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外為マーケットコラム

1ドル=102円台半ばを目指すチャート

 7日第4週のドル・円相場は、週前半、1ドル=101円台前半から半ばで小動きだったが、24日に米金利上昇や米週間新規失業保険申請件数の予想外の減少などを背景に、一時、9日以来となる1ドル=101.85円へ上昇した。翌25日には1ドル=101.93円まで続伸し、今月7日以来の高値をつけた。しかしニューヨークダウ安、金利低下が上値圧迫要因となり、1ドル=102円の節目を突破できず、1ドル=101.80円台で取引を終えた。7月のレンジ相場ながら、6日連続で陽線引け、25日移動平均線が通る1ドル=101.60円を超えて引けており、チャートからは1ドル=102円台半ばを目指す動きになる可能性がある。

 今週は29、30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、30日には声明文が発表される。30日は米第2四半期の国内総生産(GDP)、7月の米ADP雇用統計が発表予定だ。また31日には6月のユーロ圏の雇用統計の発表がある。8月1日には中国物流購買連合会から7月の製造業購買担当者景況指数(PMI)、米労働省から7月の米雇用統計の発表がある。経済統計、イベントなど材料が多く、新たな方向性を示す可能性あり。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=100円台後半〜102円台後半。

【米週間新規失業保険申請件数は低水準も米新築住宅販売件数は事前予想を下回る】

 先週のドル・円は1ドル=101.16〜101.93円のレンジにとどまったが、ジリ高基調となり、しっかり。米労働省発表の7月18日までの週間新規失業保険申請件数は28万4,000件と前週の30万3,000件から減少し、事前予想(30万7,0000件)を下回った。4週間平均は30万2,000件と前週の30万9,250件から減少し、2007年5月以来の水準に落ち込み、米労働市場が好調であることを示した。好調な米労働市場がドル買いを招き、1ドル=101円台後半を目指す動きとなった。しかしその一方で米商務省発表の6月の新築住宅販売件数が前月比8.1%減少の40万6,000件となり、事前予想(47万5,000件)を下回ったことがドル・円の上昇の足かせとなった。なお前月の新築住宅販売件数は44万2,000件と速報値の50万4,000件から下方修正され、引き下げ幅は過去最大となった。25日は6月の米耐久財受注が前月比+0.7%となり、事前予想の同+0.5%を上回ったことを好感し、1ドル=101.90円台を試した。しかしアマゾン・ドット・コムなどの企業決算報告に対する失望感からニューヨークダウが大幅安となったことから1ドル=102円の節目を上抜くには至らず。

【中国製造業PMI50超えで中国株、人民元が買われる】

 24日にHSBCが発表した7月の中国製造業購買担当景気指数(PMI)速報値が52.0となり、大方の事前予想は51.0を上回り、1年半ぶりの高水準となった。2カ月連続で好況と不況と好況の分岐点の50を上回った。中国人民元は対ドルで4月以来の高値をつけ、中国株の代表的指数である上海総合指数は25日に4月17日以来の高値となる 2,127まで上昇した。

【ユーロ・ドルは続落、EUのロシアに対し追加制裁の検討の報道で】

 ユーロ・ドルは続落。22日に1ユーロ=1.3457ドルまで下落し、長大陰線を引く下げとなり、一段とチャートが悪化した。ユーロ売りに拍車がかかり、昨年11月以来の安値となる1ユーロ=1.3457ドルまで下落した。欧州連合(EU)がロシアに対して資本規制や、武器取引の禁止など追加制裁を導入の検討に入ったこともユーロ売りにつながった。24日は7月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値が事前予想を上回ったことから、一時自律修正高となったが、ユーロ売りの動きは止まらず、25日には1ユーロ=1.3419ドルまで下落し、下値模索のまま週末を迎えた。

【1ドル=102円超えとなると、円売りが進む=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月25日に発表した同月22日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は5万3,916枚に減少した(15日現在、6万2,948枚売り越し)。ただし24日から1ドル=101円台後半まで円安・ドル高が進んだため、再度、円売りが進んでいるもよう。1ドル=102円超えとなると、6月4日につけた1ドル=102.79円まで円安・ドル高が進むとみて、円売りが進みそうだ。

 シカゴ・ユーロ市場では今月22日現在、大口投機家は8万8,823枚の売り越しに増加した。(15日現在、6万2,846枚)。23日以降も下値を模索する動きとなり、ユーロ売りの動きは強まり、売り越し幅は10万枚近くまで膨らんでいるとみられる。6月24日現在、6月24日現在、57,803枚だったが、約1カ月で売り越し幅は2倍近くまで膨らんでおり、売り過剰感はある。いったん買い戻しの動きはあってもおかしくはないが、ユーロの売り人気はしばらく続くとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

6月29日
    日本6月雇用統計、日本6月有効求人倍率、日本6月勤労者世帯家計調査
    日本6月小売業販売額
    米5月S&Pケースシラー住宅価格指数
    米7月消費者信頼感指数
6月30日
    日本6月鉱工業生産指数
    スイス7月KOF先行指数
    独7月消費者物価指数
    米7月ADP雇用統計
    米第2四半期国内総生産(GDP)速報値
    カナダ6月鉱工業製品価格
    米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
7月31日
    豪6月住宅建設許可件数
    独7月雇用統計
    ユーロ圏6月雇用統計
    ユーロ圏7月消費者物価指数速報値
    米第2四半期雇用コスト指数
    米新規失業保険申請件数
    米7月シカゴ購買部協会景気指数
8月1日
    豪7月AiG製造業指数
    中国製造業購買担当景気指数
    豪第2四半期生産者物価指数
    中国HSBC製造業購買担当景気指数
    米7月雇用統計
    米6月個人所得・支出
    米7月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
    米7月ISM製造業景況指数
    米6月建設支出

2014年7月28日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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