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外為マーケットコラム

強気の米経済指標の発表続けば1ドル=104円台半ば〜後半に上昇

 8日25日の週のドル・円相場は1ドル=104円を挟んで、もみあいとなった。25日に1ドル=104.27円までドル高・円安が進んだ後、高値修正となり、28日には1ドル=103.52円まで反落となったが、ドル買い意欲は強く、29日は反発し、1ドル=104円台を維持して先週の取引を終えた。日米間の景況感の差からドル買い、円売りの動きが優勢だ。25日移動平均線が1ドル=102.80円水準に通っており、1ドル=103円台前半ではドル買いの動きが強いとみる。1ドル=102円台後半までの下げがあればドル買いが喚起されるとみる。

 今週は1日の米国がレーバーデーで祝日となる。2日以降、重要な経済指標やイベントが多い。2日に8月のISM米製造業景況指数、4日に日銀金融政策決定会合・金融政策発表、8月のADP米雇用統計、8月のISM米非製造業景況指数、5日は米労働省から発表される8月雇用統計などが注目される。強気の米経済統計の発表が続けば、1ドル=104円台半ば〜後半までドル高・円安が進む可能性があるとみる。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=103円〜105円。

【8月最終週発表の米経済指標は予想を上回る強気の数字】

 8月26日は欧米の株高を背景にしたリスクオン(選好)の動きや、予想を上回る強い数字となった複数の米経済指標がドル・円を下支えすることとなった。7月の米耐久財受注は過去最高の伸びとなり、8月の米消費者信頼感指数が2007年10月以来の高水準となるなど米景気の先行き楽観ムードが強まり、一時、1ドル=104.17円まで切り上がったが、1ドル=104.27円が抵抗線になった。米商務省発表の7月の耐久財受注は前月比22.6%増加と事前予想8.0%増を大きく上回った。前月は2.7%増と速報値の0.7%増から上方修正された。また、輸送用機器を除くは前月比0.8%減。事前予想は0.5%増。前月は3.0%増と速報値の0.8%増から上方修正された。また米民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)から発表された8月の消費者信頼感指数は92.4となり、事前予想の89.0を上回った。

 28日は4−6月期・米国内総生産(GDP)改定値が予想に反して上方修正され、米週間新規失業保険申請件数が予想外に減少したことを受け、発表直後には1ドル=103.89円へ上昇したものの、積極的なドル買い・円売りの動きは続かず、1ドル=103.80円台で取引を終えた。

 29日は8月のシカゴ購買部協会景気指数が3カ月ぶりの高水準となり、8月の米ミシガン大消費者信頼感指数確報値が予想以上に上方修正され、6月の水準に顔合わせした。前日発表された4−6月期・米国内総生産(GDP)改定値が予想に反して上方修正されたこともあり、米国と日本の景況感格差が材料視された。また、日米当局の金融政策の方向性の違いも引き続き下支え要因となり、終盤には一時、1ドル=104.11円台まで強含んだ。104.27円が抵抗線になったが、104円台を維持して引けた。

【ユーロ・ドルは続落、米国とユーロ圏の景況感格差で1年ぶりの安値】

 ユーロ・ドルは続落。8月25日にチャート上に小さなギャップ(窓)を開けて下げ、26日以降も下落基調が続いた。28日は8月の独失業者数が前月比2,000人増の290万1,000人と事前予想(5,000人減)に反して悪化したことや、8月のユーロ圏景況感指数が予想以上に低下するなど、米国との景況感格差の広がりからユーロ売りが一段と進んだ。また、9月4日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加緩和観測の高まりもユーロ売りに拍車をかけ、1ユーロ=1.3157ドルまで軟化も、27日の安値1ユーロ=1.3151ドルが支持線となった。しかし翌29日に8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値が前年同月比0.3%上昇と前月の0.4%上昇から低下し、依然として域内のインフレの伸び鈍化が圧迫要因となった。イタリアのマイナス成長などユーロ域内と米国との経済成長の違いや、9月4日の欧州中央銀行(ECB)理事会で量的緩和に踏み切るのではとの観測なども引き続き重しとなり、終盤には一時、昨年9月6日以来、約1年ぶりの安値となる1ユーロ=1.3134ドルまで下落した。

【1ドル=104.30円台に円安進むと円売り加速か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が29日に発表した今月26日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は10万2,891枚に増加した(8月19日現在、8万7,271枚売り越し)。20日に抵抗線となっていた1ドル=103.08円を上抜いた後、円売り、ドル買いが加速した。25日のニューヨーク市場からドル高、円安は一服したが、円売り、ドル買いの流れは継続し、大口投機家の円の売り越し幅は10万枚台後半に拡大しているとみられる。1ドル=104.30円台〜104円台半ばまでドル高・円安が進むと、投機家の円売り姿勢が強まるとみられる。

 シカゴ・ユーロ市場では8月26日現在、大口投機家は15万0,657枚の売り越しに増加した。(8月19日現在、13万8,825枚)。ドル・円は高値修正局面を迎えたが、ユーロ・ドルは下値を模索したまま、29日の取引を終えており、ユーロの売り玉を維持したまま、9月を迎えたいと考える投機家が多いようだ。CMEのユーロ先物市場は27日以降、取組高が大幅に増加してユーロ安、ドル高が進んでおり、投機家のユーロの売り越しは16万枚近くまで増加か。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

1日
   豪8月AiG製造業指数
   中国製造業購買担当景気指数
   中国HSBC製造業購買担当景気指数
   独第2四半期国内総生産(GDP)確報値
2日
   豪第2四半期経常収支
   豪7月住宅建設許可件数
   オーストラリア準備銀行(RBA)政策金利
   スイス第2四半期国内総生産(GDP)
   ユーロ圏7月生産者物価指数
   米8月ISM製造業景況指数
   米7月建設支出
3日
   豪8月AiGサービス業指数
   豪第2四半期国内総生産(GDP)
   ユーロ圏7月小売売上高指数
   ユーロ圏第2四半期域内国内総生産(GDP)改定値
   カナダ銀行(BOC)政策金利
   米7月製造業受注指数
4日
   豪7月貿易収支、豪7月小売売上高
   日銀金融政策決定会合・金融政策発表
   独7月製造業受注指数
   英中銀(BOE)政策金利
   欧州中央銀行(ECB)政策金利
   米8月ADP雇用統計
   カナダ7月貿易収支
   米7月貿易収支
   米第2四半期非農業部門労働生産性指数
   米新規失業保険申請件数
   米8月ISM非製造業景況指数
5日
   日本7月景気動向指数
   独7月鉱工業生産指数
   カナダ8月雇用統計
   米8月雇用統計
   カナダ8月Ivey購買部協会指数

2014年9月1日

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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