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外為マーケットコラム

弱気の米経済指標の発表続けば1ドル=100円台後半までのドル安・円高か


 4月第2週のドル・円相場は軟調な展開となった。8日にウクライナ情勢をめぐる緊張再燃などを背景にしたリスク回避の動きが優勢となったのをきっかけに1ドル=101円台半ばまで急落した。その後も小幅ながら続落となり、10日に1ドル=101.30円まで続落となり、1ドル=101.52円で引けた。今月4日に史上最高値1万6,631.63ドルをつけたニューヨークダウが急落し、11日には1万6,026.75ドルまで急落となり、株安がリスク回避要因となり、ドル安・円高となった。

 14日からの週は14日に3月の米小売売上高、15日に4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、16日に3月の鉱工業生産、設備稼働率など、米経済指標の発表が続く。弱気の数字が続けば、株安が続き、リスク回避で1ドル=100円台後半まで円高・ドル安となるとみる。反発の場合、1ドル=102円の節目、25日移動平均線が通る1ドル=102.50ドルが戻りのメドとなるとみている。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=100.73円〜103円。

【リスク回避けの動き強まり、レンジの下限1ドル=101.18円に接近】
 9日(日本時間は10日の午前3時)に先月18、19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開された。数人の政策当局者が金利予測は利上げペースを過剰に示す恐れがあると指摘したことや、利上げ時期に言及されなかったことから、ニューヨークダウが大幅高となった。しかし10日には急反落となり、高値調整局面となった。為替市場はリスク回避の動きから10日に1ドル=101.30円までドル安・円高が進んだが、3月14日につけた1ドル=101.18円がドル・円の支持線になり、レンジ相場から抜け出してはいない。1ドル=101.18円割れとなった場合、次の安値のメドは2月4日の安値1ドル=100.73円まで下落のシナリオが描ける。

【日銀の金融緩和見送り後に株安で円買い思惑】
 7、8日に開催された日銀金融政策決定会合で市場の予想通り金融緩和が見送られた。日銀の黒田総裁は記者会見で「追加緩和については現時点では考えていない。色々な追加余地もあるし、方向調整の余地はある」と述べたが、市場は「日銀が新たな施策を何も打ってこなかった。現状、米国株が調整局面を迎えているうえ、日本株も元気がない。今回の日銀の決定で、株安から円買いの思惑が広がり、ドル・円は下値を試す」との見方が強まった。

 日経平均株価はニューヨークダウの急落、円高の進行を背景に前週は1,000円以上の急落となった。11日の終値は前週末比1,103.72円安の1万3,960.05円。1万4,000円割れで週末を迎えることになり、総弱気ムード。次の下値のメドは昨年10月8日の安値1万3,748.94円である。

【中国のGDP弱気ならリスク回避で株安・円高か】
 10日に発表された3月の中国の貿易統計で貿易収支は77億1,000万米ドルの黒字となり、大方の事前予想の18億米ドルの黒字を大幅に上回り、2月の229億9,000万米ドルの赤字から急回復した。しかし輸出が前年同月比6.6%減、輸入が同11.3%減となり、景気低迷による中国の貿易量の減少が裏付けられた。11日に発表された同月の消費者物価指数は前年同月比2.4%の上昇にとどまった。また生産者物価指数は同2.3%低下となり、下落幅は3カ月連続で拡大した。25カ月連続で前年水準を下回り、景気の足取りの鈍さを示した。今週は16日に第1四半期の中国国内総生産(GDP)の発表がある。大方の事前予想は前年同期比7.3%だ。中国政府が掲げる7.5%成長を下回っており、事前予想を下回るようならば、中国経済への不安からリスク回避の動きが強まり、株安、ドル安・円高の動きが強まるシナリオが描かれよう。

【ユーロ・ドルは急反発、ユーロ圏の金融緩和は当面なしか】
 ユーロ・ドルは急反発。7日に発表されたドイツの2月の鉱工業生産指数が前年同月比4.8%の伸びとなり、事前予想の4.7%の伸びを上回ったことをきっかけに反発に転じた。9日に抵抗線の1ユーロ=1.3820ドルを突破すると、V字形の急反発となり、11日には1ユーロ=1.3905ドルまで上げ、3月19日以来の高値をつけた。欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測はくすぶり続けているが、コンスタンシオ副総裁もECBが資産購入に動くとの見方は時期尚早と述べるなど、ユーロ圏での金融緩和は当面はないとの見方からしっかり。

 今週は14日に2月のユーロ圏の鉱工業生産指数の発表がある。ECB理事会は18日がグッドフライデー(聖金曜日)で祝日のため、従来の木曜開催から水曜(17日)開催となる。

【1ドル=101.30円割れなら投機家の円を買い戻し進む】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が4月11日に発表した4月8日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は今月1日現在の8万8,637枚から8万7,462枚まで減少した。9日以降、ドル・円は戻り鈍く、安もちあいで推移し、円の買い戻しは根強く、8万5,000枚以下まで減少しているとみられる。1ドル=101.30円、101円の節目を試すと買い戻しがさらに進みそうだ。

 シカゴ・ユーロ市場では大口投機家の買い越し幅は4月1日現在の3万3,238枚から8日現在、2万3,300枚まで減少した。9日以降、ユーロ高・ドル安を受け、新規買いの動きが増えたとみられ、買い越し幅は3万枚近くまで増加か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

14日 ユーロ圏2月鉱工業生産指数
    米3月小売売上高
15日 オーストラリア準備銀行(RBA)理事会議事録
    英3月消費者物価指数、英3月小売物価指数、英3月生産者物価指数
    独4月ZEW景況感指数
    ユーロ圏2月貿易収支
    カナダ2月製造業出荷
    米4月NY連銀製造業景気指数
    米3月消費者物価指数
    米2月対米証券投資
16日 NZ第1四半期消費者物価指数
    豪3月ウェストパック先行指数
    中国3月小売売上高、中国3月鉱工業生産指数
    中国第1四半期国内総生産(GDP)
    日本2月鉱工業生産指数
    英3月雇用統計
    ユーロ圏3月消費者物価指数改定値
    米3月住宅着工・許可件数
    米3月鉱工業生産・設備稼働率
    カナダ銀行(BOC)政策金利
    米地区連銀経済報告(ベージュブック)
17日 独3月生産者物価指数
    ユーロ圏2月経常収支
    カナダ3月消費者物価指数
    米新規失業保険申請件数
    米4月フィラデルフィア連銀景況指数



2014年4月14日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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