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外為マーケットコラム

FOMCの開催あり、ドル高進みやすい

 10月20日の週のドル・円は1ドル=106円台前半で下値の堅さが確認された後、週後半には108円台半ばに上昇し、108円台前半で取引を終えた。23日に発表された18日までの週の米週間新規失業保険申請件数が28万3,000件となり、事前予想の28万件を上回ったが、4週間平均が2005年5月以来の低水準となったことを好感した。20日から反発に転じていたニューヨークダウが一段高となったことにも支援され、108円台に上昇した。108.50円が抵抗線になったが25日移動平均線が通る108円水準を維持しており、調整が一巡したことを感じさせるチャートとなった。21日に中国国家統計局から発表された同国の2014年第3四半期GDP伸び率は、前年比+7.3%、大方の事前予想の同+7.2%を上回った。ただ同国の景気先行不透明感は強く、金融市場でのリスク回避要因になる不安はある。

 今週は28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、30日には米国の第3四半期の国内総生産(GDP)速報値の発表がある。29日にFOMCから声明文の発表が予定されている。量的緩和第3弾(QE3)の終了は織り込み済みで、早期米金利引き上げに関しての言及があるかが焦点だ。27、28日にも早期米金利引き上げ観測からドルが買われる可能性はあるとみる。

 FOMC、米経済統計以外の注目要因は以下の通り。(1)31日開催の日銀金融政策決定会合、(2)24日にニューヨークでエボラ出血熱の陽性反応患者が出たが、米国内で複数の患者から陽性反応との報道もあり、今後拡大があるか、(3)欧州中央銀行(ECB)のストレステストで25行が不合格となったと26日に正式発表され、約250億ユーロの資本不足で欧州の金融機関の経営不安、などが挙げられる。

 今週のドル・円の予想レンジは1ドル=106円台後半〜109円台後半。

【NYダウは米企業業績に支えられ、テクニカル要因が強気に転換】

 ニューヨークダウがV字形の急反発となったことがドルにとっては追い風となった。ニューヨークダウは今月15日には1万5,855.12ドルまで下落し、今年2月以来、8カ月ぶりの安値をつけた。17日に9月の米住宅着工件数が前月比+6.3%の101万7,000件となり予想以上に回復したことや、モルガン・スタンレー、ゼネラル・エレクトリック(GE)の第3四半期の企業業績が好調だったことを好感し、250ドルを超える上昇となったことで底入れムードが急速に強まった。20日から反発力に拍車がかかり、24日には今月9日以来の高値となる、1万6,811.71ドルまで買い進まれた。史上最高値となった9月19日の高値1万7,350.64ドルから今月15日の安値1万5855.12ドルまでの下げ幅1,495.52ドルに対し半値戻りにあたる1万6,602.88ドルを200ドル以上上回って先週の取引を終えた。25日移動平均線が1万6,734.ドルに通っているが、その水準を終値で維持し、14日間の相対力指数(RSI)は53.2となり、強気に転換した。

 株高を支えたのが、米企業の第3四半期の決算報告だ。IBM、マクドナルドなど減益決算もあったが、ボーイング、ヤフー、ダウ・ケミカル、キャタピラー、ゼネラル・モーターズ(GM)などが増益となり、株高に寄与した。ナスダックは終値ベースで9月30日以来の高値となった。米金融資産に対する投資家心理は強気感を回復している。FOMCの声明文、米GDPの数字発表後にリスクオンの動きとなれば、1万7,000ドル台を目指す動きになろう。その場合、ドル・円は109円台前半から半ばのレンジを目指すとみる。

【ユーロ・ドルは反落、景況感の差からユーロ売られやすい環境に変わりなし】

 ユーロ・ドルは反落。15日に1ユーロ=1.2886ドルまで上昇し、9月23日以来の高値をつけたが、21日から軟調な展開となった。21日はECBによる追加緩和観測の広がりからユーロ売りが強まり、一時、16日以来の安値となる1.2712ドルまで下落した。21日に長めの陰線を引く下げとなり、22日はテクニカル要因からユーロ売り、ドル買いが加速し、1.2636ドルまで下落した。23日は1.2612ドルまで下落し、今月10日以来の安値をつけたが、10月のユーロ圏の購買担当者景況感指数(PMI)が総合の速報値が52.2となり、事前予想の51.5を上回ったことから下値を切り上げ、小高くなった。24日は小幅高もECBのストレステストで25行が不合格との暫定結果が出たことが上値圧迫要因。安値更新はならなかったが、景気低迷が続くユーロ域と景気回復が続く米国と景況の差からユーロは売られやすい環境に変わりないとみる。

【円の売り越しは大幅減も22日以降は再度売り優勢か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に発表した21日現在の建玉明細によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のシカゴ・円の大口投機家の売り越し幅は7万1,738枚に大幅減となった(10月14日現在、10万1,147枚売り越し)。1週間で3万枚近くの減少となった。15日以降、取組高の減少が続き、買い戻しが進んだ。105円台から106円台前半でのかなりの円の売り玉が買い戻されたようだ。22日以降、円安・ドル高となり、再度、円売りの動きが優勢となったとみられる。1ドル=108.50円の節目を抜けると、円売りが増加か。

 シカゴ・ユーロ市場では21日現在、大口投機家の売り越し枚数は15万9,371枚に増加した(10月14日現在、15万5,342枚)。22、23日のユーロ・ドルは軟調に推移し、売り越し幅は16万枚台前半まで増加しているとみられる。1ユーロ=1.26ドル割れとなると、さらに売りが膨らむとみられる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

26日 
   欧州が標準時間に移行
27日 
   英10月ネーションワイド住宅価格
   独10月ifo景況感指数
28日 
   日本9月小売業販売額
   米9月耐久財受注
   米8月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米10月消費者信頼感指数
29日 
   日本9月鉱工業生産指数速報
   カナダ9月鉱工業製品価格
   米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
30日 
   ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
   英10月ネーションワイド住宅価格
   スイス10月KOF先行指数
   独10月雇用統計
   米新規失業保険申請件数
   米第3四半期国内総生産(GDP)速報値
   独10月消費者物価指数
31日 
   日本9月雇用統計、日本9月有効求人倍率
   日本9月勤労者世帯家計調査、日本9月消費者物価指数
   豪第3四半期生産者物価指数
   日銀金融政策決定会合・金融政策発表
   ユーロ圏9月雇用統計
   ユーロ圏10月消費者物価指数
   米第3四半期雇用コスト指数
   米9月個人所得・支出
   米10月シカゴ購買部協会景気指数
   米10月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
1日 
   中国10月製造業購買担当景気指数

2014年10月27日

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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