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外為マーケットコラム

ドル・円は一時3カ月半ぶり安値に下落も下値堅く反発


 5月19日の週のドル・円相場は19日に1ドル=101.30円割れとなり、その日のうちに101.07円まで下落した。20日は下げ渋ったが、21日に1ドル=101円の節目を割り込み、21日の東京時間の午後4時過ぎに2月5日以来の安値となる1ドル=100.79円まで下落した。しかし2月4日の安値1ドル=100.73円が支持線となり、その日の海外市場で1ドル=101円台に反発した。

 20、21日の2日間にわたり開催された日銀金融政策決定会合で21日に市場の予想通り追加緩和が見送られたことが円高・ドル安が進むきっかけとなった。しかし日本時間の22日の午前3時に4月29−30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表後に米長期金利がさらに上昇し、米株式相場が上げ幅を拡大したため、1ドル=101.62円まで急反発した。22日以降も反発基調を維持し、1ドル=101.90円台で先週の取引を終えた。約3カ月半ぶりの安値をつけたが、週初より小幅なドル高・円安で週末を迎えた。

 26日は英国がスプリングバンクホリディ、米国は戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)で祝日となるため、26日の為替市場は動意を欠く展開が予想される。27日以降、注目したい欧米の経済指標は27日発表の4月の独小売売上高指数、同月の米耐久財受注、28日発表の5月の独雇用統計、29日発表の米第1四半期国内総生産(GDP)改定値、米第1四半期個人消費改定値、米新規失業保険申請件数などが挙げられる。なお6月1日には中国物流購買連合会から同国の5月の製造業購買担当景気指数(PMI)の発表がある。ドル・円はいったん下放れたもの、25日移動平均線水準まで戻し、テクニカル要因からは中立である。懸念材料であったニューヨークダウは20日に1万6,341.30ドルまで下落し、4月28日以来の安値をつけたが、FOMCの議事録公表後に出直り、25日移動平均線が通る1万6,523.24ドルを回復して先週の取引を終えた。1ドル=101円割れが長く続かなかったことで、101円に再接近する場面があればドル買いが喚起され、下値は堅そうだ。抵抗線は今月13日の高値1ドル=102.36円。1ドル=102.36円を上抜くと1ドル=102円台後半までの上昇の可能性はあろう。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=101円前後〜102円台後半。

【NYダウはFOMC議事録公開後に反発】
 FOMCの議事録が公開され、以下のことが報告された。(1)雇用を促進してもインフレリスクはないと判断。(2)多くのFOMC参加者が政策伝達の一段の透明化を支持。(3)米労働市場の緩やかな回復を予想。(4)大半の参加者、数年以内のインフレ率2%を予想。(5)多くの参加者が弱い住宅市場のリスクを指摘。(6)米経済のリスクはほぼ均衡している。

 イエレンFRB議長は米経済の現状と金融政策についてコメントしなかったが、早 期の利上げ観測が台頭せず、リスクオンの動きとなり、ニューヨークダウは21日から3営業日連続の陽線引け。今週中にも史上最高値を更新可能な値位置まで戻している。

【ユーロ・ドルは続落、ECB理事会で追加金融緩和観測】
 ユーロ・ドルは続落。20日まで1ユーロ=1.3700ドルを挟んで安もちあいとなったが、21日に下放れとなった。依然として6月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加緩和観測の可能性の高まりに圧迫されるなか、米長期金利の上昇、ニューヨークダウの上昇からユーロ売り、ドル買いの流れが強まった。23日には2月13日以来の安値となる1ユーロ=1.3611ドルまで下落した。22日に発表された5月のユーロ圏サービス業景気指数(PMI)速報値が53.5(事前予想53.0)を上回り、約3年ぶりの高水準に達したが、ユーロ買いにはつながらず、下値を模索した。なおユーロ圏製造業のPMIは52.5となり、事前予想の53.2を下回った。売られ過ぎ感はあり、自律修正高はあるが、投機家の戻り売り圧力は強い展開か。

【円の1ドル=102円台前半では投機家の円売りが進む可能性あり】
 米商品先物取引委員会(CFTC)が5月23日に発表した同月20日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は5月13日現在の6万4,707枚から5万3,787枚に急減した。1ドル=101円台前半に下落した局面で買い戻しが進んだことを裏付ける数字だ。ただ21日以降はドル高・円安となり、再度円売りは進んだもよう。1ドル=102円台前半ではさらに円売りが進む可能性があるとみる。

 シカゴ・ユーロ市場では今月13日現在、大口投機家は2,175枚の売り越しに転じたが、14日以降もさらに売り姿勢を強め、20日現在、9,220枚の売り越しとなった。21日以降も下値を模索し、大口投機家の売り越し幅は1万枚前後まで増加しているとみられる。いったん利益確定の買い戻しに主導され、自律修正局面が予想されるが、戻り売りを仕掛ける動きは強いとみられる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

27日 独4月小売売上高指数
   米4月耐久財受注
   米3月住宅価格指数、米3月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米5月消費者信頼感指数
28日 豪4月ウェストパック先行指数
   独5月雇用統計
29日 カナダ第1四半期経常収支
   米第1四半期国内総生産(GDP)改定値
   米第1四半期個人消費改定値
   米新規失業保険申請件数
30日 日本4月雇用統計、日本4月有効求人倍率
   日本4月勤労者世帯家計調査、日本4月消費者物価指数
   日本4月鉱工業生産指数
   カナダ第1四半期国内総生産(GDP)、カナダ4月鉱工業製品価格
   米4月個人所得・個人支出
   米5月シカゴ購買部協会景気指数
   米5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
6月1日 中国製造業購買担当景気指数



2014年5月26日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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