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外為マーケットコラム

FOMC議事録公表後に7週間ぶりのドル安・円高も方向性なし

 7日第2週のドル・円相場は10日に1ドル=101.04円まで下落し、5月21日以来、約7週間ぶりの安値をつけたが、1ドル=101円の節目が支持線となり、底堅く推移した。9日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で利上げ時期の可能性に言及されず、今秋の量的緩和終了後も超低金利政策が続くとの見方が再認識された。その一方、日本銀行による早期の追加緩和措置の可能性が後退しており、当面は日米当局の金融政策に変化がないとの見方がドル売り・円買いにつながった。25日移動平均線を割り込んだ状態が続いており、チャートは円買い・ドル売りに有利だが、まだ方向性はない。

 今週は15日と16日に米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言が予定されている。その内容が注目される。円サイドからは14〜15日の日銀金融政策決定会合が予定されているが、金融政策に大きな変化はなく、インパクト薄か。16日に中国の第2四半期の国内総生産(GDP)の発表がある。大方の事前予想では前年同期比+7.4%。事前予想を下回ると、リスク回避けの動きからドル売り・円買い、株安が進む可能性あり。1ドル=101円割れとなった場合の下値のメドは5月21日の安値1ドル=100.79円、1ドル=100円の節目となる。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=100円台半ば〜102円台半ば。

【ドル・円は25日、200日移動平均線割れ】

 9日に公表されたFOMCの議事録で量的緩和(QE)は10月に150億ドル縮小で終了、大半の参加者は雇用、成長、物価リスクがほぼ均衡、また景気が第2四半期に回復したと判断したとの内容だった。ニューヨークダウはこの内容を好感し、9日は上昇したが、1万7,000ドルを回復できず、10日は反落となり、調整局面の週となった。10日に発表された米週間新規失業保険申請件数は30万4,000件となり、大方の事前予想の31万5,000件を下回ったが、米10年物国債利回りが一時、5月30日以来の水準に低下したことがドルの戻りを圧迫した。

 今週以降は活発化する米企業の第2四半期の企業業績の数字に注目か。テクニカル要因からは8日に長期波動を示す200日移動平均線を割り込んでいることが気掛かりだ。25、200日移動平均線とも1ドル=101.80円水準に通っており、上昇基調を回復するために早期に1ドル=101.80円を回復したい。

【ユーロ・ドルはほぼ横ばい、ポルトガルの銀行の信用不安で上値重い】

 ユーロ・ドルはほぼ横ばい。7日に欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事や、ECBの政策委員会メンバーでフランス銀行(中央銀行)のノワイエ総裁から、欧米の金融政策の方向性の違いなどを考慮すればユーロが下落するとの見通しが示されたことなどで、一時、6月26日の安値1ユーロ=1.3576ドルに顔合わせする下落となった。しかし決め手を欠き、1ユーロ=1.36ドル台を維持した。9日はFOMC議事録公表を受けたドル売り圧力が強まり、今月3日以来の高値となる1ユーロ=1.3648ドルまで上昇した。しかしポルトガルのエスピリト・サント銀行が親会社による債務返済履行見送りを受け、同行の株価と社債下落で、欧州の金融機関に対する懸念の広がりを背景にしたリスク回避の動きから1ユーロ=1.3587ドルに軟化した。10、11日は1ユーロ=1.36ドルを挟んでもみあいとなり、方向性を欠く週となった。11日にポルトガル首相がエスピリト・サント銀行は政府支援の必要な兆候がないと述べたが、同行の信用不安が根強く、1ユーロ=1.36ドル水準から上値が重い。

【CMEでの大口投機家の円の売り越しは増加】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月11日に発表した同月8日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は6万6,375枚となった。先月24日は7万1,223枚の売り越しだった。今月1日に5万8,686枚に減少したものの再度増加した格好だ。ただ10日以降、ドル安・円高となり、買い戻しが進み、11日現在の売り越し幅は6万3,000枚前後となっているもよう。

 シカゴ・ユーロ市場では今月8日現在、大口投機家は5万9,265枚の売り越しとなった。今月1日現在の6万0,776枚から微減。9日に1ユーロ=1.36ドル台に上昇し、買い戻しが進んだとみられるが、10、11日は1ユーロ=1.36ドルを挟んでもみあっており、5万8,000枚前後の売り越しとなっているもよう。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

14日 
   ユーロ圏5月鉱工業生産指数
15日 
   オーストラリア準備銀行(RBA)理事会議事録
   日銀金融政策決定会合(14〜15日)・金融政策発表
   黒田日銀総裁記者会見
   英6月消費者物価指数、英6月小売物価指数、英6月生産者物価指数
   独7月ZEW景況感指数
   米6月小売売上高、米7月NY連銀製造業景気指数、米6月輸入価格指数
   イエレンFRB議長が上院銀行委員会で議会証言
16日 
   豪6月ウェストパック先行指数
   中国6月小売売上高、中国6月鉱工業生産指数
   中国第2四半期国内総生産(GDP)
   英6月雇用統計
   ユーロ圏5月貿易収支
   カナダ5月製造業出荷
   米6月生産者物価指数
   米5月対米証券投資
   米6月鉱工業生産・設備稼働率
   カナダ銀行(BOC)政策金利
   イエレンFRB議長が下院金融委員会で議会証言
   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
17日 
   ユーロ圏6月消費者物価指数確報値
   米新規失業保険申請件数、米6月住宅着工・許可件数
   米7月フィラデルフィア連銀景況指数
18日 
   日銀金融政策決定会合議事要旨(6月12〜13日)
   ユーロ圏5月経常収支
   カナダ5月卸売売上高、カナダ6月消費者物価指数
   米7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
   米6月景気先行指数

2014年7月14日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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