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外為マーケットコラム

支持線割れなら1ドル=100.50円前後まで下落か、ECB総裁の会見に注目


 4月28日から5月6日のドル・円相場は4月28日から5月2日までは1ドル=102円台での取引が続いたが、5日に1ドル=101.80円台まで下落し、下放れとなり、6日の海外市場で4月15日以来の安値となる1ドル=101.47円まで下落した。ウクライナ危機の拡大懸念の強まりによるリスク回避の動きや、チャート面の上値の重さなどに圧迫された。

 4月11日の安値1ドル=101.30円が支持線だが、支持線割れとなると、1ドル=100.50円前後までドル安・円高が進む可能性がある。ユーロ・ドルがしっかりと推移していることもドル・円の戻り圧迫要因。7日には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言、8日には欧州中央銀行(ECB)から政策金利の発表、ドラギECB総裁から記者会見がある。欧米の景況感の差が再認識されれば、ドルの反発の可能性があり、ECB総裁がユーロ圏の景気の現状についてどのような言及があるかが注目される。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=100.40円〜102.90円。

【米GDPの伸び悩みきっかけにドルは弱気転換に】
 4月30日に発表された第1四半期・米国内総生産(GDP)速報値は前期比+0.1%となり、事前予想+1.2%を大幅に下回り、2012年第4四半期以来の低い伸びとなった。2日に米労働省から発表された4月の米雇用統計は失業率が6.3%と事前予想の6.6%を下回り、2008年9月以来の水準に低下する一方、非農業部門雇用者数は前月比28万8,000人増と事前予想21万8,000人増を大きく上回り、2012年1月以来の大幅な増加となり、ドル・円は一時1ドル=103.02円まで上昇したが、米GDPの伸び悩みが上値を抑え、1ドル=102.20円台で2日の取引を終えた。14日間の相対力指数(RSI)は米GDPの発表があった4月30日に強気と弱気の分岐点の50を割り込み、弱気転換を示し、6日は40割れとなり、弱気感が強まっている。

【NYダウ史上最高値更新】
 ニューヨークダウは2日に米労働市場の改善が示され、1万6620.46ドルまで上昇し、史上最高値を更新したが、利食い売りに押され、マイナスサイドで引けた。4月29日から30日までの2日間、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、30日にFF金利誘導目標水準をゼロ〜0.25%のレンジで維持、債券購入額を従来の550億ドルから月額450億ドルに縮小とするとの声明文が発表された。事前予想通りで1日の米株式市場は大きな混乱はなく、ニューヨークダウは前日の高値をわずかに上抜く場面もあり、2日の史上最高値更新につながった。1ドル=101円台に下落し、国内の輸入業者からのドル買いが喚起される期待はあるが、ファンドの円の買い戻しが膨らめば、1ドル=101円の節目を割り込む下げとなる可能性はある。

【ユーロ・ドルは上伸、ECBによる追加金融緩和見送り予想で】
 ユーロ・ドルは堅調。先月30日に4月の独失業者数が前月比2万5,000人減と5カ月連続して減少したことや、同月のユーロ圏消費者物価指数が前月比0.7%上昇となり、大方の事前予想の0.8%上昇を下回ったことで欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測から、一時、約3週間ぶりの安値となる1ユーロ=1.3773ドルへと値を沈めた。しかし第1四半期の米国内総生産(GDP)速報値が前期比+0.1%の伸びにとどまったことや、ECBは今月8日の理事会で利下げを見送るとの見方で、この日のうちに反発した。翌日の5月1日には4月11日以来の高値1ユーロ=1.3889ドルまで上昇した。

 週明け5日は上げ一服となったが、6日は3月のユーロ圏小売売上高指数が前月比0.3%の上昇となり、大方の事前の0.2%低下に反して強い数字となったことで抵抗線であった1ユーロ=1.3900ドルを突破し、1ユーロ=1.3951ドルまで上伸し、3月13日以来の高値をつけた。8日のECB理事会で追加緩和見送りとの見方が支配的となり、ユーロ買いが加速した。

【1ドル=101.30円割れなら100.50円前後までの円高の可能性あり】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が5月2日に発表した4月29日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は4月22日現在の6万7,243枚から7万0,325枚に増加した。1ドル=102円台のもみあいながら、日米の景況感の違いから円を売る動きが優勢となった。ただ週明け5日に1ドル=101円台後半を試したことで円は買い戻しが優勢となっているとみられる。大幅な売り越し状態に変わりはなく、買い戻しが増えれば、4月10日の安値1ドル=101.30円割れとなり、1ドル=100.50円前後までドル安・円高が進む可能性はある。

 シカゴ・ユーロ市場では大口投機家の買い越し幅は4月22日現在の2万5,774枚から29日現在、2万5,734枚でほぼ横ばいで推移。30日以降、ジリ高基調の後、6日に上伸したことで再度買い優勢となり、2万8,000枚近くまで買い越し幅を増やしている可能性がある。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

7日  独3月製造業受注指数
    米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言
8日  豪4月雇用統計
    中国4月貿易収支
    独3月鉱工業生産指数
    英中銀(BOE)政策金利
    欧州中央銀行(ECB)政策金利
    ドラギECB総裁記者会見
    米新規失業保険申請件数
9日  中国4月生産者物価指数、中国4月消費者物価指数
    日本3月景気動向指数
    独3月貿易収支、独3月経常収支
    英3月貿易収支、英3月鉱工業生産指数、英3月製造業生産指数
    カナダ4月雇用統計



2014年5月7日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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