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外為マーケットコラム

米労働市場に関する指標が弱気なら1ドル=100.79円目指す

 6月23日の週のドル・円相場は週前半、1ドル=102円を挟んで推移した後、25日から軟化し、27日に1ドル=101.20円台に下落し、約5週間ぶりの安値をつけた。

 週前半に発表された米住宅関連の米経済指標は事前予想を上回る統計が多かったが、1ドル=102円台前半で上値が重くなり、1ドル=102円台半ばまでドル高・円安が進むことはなかった。

 25日に発表された1−3月期・米国内総生産(GDP)伸び率確報値がドル・円の軟化のきっかけとなった。米GDP確報値は前期比2.9%減と改定値1.0%減から大きく下方修正され、大方の事前予想1.8%減を下回った。個人消費も前期比1.0%増と改定値3.1%増から大幅に下方修正され、大方の事前予想2.4%増を下回り、5年ぶりの低い伸びとなった。また同日に発表された5月の米耐久財受注高は前月比1.0%減と前月の同0.8%増から一変し、事前予想の変わらずを下回り、1月以来のマイナスとなった。それを受け、今月12日以来の円高・ドル安となる1ドル=101.59円まで下落した。翌26日以降も下値を切り下げ、1ドル=101.42円で27日の取引を終えた。

 今週は7月1日に6月の米新車販売台数の発表がある。2日には6月の米ADP雇用統計、3日には米週間新規失業保険申請件数、さらに3日には4日が独立記念日で祝日となるため、米労働省から同月の雇用統計が1日前倒しで発表される。米労働市場に関する統計が強気となれば、1ドル=102円台前半に反発の可能性はあろう。逆に弱気の数字が出るとドル安・円高が進み、5月21日の安値1ドル=100.79円を目指す展開を予想する。アルゼンチンが債務不履行(デフォルト)の危機に陥っており、30日に債務の支払いの期限が迫っている。アルゼンチンがデフォルトに陥ると、新興国への投資リスクが再認識されドルが買われる傾向が強まる可能性がある。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=100円台半ば〜102円台後半。

【強気の米住宅関連指標にもドル・円の上値重く】

 先週は米住宅関連の経済指標の発表が多かった。23日に発表された5月の米中古住宅販売件数は前月比4.9%増の489万件と前月の466万件から増加し、事前予想474万件を上回った。24日は全米20都市部を対象にした4月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数の発表があり、前年同月比10.82%上昇と、前月の12.37%上昇から低下し、事前予想11.50%上昇を下回り、昨年3月以来の低い伸びとなった。ただ同日に発表された5月の米新築住宅販売件数は前月比18.6%増の50万4,000件で、前月42万5,000件や事前予想43万9,000件を上回り、販売件数は2008年5月以来の高水準を記録した。伸び率は1992年1月以来の大幅なものとなり、大型消費財である住宅市場の回復が感じられた。米住宅市場の回復を示す数字が多かったものの、ドル・円の上値は重く、終値で1ドル=102円を維持することは一度もなかった。

【NYダウは高値修正局面】

 ニューヨークダウは20日に1万6,978.02ドルまで上昇し、史上最高値を更新した。24日に5月の米新築住宅販売が好調であったことから小高くなる場面があったが、史上最高値手前で頭打ちとなった。高値警戒感が強いことや、イラク情勢の緊迫化から利食い売りが先行し、急落となり、1万6,805.23ドルまで急落となった。長大陰線を引き、高値修正局面を迎えた26日には1万6,746.09ドルまで下落し、今月17日以来の安値に沈み、一時25日移動平均線を割り込んだ。7月4日が独立記念日で休場となることや、7月第2週目から第2四半期の企業業績の発表を控え、戻りは限定的で史上最高値の更新は7月の第2週以降か。

【ユーロ・ドルは堅調、弱気の米経済統計から約半月ぶりの高値に】

 ユーロ・ドルは堅調。25日には1ユーロ=1.3651ドルまで上昇し、6月9日以来、約半月ぶりの高値をつけた。1−3月期・米GDP伸び率確報値、5月の耐久財受注高が弱気の数字となり、ドル売りが進んだ。しかしユーロの前例のない金融緩和政策やユーロの景気回復力の弱さから26日以降は1ユーロ=1.36ドル台前半から半ばでのもみあいとなった。

 23日に英マークイット・エコノミクスが発表した6月のユーロ圏総合景気指数(速報値)で総合指数が52.8となり、事前予想の53.4を下回った。また24日に発表された6月の独ifo企業景況感指数が109.7にとどまり、大方の事前予想である110.3を下回り、2カ月連続で低下するなど、ユーロの経済指標も弱気の数字が多く、ユーロを積極的に買い進む動きにはならなかった。

【CMEでの大口投機家の円の売り越しは増加】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月27日に発表した同月24日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は今月17日現在の6万8,038枚から7万1,223枚に増加した。

 シカゴ・ユーロ市場では今月17日現在、大口投機家は6万1,835枚の売り越しとなったが、今月24日現在、5万7,503枚と売り越し幅が減少した。25日からユーロが反発し、さらに買い戻しが進んだとみられる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

30日 
   ユーロ圏6月消費者物価指数
   米6月シカゴ購買部協会景気指数
1日 
   豪6月AiG製造業指数
   日銀短観(6月調査)
   中国製造業購買担当景気指数
   中国HSBC製造業購買担当景気指数改定値
   オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
   独6月雇用統計
   ユーロ圏5月雇用統計
   米6月ISM製造業景況指数
   米5月建設支出
2日 
   豪5月貿易収支
   ユーロ圏5月生産者物価指数
   米6月ADP雇用統計
   米5月製造業受注指数
3日 
   豪6月AiGサービス業指数
   豪5月小売売上高、豪5月住宅建設許可件数
   ユーロ圏5月小売売上高指数
   欧州中央銀行(ECB)政策金利
   カナダ5月貿易収支
   米5月貿易収支
   米6月雇用統計
   米新規失業保険申請件数
   米6月ISM非製造業景況指数
4日 
   独5月製造業受注指数

2014年6月30日

(オーバルネクスト/森 成俊)

株式会社オーバルネクスト 森 成俊

担当
為替、先物市場
信条
為替証拠金取引の拡大により、為替取引はより身近になりました。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けています。
経歴
91年ゼネックス(現オーバルネクスト)入社、97−99年までNY現地法人勤務。03年よりオーバルネクスト調査情報グループリーダー。ラジオNikkeiファイナンシャルBox火曜日の為替、商品市況のコメンテーターも務める。

株式会社オーバルネクスト

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