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外為マーケットコラム

米経済統計で景気回復示せば1ドル=103円台試す


 4月第3週のドル・円相場は1ドル=101.39〜102.57円の狭いレンジでのもみあいとなった。ウクライナ情勢は一段と緊迫化し、長期化の可能性があるが、ニューヨークダウが反発したことでリスク回避の動きは強まらず、ドルはしっかりと推移した。16日に発表された2014年第1四半期の中国国内総生産(GDP)は前年同期比+7.4%となった。13年第4四半期の同+7.7%から0.3ポイント低下となり、1年半ぶりの低い水準となり、中国経済の成長率の鈍化が示された。しかし大方の事前予想の同+7.3%を上回ったため、波乱要因にはならなかった。当面の不安材料が消化されたことで投資家心理は強気に傾き、株高となり、リスク回避の動きは強まらずドルはしっかり。

 21日からの週は23日に3月の米新築住宅販売件数、24日に同月の米耐久財受注高の発表がある。これらの米経済統計が米景気の順調な回復を示す数字となれば、ドル買い意欲が強まり、1ドル=103円台を試す可能性があろう。先週、1ドル=101円台半ばに下落した局面では国内輸入業者からのドル買いもあり、下値は堅かった。今週も1ドル=101円台ではドルを買い拾う動きはあるとみられる。16日に25日移動平均線が通る1ドル=102.34円を回復し、その後、じり高となり、18日まで6日営業日連続の陽線引けでチャートからも強気だ。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=101.40円〜103円台後半。

【テクニカル指標はドル高・円安基調に転換示唆】
 14日に米商務省から発表された3月の米小売売上高(総合)が前月比+1.1%となり、大方の事前予想の同+0.9%を上回り、2012年9月以来の伸び率を示したため、ドル高、ニューヨークダウの上昇につながり、ドル・円は1ドル=102円台を試した。終値で1ドル=101.84円だったが、ドル高・円安に向かう転換日となった。15日は上げ一服となったが、16日は中国の第1四半期経済成長が予想を上回ったことなどからリスクオン(選好)に向かう動きになった。続いて3月の米鉱工業生産が前月比0.7%増と予想(0.5%増)を上回り、2月の数字が同1.2%増と速報値(同0.6%増)から上方修正されたことが支援材料となり、1ドル=102.35円まで上昇した。

 17日は米週間新規失業保険申請件数が30万4,000件と事前予想の31万5,000件を下回ったことや、4月のフィラデルフィア地区連銀景況指数が16.6と予想10.0を上回り、昨年9月以来の高水準となったことが追い風となり、1ドル=102.46円まで上昇した。18日はアジア時間から1ドル=102.50円台に上昇した。25日移動平均線を18日の終値ベースで上抜いた。また14日間の相対力指数(RSI)は18日に弱気と強気の分岐点である50を回復し、強気基調に転換を示唆した。 

【ユーロ・ドルは安もちあい、独景況指数の低下から戻り鈍い】
 ユーロ・ドルは反落から安もちあい。7日から反発し、11日には3月19日以来の高値となる1ユーロ=1.3905ドルまで上昇したが、14日に4月の米小売売上高が強気の数字となったことからドル買い、ユーロ売りの動きとなり、1ユーロ=1.3833ドルまで下落した。この日、欧州連合(EU)統計局から2月のユーロ圏鉱工業生産指数が前月比0.2%上昇、前年比1.7%上昇と発表され、前年比が大方の事前予想である前年比1.5%上昇を上回ったが、ユーロ買いにつながらなかった。

15日はドイツの欧州経済研究センター(ZEW)発表の4月の景況感指数が43.2と4か月連続で低下し、事前予想の45も下回ったことに圧迫され続落となり、1ユーロ=1.3800ドル割れを試した。米国の経済指標が好調なのに対し、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測が根強いことで戻りは押さえられ、1ユーロ=1.3812ドルで終えた。今週は24日にドイツの4月のifo景況感指数の発表がある。

【1ドル=101円台のドル安・円高局面で円は買い戻される】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が4月18日に発表した4月15日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は今月8日現在の8万7,462枚から6万8,716枚まで急減した。10日から15日にかけて1ドル=101円台に下落した場面で買い戻しが進んだ。16日以降、ドル高・円安の流れになり、再度、円の売り越し幅が拡大した可能性がある。

 シカゴ・ユーロ市場では大口投機家の買い越し幅は4月8日現在の2万3,300枚から15日現在、2万7,688枚まで増加した。ただし16日以降、1ユーロ=1.3800ドルのレンジで安もちあいとなり、手じまい売りが先行か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

22日 日本2月景気動向指数
   カナダ2月卸売売上高
   米3月中古住宅販売件数
23日 豪第1四半期消費者物価指数
   英金融政策委員会(MPC)議事録
   カナダ2月小売売上高
   米3月新築住宅販売件数
24日 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
   独4月ifo景況感指数
   米3月耐久財受注
   米新規失業保険申請件数
25日 日本3月消費者物価指数
   英3月小売売上高指数
   米4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値



2014年4月21日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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