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外為マーケットコラム

ECB理事会と米労働市場に関する統計発表続き、次の方向性を示す可能性あり

 5月26日の週のドル・円相場は27日に1ドル=102.14円まで上昇したが、1ドル=102円台での取引は長く続かず、おおむね1ドル=101円台後半でのもみあいとなった。13日の高値1ドル=102.36円を上抜く前に小反落となり、投機家の円売りも進まず静かな取引となった。

 1週間の値動き幅は0.75円にとどまり、売買とも妙味を欠いた。月足は2カ月連続で陰線引けとなった。25日移動平均線が通る1ドル=101.90円を僅かに下回って週末を迎えたが、2日は25日移動平均線を試しており、中立で次の方向性を探る展開である。14日間の相対力指数は弱気と強気の分岐点である50水準から上値が重く、5月30日は46.12で終了し、やや弱気を示唆している。ただ週明け2日は51に上昇し、強気に転換の兆しがある。

 6月第1週は6月4日から5月の米ADP雇用統計を皮切りに米労働市場に関する統計の発表が続く。また5日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され、金融政策方針が発表される。米経済統計、イベントが多く、次の方向性を示す可能性がある。

 今週のドル・円の予想レンジは引き続き1ドル=101円前後〜102円台後半。

【米GDP改定値が3年ぶりマイナス成長も】

 5月29日に発表された1−3月(第1四半期)の米国内総生産(GDP)改定値は前期比1.0%減と速報値(0.1%増)から大幅下方修正され、事前予想(0.5%減)を下回り、3年ぶりのマイナス成長となった。しかし悪天候が大きく影響したためであり、4月以降の景気が改善していることや、同日発表の米週間新規失業保険申請件数が30万件と事前予想の31万8,000件を下回り、4週平均は2007年8月以来の低水準となったことが支援材料となり、1ドル=101.39円で下げ渋った。米労働市場は緩やかに改善しており、5月の米雇用統計が注目される。米労働省発表の雇用統計の大方の事前予想は失業率が6.4%で4月の6.3%から悪化、非農業部門雇用者数は前月比21万8,000人増で4月の同28万8,000人増から鈍化予想。

【ユーロ・ドルは続落、独の失業者数増加を嫌気】

 ユーロ・ドルは続落。5月28日に1ユーロ=1.3600ドル割れとなり、約3カ月半ぶりの安値をつけ、下値を模索。5月14日から約1週間1ユーロ=1.3700ドルを挟んでもみあったが、21日に再度下放れした。28日に一段安となったが、この日の下げは5月の独失業者数が前月比2万3,937人増と、事前予想の1万5,000人減に反して6カ月ぶりに増加したことが嫌気された。また、欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事が6月の理事会での利下げの可能性を示唆したことも売り材料となった。6月5日の理事会で利下げが行われるかが、目先の焦点だ。25日移動平均線が通る1ユーロ=1.3744ドルからの乖離率は1%程度で売り過剰感はないが、14日間の相対力指数(RSI)は一時30割れとなり、売り過剰感はある。

【ユーロ・ドルは投機家の売りに主導された下げ】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が5月30日に発表した同月27日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は5月20日現在の5万3,787枚から5万9,036枚に増加した。29日の米GDP改定値発表後に1ドル=101.30円台に下落したことで買い戻しの動きがあったとみられるが、円売り圧力は根強い。ニューヨークダウが30日に史上最高値水準で引け、ドル買い優勢で円の売り圧力は強い展開か。

 シカゴ・ユーロ市場では先月20日現在、大口投機家は9,220枚の売り越しとなったが、21日以降もさらに売り姿勢を強め、27日現在、1万6,633枚の売り越しとなった。投機家の売りに主導された下げで28日以降もさらに売りが増えたとみられる。5日にECB理事会が控えており、4日までに売り玉の一部を買い戻す動きがあれば自律修正高の可能性はあるが、1ユーロ=1.3700ドルが抵抗線として意識され、1ユーロ=1.3650ドル台からは戻り売り圧力が強い展開か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

2日 
   独5月消費者物価指数
   米5月ISM製造業景況指数
   米4月建設支出
3日 
   豪4月小売売上高
   豪第1四半期経常収支
   中国HSBC製造業購買担当景気指数
   オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
   英5月ネーションワイド住宅価格
   ユーロ圏4月雇用統計、ユーロ圏5月消費者物価指数
   米4月製造業受注指数
4日 
   豪5月AiGサービス業指数
   豪第1四半期国内総生産(GDP)
   ユーロ圏4月生産者物価指数
   ユーロ圏第1四半期域内総生産(GDP)改定値
   米5月ADP雇用統計
   カナダ4月貿易収支
   米4月貿易収支、米第1四半期非農業部門労働生産性指数
   カナダ銀行(BOC)政策金利
   米5月ISM非製造業景況指数
   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
5日 
   豪4月貿易収支
   独4月製造業受注指数
   ユーロ圏4月小売売上高指数
   英中銀(BOE)政策金利
   欧州中央銀行(ECB)政策金利
   ドラギECB総裁記者会見
   米新規失業保険申請件数
   カナダ5月Ivey購買部協会指数
6日 
   日本4月景気動向指数
   独4月鉱工業生産指数、独4月貿易収支、独4月経常収支
   英4月貿易収支
   カナダ5月雇用統計
   米5月雇用統計
8日 
   中国5月貿易収支

2014年6月2日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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