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外為マーケットコラム

米経済統計強気なら1ドル=120円を目指す

 11月最終週のドル・円は1ドル=117円台前半まで軟化したが、28日に118円台後半まで反発した。11月20日につけた高値118.97円を上抜くことはできなかったが、118.60円台で引け、終値ベースでの最高値を更新した。ニューヨークダウが史上最高値圏である1万7,800ドル台で推移、原油相場の下落が消費者心理に好影響を与え、感謝祭(サンクスギビングデー)明け後に始まる米クリスマス商戦に期待が持てるとの見方からドルが買われた。円サイドからは10月の日本の全国コア消費者物価指数(CPI)が3カ月連続して鈍化したことが円売りを招いた。

 今週から月替わりとなるが、米国の労働市場に関する経済指標の発表が3日の11月のADP雇用統計の発表を皮切りに続く。強気の米経済統計の発表が続くと119円台で堅調に推移するとみられる。逆に弱気の数字が出ると、円の買い戻しとドルの利食い売りが出て、117円前後まで反落の可能性あり。テクニカル指標は依然として強気だ。チャートからは2007年8月の高値119.87円、120円の節目が次の高値目標となる。1日の東京時間の午前中に1ドル=119.03円まで続伸しており、1日の欧米時間の取引で119円台前半に上昇する可能性が高くなった。1日は11月の米ISM製造業景況指数の発表があり、この数字が大方の事前予想の58.0を上回るならば、米ADP雇用統計の発表前だが、119円台での取引となるとみる。

 ユーロ絡みでは4日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され、量的金融緩和に踏み切る可能性があり、ユーロ安・ドル高から円安・ドル高となる可能性もある。

 予想レンジは1ドル=117円前後〜120.50円前後。

【株高・原油安で米個人消費の伸び期待でドル買われる】

 ドル・円は押し目を形成したが、11月27日の安値1ドル=117.20円が押し目底となり切り返した。27日が米感謝祭で28日も含め、市場を離れる投資家、ディーラーが多かったが、ドル買い意欲は強かった。25日に米商務省から発表された第3四半期・GDP伸び率改定値は前期比3.9%増加と速報値の3.5%増から上方修正された。通常、毎週木曜日に発表される週間新規失業保険申請件数は27日が感謝祭で祝日のため、一日前倒しして26日に発表され、31万3,000件となり、9月5日までの週以来の高水準となった。前週は29万2,000件と速報値の29万1,000件から上方修正された。事前予想の28万8,000件を上回った。また米商務省発表の10月の新築住宅販売件数は前月比0.7%増の45万8,000件で事前予想の47万1,000件を下回った。前月は45万5,000件で速報値の46万7,000件から下方修正された。複数の米経済指標が弱気の数字が出たことでドル売りが進み、対円では117.20円まで売られる格好となった。しかし27日には11月と12月の米小売業界の売上高が3年ぶりの大幅な伸びが見込まれるなか、原油安も一因となり消費に対し強気の見方が増え、118.77円まで上げた。月足は5カ月連続の陽線引け、週足は6週連続の陽線引けとなり、中長期上昇トレンドを維持している。

【ユーロ・ドルはしっかり、ECB理事会での金融政策がカギ】

 ユーロ・ドルは11月26日まで堅調に推移した後、27、28日と軟調に推移したが、1ユーロ=1.24ドル台を維持し、しっかり。

 24日のアジア時間に1ユーロ=1.2359ドルまで下落したが、11月7日の安値1.2356ドルが支持線となり、ダブルボトムを形成した。欧州時間にIfo経済研究所発表の11月の独企業景況感指数が104.7と前月(103.2)から上昇し、予想(103.0)に反して7カ月ぶりの改善となったことが好感され反発に転じた。26日は複数の米経済統計が弱気になったことで11月21日以来の高値となる1.2531ドルまで切り上がった。米国とユーロ圏の景況感の違いから、まだドル買いに分があると思われる。4日のECB理事会での金融政策、米雇用統計の数字がカギを握ろう。

【1ドル=119円台前半への円安・ドル高なら投機家の円売り拡大か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週金曜日に発表する建玉明細は11月27日が米感謝祭で祝日だったため、1日に発表される。先週の本欄で買い戻しのチャートポイントは1ドル=117円の節目としていたが、その手前でドル・円は下げ止まった。117円半ば水準中心に円の買い戻しはあったとみられるが、11月28日に118円台後半への円安・ドル高となり、11月28日現在、大口投機家の円売り越しは9万5,000枚程度まで拡大か。119円台前半まで円安・ドル高となると、さらに円売り増しの動きが強まるとみられる。買い戻しのチャートポイントは引き続き117円とみている。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

1日 
   ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2014年11月確報(Markit)
   米製造業景況指数 2014年11月(ISM)
   米建玉明細報告(CFTC)
2日  
   ユーロ圏生産者物価指数 2014年10月(EUROSTAT)
   米新車販売台数 2014年11月(Autodata)
3日 
   中国非製造業購買担当者景況指数 2014年11月(中国物流購買連合会)
   中国サービス業購買担当者景況指数 2014年11月(HSBC)
   ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2014年11月確報(Markit)
   ユーロ圏国内総生産 2014年7-9月期2次推定値(EUROSTAT)
   ユーロ圏小売売上高 2014年10月(EUROSTAT)
   全米雇用報告 2014年11月(ADP)
   米非製造業景況指数 2014年11月(ISM)
   米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
4日 
   金融政策理事会(ECB)
5日 
   米貿易・サービス収支 2014年10月(商務省)
   米雇用統計 2014年11月(労働省)
   米製造業出荷・在庫・受注 2014年10月(商務省)
   米建玉明細報告(CFTC)

2014年12月1日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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