FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > 複数の米経済統計が弱く、1ドル=103円が抵抗線に

外為マーケットコラム

複数の米経済統計が弱く、1ドル=103円が抵抗線に

 8日11日の週のドル・円相場は、おおむね1ドル=102円台での取引となった。13日に日銀が発表した日本の4−6月期・国内総生産(GDP)速報値が2四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだことを受け、日銀の追加緩和期待の広がったことが円を圧迫することとなり、102.50円台に上昇した。15日には102.71円まで続伸したが、103円の節目を突破する勢いはなく、102.30円台に反落し、先週の取引を終えた。

 米経済統計で事前予想より弱い数字となった統計が複数あったことや、ウクライナ情勢に対しての懸念からリスク回避の動きは根強く、103円が抵抗線となり、8月4日の週のレンジから出ることはなかった。ユーロ・ドルも4日の週のレンジ内での高下となり、方向性を欠く展開となった。

 18日からの週は20日に先月29―30日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公表がある。米経済統計は19日に発表される7月の消費者物価指数、同月の住宅着工・許可件数、21日発表の米新規失業保険申請件数、8月のフィラデルフィア連銀景況指数などが注目される。また21日はHSBCから8月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報の発表がある。中国株の代表的指数である上海総合指数が13日に2230台まで上げ、年初来高値を更新し、高止まりして先週の取引を終えている。HSBC発表のPMIが強気の数字になってリスクオンの動きが強まると、ニューヨークダウが戻り歩調を継続しドル買い要因となるシナリオが描ける。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=101円台半ば〜102円台後半。

【NYダウは半値戻し達成、1万7,000ドル台回復なら1ドル=103円超えも】

 先週発表された米経済統計を整理すると、13日に発表された7月の小売売上高は前月比変わらず(事前予想は同0.2%)と前月(0.2%増)を下回り、1月以来の低水準となった。14日に発表された8月9日までの週間新規失業保険申請件数は31万1,000件と事前予想(29万5,000件)を上回った。また前週分は29万件と速報値の28万9,000件から修正され、4週間移動平均は29万5,750件と前週の29万3,750件から増加した。

 15日は複数の経済統計の発表があった。ニューヨーク連銀が発表した8月の同州製造業景気指数は14.69(事前予想20.00)となり、前月の25.60から低下し、4月以来の低水準となった。7月の米生産者物価指数は前年比1.7%と前月の1.9%から鈍化した。同月の米鉱工業生産指数は前月比0.4%増と事前予想0.3%増を上回った。米ミシガン大学発表の8月の消費者信頼感指数速報値は79.2(事前予想は82.5)と前月の81.8から低下し、9カ月ぶりの低水準となった。

 弱い米経済指標の発表が目立ったことがドルの戻りを押さえた。ただしニューヨークダウは反発基調となり、15日には一時1万6,700ドル台まで上昇した。ニューヨークダウは7月17日に1万7,151.56ドルまで上伸し、史上最高値を更新したが、7月25日の下げをきっかけに調整色が強まり、今月7日に1万6,338.78ドルまで下落し、この間の下げは812.78ドルに達した。しかし8日から戻り歩調となり、15日には半値戻しにあたる1万6745.17ドルをわずかに超えた。25日移動平均線が通る1万6,799ドル手前で頭打ちとなっており、戻り一服感はある。

 米株高からドル資産の信頼性が高まり、ドル・円が1ドル=103円の抵抗線を超えるにはニューヨークダウが1万6,800ドル台に乗せ、いずれ1万7,000ドル台を回復し、近い将来、史上最高値を更新するとのシナリオが描かれることが望まれる。

 円サイドからは13日に発表された日本の4−6月期・国内総生産(GDP)速報値が前期比1.7%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだことを受け、日銀の追加緩和期待の広がりが円売りにつながった。ただし事前予想(同1.8%減)であり、円売りの動きは限定的だった。日銀は第3四半期のGDPがよほど悪化しない限り、追加金融緩和には動かないとの見方も多い。

【ユーロ・ドルは小幅続落、レンジ取引も中期下降トレンド終焉せず】

 ユーロ・ドルは小幅続落。12日にドイツの欧州経済研究センター(ZEW)発表の8月の景況感指数が8.6(事前予想17)となり、前月の27.1から8カ月連続して低下し、2012年12月以来の低水準となったことを受け、一時、今月6日に付けた昨年11月8日以来の安値である1ユーロ=1.3330ドルに接近した。14日に発表されたユーロ圏第2四半期の域内総生産(GDP)では前期比0.2%減と予想(0.1%減)以上に落ち込み、フランスとユーロ圏全体は予想外のゼロ成長となった。しかしユーロ・ドルは下値堅く推移し、13日の安値1ユーロ=1.3340ドルを割り込むことはなかった。

 緊張が続くウクライナ情勢の悪影響から経済活動の停滞が懸念され、ユーロ売りの動きは根強く続くとみられる。先週はレンジ相場だったものの、週足は5週連続の陰線引けとなり、15日の終値で25日移動平均線(1ユーロ=1.3439ドル)を下回っており、中期下降トレンドは終焉していないとみる。

【1ドル=103円突破なら円売り加速か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が15日に発表した今月12日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は8万1,097枚に減少した(8月5日現在、9万5,399枚売り越し)。6日から8日にかけ1ドル=101円台に円高、ドル安が進んだことで買い戻す動きがあったため、減少につながった。ただ13日以降、1ドル=102円台半ばから後半に円安、ドル高となり、再度円の売り圧力が強まり、円の売り越しは9万枚前後になっているとみる。1ドル=103円を突破すると、円売りの動きが加速か。

 シカゴ・ユーロ市場では8月12現在、大口投機家は12万6,017枚の売り越しに減少した。(5日現在、12万8,747枚)。ユーロの売り人気は一服したが、依然としてユーロ売り圧力は強い。チャートは三角もちあいとなっており、次の方向性が出るまでのエネルギー蓄積局面だ。投機家は放れた方につくとみられる。

 今週 の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

18日 
   ユーロ圏6月貿易収支
19日 
   NZ第2四半期生産者物価指数
   豪中銀理事会議事録
   日本6月景気動向指数
   ユーロ圏6月ユーロ経常収支
   英7月消費者物価指数、英7月小売物価指数、英7月生産者物価指数
   米7月消費者物価指数
   米7月住宅着工・許可件数
20日 
   日本7月貿易収支
   豪7月ウェストパック先行指数
   独7月生産者物価指数
   英金融政策委員会(MPC)議事録
   カナダ6月卸売売上高
   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月29・30日分)
21日 
   中国HSBC製造業購買担当景気指数
   スイス7月貿易収支
   英7月小売売上高指数
   米新規失業保険申請件数
   米8月フィラデルフィア連銀景況指数
   米7月中古住宅販売件数
   米7月景気先行指数
22日 カナダ6月小売売上高、カナダ7月消費者物価指数

2014年8月18日

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。