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外為マーケットコラム

直近の高値1ドル=121.84円更新を意識

 12月第4週のドル・円は、22日の海外市場から1ドル=120円を試す動きとなり、堅調に推移した。23日には米経済指標が強気となったことでドル買いに対する安心感はさらに強まり、120.82円まで上昇し、今月9日以来の高値をつけた。24日以降はクリスマス休暇に入る投資家が多く、狭いレンジの取引ながらも120円割れは一度もなく、堅調に推移した。ニューヨークダウが史上最高値を更新し、ドル資産に対する信頼度が高く、ドルはユーロに対しても上昇し、ドル高ムードが支配的となった。日米間の金融政策に対する方向性の違いから、ドル買い、円売りの大局的な流れは変わりがなく、ドル高、円安が進みやすい環境だ。

 今週は年末年始の取引となる。日本は経済指標の発表がないが、欧米市場は1月1日を除き、経済指標の発表がある。ドル・円は日本勢の市場参加者が少ないなか、値動きが荒くなる可能性がある。121円の節目が目先の抵抗線だが、121円超えとなれば、12月8日の高値121.84円更新を意識する展開もあろう。

 今週の予想レンジは1ドル=119〜122円台後半。

【ドル・円は中長期的に124.15円目指すチャート】

 ドル・円は今月上旬に高値修正局面があったが、17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)開催後の米連邦準備制度(FRB)イエレン議長の記者会見で2015年に早期米利上げ観測が強まったことをきっかけにドル高修正安の流れが終わり、再度ドル高へと傾き始めた。

 ドル・円は今月8日の高値1ドル=121.84円を更新するには至っていないが、月足は7月から6カ月連続の陽線で今年の取引を終える可能性が高くなった。チャートからは中長期的に2007年6月の高値124.15円を目指す過程にあると判断できる。

 12月第4週は23日に複数の米経済統計の発表があった。為替市場で最も材料視されたのが、第3四半期・米国内総生産(GDP)確報値で、前期比+5.0%となり、改定値の3.9%増から上方修正され、2003年第3四半期以来の高い伸びとなった。また第3四半期の米個人消費(確報値)も前期比+3.2%となり、2013年第4四半期以来の高水準となった。

 24日に米労働省から発表された12月20日までの週間新規失業保険申請件数は28万件で事前予想の29万件、4週間平均の失業保険申請件数29万250件をそれぞれ下回り、米労働市場の改善が示された。

 一方、日本サイドからの材料としては、26日に発表された11月の全国コア消費者物価指数が前年比+2.7%となり、4カ月連続で伸びが鈍化し、日本銀行による緩和政策が長引くとの見方が強まったことが挙げられる。

【NYダウは1万8,000ドル台乗せ後も堅調】

 ニューヨークダウは23日に史上最高値更新した後も堅調に推移し、1万8,000ドル台を維持して26日の取引を終えた。

 23日に米景気が順調に回復していることを示す経済指標が多かったことから1万8,000ドル台に乗せ、12月5日以来の史上最高値更新となった。24、26日は1万8,000ドル台を一度も割り込むことなく、高止まり商状となった。高値警戒感はあるが、25日移動平均線が通る1万7,742ドルからの乖離率は約1.8%で、さほど買い過熱感はない。利食い売りが出て、修正安となっても1万7,900ドル台では押し目買い意欲が強いとみる。

【ユーロ・ドルは続落、ギリシャの政治への懸念も加わり下値模索】

 ユーロ・ドルは続落。引き続き、欧州中央銀行(ECB)が来年1月に追加緩和に踏み切るとの観測の広がりに圧迫されることとなり、下値を模索した。1ユーロ=1.2160ドル台に下落し、2012年8月以来の安値を更新した。

 29日に3回目のギリシャ大統領選出の投票が行われるが、市場ではここでも決まらず、来年1月末か2月初めに総選挙が行われるとの見方が広がるなか、同国の政治への懸念の強まりがユーロ売りにつながった。

 ユーロ・ドルはユーロ域と米国の景況感の差、ECB、FRBの金融政策の違いから、17日以降はユーロ売り、ドル買いの流れに戻った。

 1ユーロ=1.2150ドルが目先の支持線だが、2012年7月24日の安値1.2040ドルを目指す展開の過程だ。

【投機家は1ドル=121円台で円売り姿勢強めるか】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は通常、毎週金曜日の午後に商品、金融先物市場の建玉明細を発表するが、先週は25日がクリスマスのため、延期となり、29日の発表となる。

 シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は16日現在、8万6,927枚となり、9日現在の10万4,136枚から1万7,209枚の減少。17日以降、大口投機家は売り姿勢を強めているとみられるが、取組高は24日現在、22万4,993枚となり、16日現在の22万7,685枚から減少した。クリスマス前に買い戻して利益を確保する投機家もいたもよう。26日現在、大口投機家の売り越しは9万枚前後にとどまっているとみられるが、29日以降、1ドル=121円台を試すと、円売り姿勢を強めるとみられる。

 シカゴユーロ(CME)は24日現在、取組高が37万6,219枚で、16日現在の36万8,171枚から増加しており、大口投機家はユーロの売り越し幅を拡大したもよう。11月終盤から12月半ばまで売り越し幅が縮小したが、17日のFOMC後にユーロ売りが再燃し、売り越し幅は拡大しているとみられる。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

30日 
   英12月ネーションワイド住宅価格
   米10月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米12月消費者信頼感指数
31日 
   中国HSBC製造業購買担当景気指数
   米MBA住宅ローン申請件数
   米新規失業保険申請件数
   米12月シカゴ購買部協会景気指数
1日 
   中国製造業購買担当景気指数
2日 
   米11月建設支出
   米12月ISM製造業景況指数

2014年12月29日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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