FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ドル・円は修正安一巡し、1ドル=110円を目指す流れに

外為マーケットコラム

ドル・円は修正安一巡し、1ドル=110円を目指す流れに

 9日22日の週のドル・円は週前半に高値修正局面を迎えたがドル買い意欲は強く、1ドル=108円台前半で下げ止った。24日から反発に転じ、26日には米第2四半期の国内総生産(GDP)確定値が上方修正されたことからドル買い意欲が強まった。1ドル=109.53円まで上げ、直近の高値109.46円をわずかに上抜き、2008年8月以来の高値を1週間ぶりに更新した。ユーロ・ドルは週前半こそユーロ高・ドル安となったが、ユーロ圏と米国の景況感の格差からドル買い意欲は強く、24日から安値を更新する動きとなり、26日には1ユーロ=1.2675ドルまで下落し、2012年11月以来の安値をつけた。ニューヨークダウが25日に大幅安となり、1万7,000ドルを割り込む下げとなったが、26日に急反発し、1万7,000ドル台を一日で回復した。米ドル資産に対して信頼感が強く、ドルの先高感が強いなか、週末を迎えることとなった。

 今週は月替わりとなるが、米労働市場に関する米経済指標の発表が多い。中国は10月1日から国慶節にため、10月5日まで祝日となる。米経済指標を見極めながらではあるが、米労働市場が予想以上に強い数字となれば、ドルを買い進む動きが強まり、ドル・円は1ドル=110円の節目を試す展開か。円サイドからは10月2日に発表される日銀短観「企業物価見通し」が注目要因だ。企業物価価格の上昇が鈍いと、日銀の追加金融緩和観測から円が売られやすくなる。ドル・円は修正安が一巡し、買い過剰感が緩和され、ドル高・円安が進みやすい。9月上旬は米労働市場の経済指標の発表前にドル高・円安が進んだ経緯もあり、週前半から半ばに110円を試す可能性もあろう。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=108円台半ば〜110円台前半。

【ドル・円は108.26円まで反落後に反転し、109円台を回復】

 ドル・円は高値修正局面も下値は堅く推移した。押し目買い意欲強く、26日に高値を更新する展開となった。

 19日に1ドル=109.40円台まで買い進まれた時点で、短期的な買い過剰感があった。22日に発表された8月の米中古住宅販売件数が前月比1.8%減の505万件と事前予想520万件を下回り、5カ月ぶりのマイナスとなったこと、ニューヨークダウが100ドルを超える下げとなったことを背景に108.63円まで反落した。23日は米国が湾岸諸国とともにシリア領内でイスラム教スンニ派過激組織の「イスラム国」拠点に対し空爆を実施したことから欧州時間に108.26円まで下落した。しかしニューヨーク市場の取引は押し目買いが優勢となり、108円台後半に反発した。23日は終値で108円台後半を維持し、再度109円台に上昇の期待を持たせるチャートとなった。

 24日はチャート好転の兆しがあったところに8月の新築住宅販売件数が事前予想の43万件を大幅に上回り、前月比18.0%増の50万4,000件、7月が42万7,000件と速報値の41万2,0000件から上方修正されことを強材料に109円台を回復した。8月の住宅販売件数は2008年5月以来の高水準であり、来年夏前にも米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切るのではとの思惑が広がり、日米当局の金融政策の方向性の違いからドル買い意欲は強く、109円台を維持して、この日の取引を終えた。しかし25日は8月の米耐久財受注高が前月に急増した反動から急減し、過去最大の下げ幅となったこと、米株式市場の急落で利食い売りが先行し、108.53円まで反落し、108.60円台で引けた。

 26日は塩崎厚生労働相が閣議後の会見で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の海外資産投資増加につながる改革を進めていく考えを示したことが円を圧迫する一方、朝方に発表された米第2四半期の国内総生産(GDP)確報値が前期比4.6%増加となり、改定値の4.2%増から上方修正され、2011年第4四半期以来の高い伸びとなったことからドル買いにつながり、109円台を回復した。中盤以降もドルは堅調に推移し、終盤に19日につけた高値109.46円を上抜き、109.53円まで上げた。

【ユーロ・ドルはユーロ域内の景気減速リスクの高まりで安値更新】

 ユーロ・ドルは24日から安値更新の動きとなり、下値を模索した。19日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がブリュッセルでの欧州議会で証言し、ユーロ圏の景気回復は勢いを失いつつあるとの認識を示し、ECBは必要なら追加の手段を活用する用意があるとの考えを繰り返したこともあり、いったん昨年7月以来となる1ユーロ=1.2816ドルまで下落した。しかし、終盤に持ち直し、1.2849ドルで小高く引けた。23日はユーロ圏の9月の製造業購買担当者指数(PMI)速報値が52.3となり、事前予想52.5を下回ったことが上値圧迫要因となった。

 24日は9月の独企業景況感指数が104.7と事前予想の105.8を下回り、5カ月連続で低下したことを受け、ユーロ域内の景気減速リスクの高まりが嫌気され、1.2774ドルまで下落した。ECBのドラギ総裁がこの日、「金融政策は長期にわたり緩和的な状態が続く」との見方を示し、「為替レートは金融政策の異なる軌道を反映」しているとユーロ安容認を示唆するような発言をしたこともユーロ売り要因となった。25日は欧米の景況感格差、チャート面の悪化などを背景に、一時、2012年11月以来となる1.2697ドルへと一段と値を沈めた。

 26日は米第2四半期GDP確報値が予想通り高い伸びとなり、欧米の景況感格差があらためて確認されたことや、米金利上昇が圧迫。また、10月2日にECB理事会を控えるなか、ドラギECB総裁から量的緩和に踏み込む可能性を示唆する発言が続いたことからユーロ売りの動きが途絶えず、1.2677ドルまで下落し2012年11月以来の安値をつけた。総弱気ムードでユーロの先安感は強く、年内に1.20ドル割れとなるのではとの予想もあった。           

【円、ユーロとも投機家の売り余地あり】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が26日に発表した今月23日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は10万5,422枚に増加した(9月16日現在、8万3,182枚売り越し)。24日からドル高・円安となり、円売りの動きが加速したとみられる。9月2日に11万7,308枚まで売り越しが膨らんだ経緯があり、まだ売り余地はあるとみる。109.60円台を試すと、投機家はさらに円売りの動きを強めそうだ。

 シカゴ・ユーロ市場では今月23日現在、大口投機家の売り越し枚数は14万1,965枚に減少した。(9月16現在、13万7,149枚)。ユーロの突っ込み警戒感はあるが、戻りはユーロ売り姿勢を継続か。ユーロ圏と米国の景況感の差がはっきりしており、ユーロ売り人気が強い。9月2日にはユーロの売り越しは16万1,423枚まで増加しており、まだ売り余地ありとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

29日 
   米8月個人所得・支出
30日 
   日本8月雇用統計
   日本8月有効求人倍率
   中国9月HSBC製造業購買担当景気指数
   スイス9月KOF先行指数
   独9月雇用統計
   英第2四半期国内総生産(GDP)確報値
   ユーロ圏8月雇用統計
   米9月シカゴ購買部協会景気指数
   米9月消費者信頼感指数
1日 
   豪9月AiG製造業指数
   豪8月小売売上高
   日銀短観(9月調査)
   中国9月製造業購買担当景気指数
   米9月ADP雇用統計
   米9月ISM製造業景況指数
2日 
   豪8月貿易収支
   ユーロ圏8月生産者物価指数
   欧州中央銀行(ECB)政策金利
   ドラギ総裁記者会見
   米新規失業保険申請件数
   米8月製造業受注指数
3日 
   豪9月AiGサービス業指数
   ユーロ圏8月小売売上高
   カナダ8月貿易収支
   米8月貿易収支
   米9月雇用統計

2014年9月29日

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。