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外為マーケットコラム

米経済指標が強気なら更にドルは買い進まれる、セオリー通り放れにつく

 8日18日の週のドル・円相場は、抵抗線の1ドル=103.08円(7月30日の高値)を突破すると、ドル高・円安が加速し、22日には1ドル=104.19円まで上昇し、1月23日以来、約7カ月ぶりの高値をつけた。

 先月29、30日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が日本時間の21日の午前3時に公表され、メンバーの多くが雇用増で利上げが早まる可能性があると判断したことが示されたことでドル高となり、対円で上放れた。22日はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で早期利上げの可能性に言及したことでドルは対円、対ユーロでも上昇した。

 ドル・円は4月半ばから約4カ月間、1ドル=100.79〜103.08円のレンジ相場を形成していたが、米国の金利引き上げ観測、ニューヨークダウの急反騰でドル資産への信頼度の高まりから上放れとなった。修正安の可能性はあるが、1ドル=105円を目指す展開か。

 今週は米経済統計の発表が多い。注目される米経済統計は7月の新築住宅販売件数(25日)、7月の耐久財受注高(26日)、8月の(26日)消費者信頼感指数、第2四半期国内総生産(GDP)改定値(28日)、新規失業保険申請件数(28日)、8月のシカゴ購買部協会景気指数(29日)、8月のミシガン大学消費者信頼感指数(29日)などが挙げられる。これらの米経済指標を見極めながらの取引となることが予想されるが、強気の米経済指標の発表が多ければ、さらにドル買いが進むとみられる。セオリー通り放れにつく投資戦略が有効と考える。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=103円前半〜105円。

【ドル・円は買い過剰感ありもNYダウ史上最高値更新なら1ドル=105円目指す】

 FOMCの議事録公表前の19日に7月の米住宅着工件数が発表され、前月比15.7%増の109万3,000件と、事前予想96万5,000件を大きく上回った。この数字を好感し、ドル・円は1ドル=102.92円まで上昇し、レンジ相場の上限(103.08円)に接近した。

 20日はFOMCの議事録公表を受け、利上げ観測が強まり、103.85円まで上伸した。この日はニューヨークダウが1万7,000ドルに接近する上げとなったことからリスクオンの動きが強まった。

 21日に発表された16日までの米週間新規失業保険申請件数は、29万8,000件で事前予想の30万3,000件を下回り、米労働市場の改善の鈍化に対する懸念が後退し、ドル高、株高となった。22日のニューヨーク外為市場の引け時のドル・円の14日間の相対力指数(RSI)は76.9で総強気状態だ。今年に入り、ドル・円でRSIが75を超えたのは初めてで買い過剰感はある。いったん修正安で1ドル=103円台前半〜半ばまでの修正安となった方が過熱感が緩和され、急落の不安は解消され、上昇相場は長続きするとみる。

 ニューヨークダウは21日に1万7,074.59ドルまで上伸し、7月25日以来の高値をつけた。22日は反落したが、1万7,000ドルの大台を維持しており、7月17日につけた史上最高値1万7,151.56ドルの更新が可能な値位置だ。ニューヨークダウが史上最高値を更新する動きとなれば、ドル・円は1ドル=104円台半ばから105円を目指す展開となることが予想される。

【ユーロ・ドルは下落、米国とユーロ圏の景況感の違いから】

 ユーロ・ドルは下落。1ユーロ=1.3218ドルまで軟化し、昨年9月以来、11カ月ぶりの安値をつけた。19日に7月の米住宅着工件数が好調だったことを受け、今月6日の安値1ユーロ=1.3330ドルを割り込み、チャートが悪化し、下値模索の動きとなった。米国とユーロ域内の景況感格差が改めて確認されことでユーロ売り、ドル高に拍車がかかり、21日以降も下値を試す動きが続いた。22日には1ユーロ=1.3218ドルまで下落し、22日の安値圏となる1.3243ドルで引けた。25日の東京時間の午前中に1ユーロ=1.3200ドル割れとなり、下値を試す展開を継続している。25日に8月の独ifo景況感指数の発表があり、弱気の数字が出るとユーロ売りがさらに進む可能性がある。大方の事前予想は107で7月の108より1ポイント悪化予想。

【1ドル=103.8円上抜き、投機家の円売り・ドル買い加速】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が22日に発表した今月19日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は8万7,271枚に増加した(8月12日現在、8万1,097枚売り越し)。20日に抵抗線となっっていた1ドル=103.08円を上抜いたことで投機家の円売り・ドル買いの動きが加速したとみられる。21、22日も断続的に売りを仕掛ける投機家が多かったとみられ、大口投機家の売り越し幅は9万5,000枚前後まで増加しているとみる。

 シカゴ・ユーロ市場では8月19日現在、大口投機家は13万8,825枚の売り越しに増加した。(12日現在、12万6,017枚)。18日まで安値圏でもちあいとなったが、19日に下放れとなり、大口投機家の売りを仕掛ける動きが加速したとみられる。ユーロの売り人気が再燃し、大口投機家の売り越し幅は15万枚近くまで膨らんでいるとみられる。14日間の相対力指数(RSI)は27.7まで低下し、売られ過ぎ感はあり、いったん自律反発があってもおかしくはない。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

25日
   独8月ifo景況感指数
   米7月新築住宅販売件数
26日
   NZ7月貿易収支
   米7月耐久財受注
   米6月住宅価格指数、米6月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米8月消費者信頼感指数
27日
   独7月小売売上高指数
28日
   独8月雇用統計
   独8月消費者物価指数
   カナダ第2四半期経常収支
   米第2四半期国内総生産(GDP)改定値
   米新規失業保険申請件数
29日
   日本7月雇用統計、日本7月有効求人倍率、日本7月勤労者世帯家計調査
   日本7月消費者物価指数
   日本7月小売業販売額、日本7月鉱工業生産指数
   スイス8月KOF先行指数
   ユーロ圏7月雇用統計、ユーロ圏8月消費者物価指数
   カナダ第2四半期国内総生産(GDP)
   カナダ7月鉱工業製品価格
   米7月個人所得・支出
   米8月シカゴ購買部協会景気指数
   米8月ミシガン大学消費者信頼感指数

2014年8月25日

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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