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外為マーケットコラム

レンジ相場続くも米GDP修正値に注意

 6月16日の週のドル・円相場は1ドル=102円を挟んで狭いレンジの取引に終始した。9日の週のレンジから出ることなく、往って来いの展開だった。18、19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の終了後、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準をゼロ〜0.25%に据え置き、債券購入額は450億ドルから350億ドルに縮小すると発表された。またFOMCでイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が、量的緩和が縮小しても低金利がかなりの期間続くと発言したことでユーロ・ドルが上昇したが、ドル・円は方向性を示さなかった。

 今週の米経済統計は週前半が23日発表の5月の中古住宅販売件数を皮切りに住宅関連の指標が続く。週半ばの25日に第1四半期の国内総生産(GDP)の修正値の発表がある。25日は5月の米耐久財受注高の発表もあり、注意が必要だ。23日の午前中にHSBCから発表された6月の製造業購買担当景気指数(PMI)速報値は、50.8となり、大方の事前予想49.7を上回り、不況と好況の分岐点の50を上回った。中国経済に対し楽観ムードの強まりでリスクオンの動きとなり、株高につながるとみられる。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=101円台前半〜103円台前半。

【強気の米経済指標の発表もドル・円の上値重く】

 ドル・円は依然として方向性が出てこない。25日移動平均線が通る1ドル=102円水準で20日の取引を終えており、チャートは中立だ。

 16日に発表された6月のニューヨーク連銀製造業景気指数は19.28となり、事前予想15.00を上回り、2010年6月以来の高水準となった。5月の米鉱工業生産指数は前月比0.6%上昇と前月0.3%低下から転じ、大方の事前予想0.5%上昇を上回った。全米住宅建設業者協会(NAHB)/ウエルズ・ファーゴ発表の6月の住宅建設業者指数は49と前月の45から上昇し、1月以来の高水準となった。軒並み強気の米経済統計の発表となったが、1ドル=101円台後半で小動きだった。

 17日には5月の米消費者物価指数(CPI)が大方の事前予想の前月比0.4%上昇と前月の同0.3%上昇を上回り、事前予想の0.2%上昇を上回り、昨年2月以来の高い伸びとなった。また前年比は2.1%上昇と2012年10月以来の大幅な伸びとなった。それを受け、米金利が上昇したことに反応し、序盤に今月11日以来となる1ドル=102.24円へと上昇した。しかし5月の米住宅着工件数が前月比6.5%減の100万1,000件となり、大方の事前予想の103万件を下回ったこと、FOMCを控え、1ドル=102円台半ばを目指す勢いはなかった。

 18日はFOMCで緩和政策の継続見通しが確認されるなか、米長期金利が低下したことから、FOMC後は1ドル=102円を挟んで軟調に推移したが、1ドル=101.90円水準で下値は堅く推移した。FOMC声明文では今年の米経済成長率の下方修正が織り込まれたことで米経済への不安からドル売りの動きもあったが、失業率のさらなる改善が見込まれることから1ドル=101.80円が支持線となった。

 19日は13日までの米週間新規失業保険申請件数は31万2,000件と、前週の31万8,000件から減少し、事前予想の31万3,000件を下回った。過去4週平均は31万1,750件と前週の31万5,500件を下回った。6月のフィラデルフィア地区連銀景況指数は17.8と前週の15.4から上昇し、事前予想の14.0を上回り、昨年9月以来の高水準となった。また5月の米景気先行指数が前月比0.5%上昇となり、前月の同0.3%上昇を上回った。16日に続き、軒並み強気の米経済指標の発表となったが、1ドル=101円台後半から102円のレンジでから離れることなく、動意薄の展開だった。

 20日は主要な米経済統計の発表がなく、1ドル=102円を挟んで狭いレンジでもみあいに終始した。

 ドル・円は小動きだったが、ニューヨークダウはFOMCで緩和政策継続が確認されたことを受け、リスクオンの動きが先行し、20日に1万6,978.02ドルまで上げ、史上最高値を更新した。ほぼ高値引けで今週は1万7,000ドル台乗せも可能な値位置だ。1万7,000ドル台に乗せると、ドルの支援材料となり、ドル・円は1ドル=102円台半ばから後半に上昇する可能性ありとみる。

【ユーロ・ドルは堅調、FOMC後に上昇し、週足は陽線引け】

 ユーロ・ドルは堅調。16日にドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した6月の独景況感指数は29.8と前月33.1から低下し、事前予想35.0を下回った。6カ月連続の低下となり、2012年12月以来の水準に落ち込んだことで1ユーロ=1.3534ドルまで下落も下値堅く推移。

 18日はFOMC終了後に米低金利政策の継続を受け、今月10日以来となる1ユーロ=1.36ドル回復目前まで強含みとなり、1.3590台後半で取引を終了。

 19日は上昇。米緩和政策の長期化見通しや米金利低下を背景にしたドル売り圧力の強まりで今月9日以来の高値となる1ユーロ=1.3643ドルまで上昇し、1ユーロ=1.36ドル台を維持して引けた。20日は小反落となり、1ユーロ=1.3597ドルで引けた。週足は2週間ぶりに陽線引けとなったが、25日移動平均線が通る1ユーロ=1.3606ドル割れで20日の取引を終えており、テクニカル指標は強弱感が交錯した。

【CMEでの大口投機家の円の売り越しは7万枚前後か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月20日に発表した同月17日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は今月10日現在の8万2,162枚から6万8,038枚に減少した。4週間ぶりに前週比減少となった。12、13日に1ドル=101円台半ばまで、円高、ドル安が進んだ場面で買い戻しが進んだもよう。18日以降は1ドル=102円を挟む動きとなり、仕掛け難だが、7万枚前後の円の売り越し状態となっているもよう。

 シカゴ・ユーロ市場では今月10日現在、大口投機家は5万7,185枚の売り越しとなったが、ユーロ売りの動きはさらに強まり、今月17日現在、6万1,835枚の売り越し越しとなった。ただし18日以降、ユーロ・ドルが反発し、19日には1ユーロ=1.3600ドルを突破し、買い戻しが進んだとみられる。まだユーロは売り越しながら、18日のFOMCの声明文の発表後にユーロの買い戻しが進んだもよう。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

23日 
   米5月中古住宅販売件数
24日 
   スイス5月貿易収支
   独6月ifo景況感指数
   米4月住宅価格指数
   米4月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米6月消費者信頼感指数、米5月新築住宅販売件数
25日 
   米5月耐久財受注
   米第1四半期国内総生産(GDP)確報値
   米第1四半期個人消費確報値
26日 
   米新規失業保険申請件数
   米5月個人所得・個人支出
27日 
   NZ5月貿易収支
   日本5月雇用統計、日本5月有効求人倍率
   日本5月勤労者世帯家計調査、日本5月消費者物価指数
   日本5月小売業販売額
   スイス6月KOF先行指数
   英第1四半期国内総生産(GDP)確報値
   独6月消費者物価指数速報値
   カナダ5月鉱工業製品価格
   米6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値

2014年6月23日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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