとする。 

【FOMCの議事録公開後にドル買いかに注目】
 ドル・円は3月7日の高値1ドル=103.76ドルを上抜き、1月23日以来の1ドル=104円台を試した。上放れのきっかけとなったのが日米景況感の違いである。ウクライナ情勢は3月31日にはウクライナ東部のロシア軍の一部撤退報道などから懸念が後退し、市場の関心は米景気に移り、米経済統計に注目が集まった。

 1日に発表された3月の米ISM製造業景況感指数が53.7と前月の53.2を上回り、米景気の先行き期待感が強まった。一方、日本の景況感は3月の日銀企業短期経済観測調査(短観)で3カ月先の見通しが昨年12月時から予想以上に悪化した。消費税率の引き上げによる景気への影響が懸念される日本との違いが鮮明となり、ドル買い・円売りの動きが強まった。2日に発表された3月の米ADP雇用統計はで就業者数は前月比19万1,000人増となり、大方の事前予想の19万5,000人増を下回った。しかしセントルイス連銀総裁が最初の利上げは来年第1四半期と予想し、金利の先高観が強まり、1ドル=103.80円台に上昇し、1ドル=104円台が視野に入った。3日のアジア時間から1ドル=104円台を試した。1ドル=104円台での取引は長く続かなかったが、基調としては1ドル=105円の節目、今年1月2日の高値1ドル=105.44円を目指す動きだ。

 今週は9日に3月18〜19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開がある。米労働市場の回復力の鈍化が裏付けられた後だが、FOMC議事録公開後に米量的緩和の縮小の継続が改めて認識され、ドル買いにつながるかが注目される。  円サイドからは7−8日に開催される日銀金融政策決定会合が注目される。追加金融緩和を期待する声もあるが、大方の事前予想は据え置きである。消費税引き上げの影響の判断はもう少し先となりそうだが、小売業などが落ち込みを示し、日経平均株価が14,500円に接近するような下げとなった場合、リスク回避の動きからドル安・円高が進む可能性はあるとみる。

【ユーロ・ドルはユーロ圏と米国の景況感の開きからユーロ売られやすい】
 ユーロ・ドルは軟調。4日に2月27日以来の安値となる1ユーロ=1.3670ドルまで下落し、3営業日連続で陰線引け。2日に欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)から発表された昨年10−12月期のユーロ域内総生産は前期比0.2%増と、3月に発表された0.3 %増から下方修正され、1日までの反発局面が一服した。3日に欧州中央銀行(ECB)は市場の予想通り過去最低水準の政策金利を据え置いたが、ドラギECB総裁が理事会後の記者会見で、量的緩和を協議したことを明らかにし、先行きの金融緩和の可能性に含みを持たせる発言をしたことから1ユーロ=1.3698ドルまで2月27日以来の安値に沈んだ。ユーロ圏の景気は緩やかに回復しているが、ユーロ圏と米国の景況感は日米以上に開きがあり、米景気に関心が移っている現状ではユーロは売られやすい。2月27日の安値1ユーロ=1.3640ドルが下値のメドだ。

【投機家の円売りは9万枚以上に増加か】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が4月4日に発表した4月1日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は3月25日現在の6万8,887枚から8万8,637枚に増加となった。2、3日は、さらに円売りが進んだとみられる。4日は買い戻しが先行したとみられるが、売り越しは9万枚以上になっているとみられる。

 シカゴ・ユーロ市場では大口投機家の買い越し幅は3月25日現在の3万9,634枚から1日現在、3万3,238枚まで減少した。2日以降、ユーロ安・ドル高を受け、手じまい売りが進んだとみられ、買い越し幅は3万枚以下まで減少か。1ユーロ=1.3640ドル割れなら、さらに手じまい売りが膨らむとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

7日  日本2月景気動向指数
    独2月鉱工業生産指数
8日  日本2月経常収支
    日銀金融政策決定会合・金融政策発表
    英2月鉱工業生産指数、英2月製造業生産指数
9日  豪2月住宅ローン許可件数
    独2月貿易収支、独2月経常収支
    英2月貿易収支
    米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(3月18〜19日開催分)
10日 日本2月機械受注高
    豪3月雇用統計
    中国3月貿易収支
    英中銀(BOE)政策金利
    米新規失業保険申請件数、米3月輸入価格指数
    米3月財政収支
11日 日銀金融政策決定会合議事要旨(3月10〜11日分)
    中国3月生産者物価指数、中国3月消費者物価指数
    独3月消費者物価指数
    米3月生産者物価指数
    米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値



2014年4月7日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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