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外為マーケットコラム

ドル・円は修正安の可能性も押し目買い意欲強く、大きな崩れなしか

 9月15日の週は16〜17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後も米利上げ観測からドル買い意欲が衰えず、ドル・円は19日に1ドル=109.46円まで買い進まれた。110円の節目が視野に入る展開だ。ニューヨーク株式市場でS&P500に続き、ニューヨークダウも史上最高値を更新する動きとなり、ドル資産への資金流入しやすい環境のため、なおドルの先高感は強い。移動平均線からの乖離率、相対力指数(RSI)からみても買い過剰感はあるが、上伸力は一向に衰えない。前週の本欄で「ドル高賛成ムード、中長期的には110円を目指す動き」としたが、予想以上に速いペースでドル高・円安が進んだ。チャートからは110円の節目、2008年8月の高値110.67円を目指す動きだ。急速なドル高・円安の進行で目先はドル高の小休止、または修正安の可能性はあるが、ドルの押し目買い意欲は強く、大きな崩れはないとみる。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=108円台前半〜109円台後半。

【ドル・円は続騰、米利上げが早まる可能性でドル買い続く】

 ドル・円は続騰。9月に入り、約3週間で5円以上の暴騰となった。短期間でこれほどの上げとなったのは最近としては珍しい。15日に発表された9月のニューヨーク連銀製造業景気指数が27.54となり、事前予想の15.90を大きく上回り、2009年10月以来の高水準となった。その反面、8月の米鉱工業生産指数が事前予想の前月比+0.3%に反し、同−0.1%となり、7カ月ぶりのマイナスに落ち込んだため、ドル売りの動きもあった。しかし1ドル=107円を割り込むことはなかった。16日に106.81円まで小安くなったが、終値は107円台を維持した。17日はFOMC開催後、米東部時間の午後2時から声名文が発表され、資産買い入れプログラム終了後も事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとの文言が維持されたが、参加者の政策金利予測で2015年末のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標水準が1.37%と6月時点の1.125%から引き上げられ、米長短期金利が上昇に転じたため、ドル買いに勢いがついた。ニューヨークダウが史上最高値を更新し、FOMC終了後の記者会見でイエレンFRB議長がFOMCは経済次第で利上げ行動を早める柔軟性があると述べたこともあり、一時、2008年9月9日以来となる108.39円までドル高・円安が進んだ。18、19日も日米当局の金融政策の方向性の違いからドル高・円安の加速の動きが止まらず、19日のアジア時間に109.46円まで上昇した。欧米時間では利食い売りの動きがあり、高値から離れたが、108.90円台で取引を終えた。

【ユーロ・ドルは修正高終え、FOMC後に再度安値更新】

 ユーロ・ドルはFOMC終了後にユーロ安・ドル高が進み、19日には1ユーロ=1.2828ドルまで下落し、昨年7月10日以来の安値をつけた。17日にFOMC終了後の記者会見でイエレンFRB議長がFOMCは米経済次第で利上げの行動を早める柔軟性があると述べたことから、再度下げ相場に転じ、安値更新の動きとなった。18、19日も欧米当局の金融政策の方向性とユーロ圏と米国の景況感の違いからユーロ売り、ドル買いが続いた。18日にスコットランドの独立の是非を問う住民投票があり、独立反対が55.25%となり、独立は否決された。スコットランドの独立否決を受け、19日はポンドが大幅に上昇したが、ユーロ買い・ドル売りとはならず、1.2830ドルでほぼ安値引けとなった。

 16日にドイツの欧州経済研究センター(ZEW)から発表された9月の独景況感指数は6.9となり、大方の事前予想の5.0を上回ったが、9カ月連続で低下した。17日に独銀行連盟が発表した今年の独GDP伸び率見通しを従来の1.8%から1.5%に下方修正した。また来年のGDP伸び率見通しも2.0%から1.6%に下方修正し、来年の独経済に対しては慎重な見方だ。テクニカル要因も弱気でチャートからはユーロ・ドルの次の安値のメドは2013年7月の安値1.2753ドルとなる。

【大口投機家の直近の円の売り越しは9万枚前後か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が19日に発表した今月16日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は8万3,182枚に減少した(9月9日現在、10万0,673枚売り越し)。FOMCの声名文発表前に利食い売りが先行したことで買い越し幅が減少した。17日以降、ドル高・円安が進んだ。17、18日の2日間は取組高の増加するなか、ドル高・円安が進行し、円の売り越し幅は9万枚前後まで増加しているとみられる。今月2日には売り越しは11万7,308枚まで膨らんだ経緯があり、売りの余地はあるが、利食い売りが出やすいとみる。

 シカゴ・ユーロ市場では今月16日現在、大口投機家の売り越し枚数は13万7,149枚に減少した。(9月9日現在、15万7,505枚)。ユーロ・ドルは16日まで戻り歩調だったため、投機家の買い戻しが進んだ。17日以降、ユーロ安・ドル安が進み、投機家の売りが増えたもよう。ただ17、18日の取組高が減少しており、利食いとなる買い戻しも多かったようだ。売り過剰感もあり、新規売りと買い戻しが交錯するなか、安値を更新した。投機家のユーロ売り玉が買い戻されれば、自律修正高となるが、戻り売り人気は継続し、安値更新の可能性はあるとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

22日 
   米8月中古住宅販売件数
23日 
   中国HSBC製造業購買担当景気指数
   カナダ7月小売売上高
   米7月住宅価格指数
24日 
   NZ8月貿易収支
   独9月ifo景況感指数
   米8月新築住宅販売件数
25日 
   米新規失業保険申請件数
   米8月耐久財受注
26日 
   日本8月消費者物価指数
   米第2四半期国内総生産(GDP)確報値
   米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値

2014年9月22日

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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