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外為マーケットコラム

米労働市場に関する統計強気なら121円突破から122円に向かう可能性あり

 年末年始のドル・円は、12月30日に1ドル=118.80円台まで下落したが、119円水準から119円台前半ではドル買い意欲が強く、119.60円台で2014年の取引を終了した。年明け2日に120円台を回復した。日米の金融政策の違いからドル買い、円売りの動きは継続され、ドルは対ユーロで直近の高値を更新し、ドル高ムードは崩れていない。

 年末年始を挟み、119円台で推移し、短期的な調整となったが、月足は昨年12月まで6カ月連続の陽線引けでテクニカルからも中長期上昇基調を形成している。

 年末年始にリスク回避の動きからニューヨークダウが利食い売りで高値調整局面を迎えた。世界経済の減速懸念から株安が進み、リスク回避の動きが強まると、ドル・円は再度119円台、さらに118円台に下げる潜在的なリスクはあるとみる。

 今週は米労働市場に関する経済統計の発表が多く、値動きが荒くなる可能性があり、注意が必要だ。ユーロ・ドルが2日に1ユーロ=1.20ドルを試しており、ユーロ・ドルがさらに下げるかもカギを握る。

 前回の本欄では1ドル=121円超えとなれば、12月8日の高値121.84円更新を意識する展開もあるとの見解を示したが、2日の高値120.74円で戻りは精一杯だった。米労働市場に関する統計が強気でニューヨークダウが1万8,000ドル台から一段高となれば、121円突破の可能性ありとみる。勢いがつけば、昨年12月8日の高値121.84円超えから122円を試す展開もありえるのではないか。

 今週の予想レンジは1ドル=118〜122円台前半。昨年後半はボラティリティ(変動率)が高く、値動きが荒い展開だったが、年初もその傾向を継続するとみて、予想レンジは広めにとった。

【ドル・円は年末118円台後半に下落も年明けに120円台回復】

 ドル・円は12月30日の東京時間の午後5時前から1ドル=120円割れとなり、その日の海外市場では118.80円台まで下落した。大納会の日経平均株価の下落に続き、ギリシャ情勢の不透明感拡大などを背景に欧米市場の株式相場の下落で一段とリスク回避の動きが強まったため、ドルの利食い売り、円の買い戻しが進んだ。米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー発表の2014年10月の米総合20都市住宅価格指数が事前予想の前年同月比4.4%上昇を上回り、同4.5%となったが、伸び率は2年ぶりの低水準となったことを嫌気し、米株式市場が続落し、ニューヨークダウが1万8,000ドル割れとなったこともリスク回避から円買い・ドル売りの動きに拍車をかけた。

 12月31日に発表された米経済指標も弱気の数字が多かった。米労働省発表の12月27日までの週間新規失業保険申請件数は29万8,000件となり、事前予想の29万件を上回った。4週間平均の失業保険申請件数は29万750件と前週の29万500件から増加した。またシカゴ地区購買部協会発表の12月の同地区景気指数は58.3で11月の60.8、事前予想の60.0を下回った。ただ弱気の米経済統計にもドル・円はしっかりとした展開となり、一時119.90円台まで上げた。

 年明けは1日がニューイヤーズディで欧米市場もおおむね祝日となり、2日から今年の実商いが始まり、欧州時間から120円台を回復した。米供給管理協会(ISM)から発表された昨年12月の製造業景況指数が55.5となり、前月の58.7、事前予想の57.5を下回り、米商務省発表の昨年11月の建設支出は前月比0.3%減少となり、事前予想は0.4%増を大幅に下回った。この2つの統計が予想外の弱気の数字となり、ニューヨーク市場の序盤で119.80円まで反落した。しかし日米の金融政策の違いからドル買い・円売りの流れは変わらず120.50円水準で引けた。

【年末年始発表の米経済統計は弱気の数字目立つ】

 米金利が今年の夏にも引き上げられるとの観測がドル買いにつながったが、年末年始に発表された米経済統計が弱気の数字が目立ったことが気掛かりだ。2014年のクリスマス商戦の結果が気になるが、8日に全米チェーンストアの昨年12月の小売売上高の発表がある。7日には先月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表される。7日には12月の米ADP雇用統計、9日には米労働省から同月の米雇用統計の発表がある。注目度の高いイベント、統計発表が多く、投機的な取引が活発化し、値動きが荒くなる可能性がある。なお米労働省発表の昨年12月の雇用統計の大方の事前予想は、失業率5.7%(前月5.8%)、非農業部門雇用者数が前月比24万人増(前月32万1000人増)。

【ユーロ・ドルは続落、量的緩和観測やギリシャ情勢の不透明感で】

 ユーロ・ドルは大幅続落。年末12月29日にギリシャ議会でサマラス首相が大統領選出に必要な票を獲得できず、年明けに総選挙が実施される運びとなるなか、同国の政治・経済への不透明感が一段と強まることとなり、1ユーロ=1.2143ドルまで下落し、2012年7月以来の安値を更新した。12月30、31日とも安値更新の動きを継続した。

 年明け2日は欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が独紙ハンデルスブラットとのインタビューで、域内のデフレリスクの可能性を排除できないとの見方を示し、今月22日のECB理事会での量的緩和観測が強まり、1.20ドルを試した。12月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)改定値が下方修正されたことや、ギリシャ情勢の不透明感の強まりなども引き続きユーロ売りに繋がり、2010年6月以来の安値をつけた。独誌シュピーゲルはドイツのメルケル政権がギリシャのユーロ圏離脱を容認する用意があると伝えるなど、ギリシャ絡みの弱材料は多く、まだ下値の余地ありとみる。次の下値目標は2010年6月の安値1.1844ドル。

【投機家は年明け後、円・ユーロとも売り越し幅を拡大】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表する商品、金融先物市場の建玉明細の発表は年末年始、変則日程となり、昨年12日30日に同月23日現在の数字が発表され、今月5日に昨年12月30日現在の数字が発表される予定。

 昨年12月23日現在、シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、9万3,742枚となり、16日現在の8万6,927枚から6,815枚の増加。24日以降はクリスマス休暇を挟み、大きな増減はなかったが、30日は買い戻し先行で30日現在、売り越し8万枚台後半から9万枚前後まで減少か。ただ年明け後は再度、売り越し幅を拡大させているとみられる。

 シカゴユーロ(CME)は12月23日現在、大口投機家の売り越しは14万6,604枚となり、同月16日現在の12万6,655枚から約2万枚の急増となった。24日以降も売り越し幅の拡大が続いているもよう。利益確保の買い戻しによる自律修正高は考えられるが、大局的なユーロ売り、ドル買い姿勢は継続されるとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

5日 
   独12月消費者信頼感指数(連邦統計庁)
   米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細
6日 
   仏12月消費者信頼感指数(INSEE)
   米週間小売売上高(ICSC)
   米12月非製造業景況指数(ISM)
7日 
   ユーロ圏12月消費者物価指数(EUROSTAT)
   ユーロ圏11月雇用統計(EUROSTAT)
   独12月雇用統計(独連邦雇用庁)
   米12月ADP雇用統計
   FOMC議事録公表(2014年12月16-17日開催分)
   米11年貿易・サービス収支(商務省)
8日 
   ECB金融政策理事会・金融政策公表
   ユーロ圏11月小売売上高(EUROSTAT)
   ユーロ圏11月生産者物価指数(EUROSTAT)
   ユーロ圏12月経済信頼感・企業景況感(欧州委員会)
   独11月製造業受注(経済技術省)
   米週間新規失業保険申請件数
   米12月チェーンストア売上高(ICSC)
9日 
   日本11月景気動向指数速報(内閣府)
   独11月貿易統計(連邦統計庁)
   米12月雇用統計(労働省)
   米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細

2015年1月5日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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