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外為マーケットコラム

週後半の米経済指標が強気なら1ドル=120円を目指す展開

 2月2日の週のドル・円は、1ドル=116円台後半〜118円台後半のレンジでもみあった後、6日に米労働省から発表された1月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が予想以上の増加となったことや、平均時給の大幅な伸びなどを好感し、ドル買い意欲が強まり、1月8日以来となる1ドル=119.22円に上昇した。これまで抵抗線となっていた25日移動平均線(6日の終値時点で118.07円)を突破し、テクニカル要因は強気に傾いた。6日のニューヨークダウは1万7,951.09ドルまで上昇し、1月2日以来の高値をつけた。6日は利食い売りもあり、反落して引けたが、3日に25日移動平均線を越えており、調整局面から抜け出した。年明けから弱気の米経済統計の発表が増えていたが、1月の米雇用統計の改善で早期利上げ観測が強まり、ドル高が進みやすい環境になった。

 今週は12日に1月の米小売売上高、13日に2月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)の発表があり、週後半に次の方向性を示す可能性がある。13日には昨年第4四半期のユーロ圏の国内総生産(GDP)速報値に発表がある。ユーロ圏の経済のファンダメンタルズも注目されそうだ。ニューヨークダウが1万8,000ドルを回復できるかがポイントとみる。ニューヨークダウが1万8,000ドル台を回復すると、ドル買い意欲が強まり、ドル・円は1ドル=120円を目指す展開か。勢いがつけば120円突破もありえるとみる。

 18日から24日まで中国が春節を迎える。同国の景気に対しての不安、春節期間中の同国の消費を見極めたいムードからリスク回避の動きが強まれば、再度117円台に反落の可能性もあろう。

 今週の予想レンジは1ドル=117円台半ば〜120.50円前後。

【ドル・円は堅調、米労働省発表の雇用統計が強気で】

 ドル・円は堅調。1月19日の週から1ドル=116円台後半〜118円後半でもみあい相場となっていたが、116円台後半〜117円台前半の水準での取引は長続きせず、ドルの下値は堅かった。2日は1 月のISM製造業景況指数が53.5となり、事前予想の54.5を下回ったことが上値圧迫要因となり、117.80円台で頭打ちとなった。

 4日は1月の米ADP雇用統計で就業者数が前月比21万3,000人増となり、事前予想の22万3,000人増加を下回ったことから117.20円台で小安く引けた。

 5日に米労働省から発表された1月31日までの週間新規失業保険申請件数は27万8,000件となり、事前予想の29万件を下回った。また、4週間平均の失業保険申請件数は29万2,750件と前週の29万9,250件から減少し、約1カ月ぶりの低水準となった。

 6日に米労働省から発表された1月の米雇用統計は失業率が5.7%となり、事前予想の5.6%を上回ったが、非農業部門雇用者数が前月比25万7,000人増となり、事前予想の23万人増を大幅に上回った。平均時給は前月比0.5%上昇と2008年11月以来、前年同月比2.2%上昇と昨年8月以来の大幅な伸びとなった。

 1月の米労働市場の改善が示されたが、同月の個人消費の伸びにつながっているかを12日発表の米小売売上高で確認したい。大方の事前予想は総合が前月比0.5%減少で昨年12月の同0.9%減少より改善見込み。

【ユーロ・ドルは反発、25日移動平均線を下回り下落基調を継続】

 ユーロ・ドルは反発。1月終盤の修正高の流れを引き継ぎ、堅調。ギリシャ債務問題への懸念がやや薄れたことや、テクニカル要因から3日に1ユーロ=1.1533ドルまで上昇し、1月22日以来の高値をつけた。しかし4日は欧州中央銀行(ECB)が担保としてのギリシャ国債に関する特例措置を解除したとの報道からユーロ売りが強まり、1.1314ドルまで下落した。

 5日はECBがギリシャの銀行への緊急支援を認める方針との報が伝わったことから買い戻されたが、1.1500ドルが抵抗線となった。6日は1月の米雇用統計で雇用情勢の改善が示され、ドル買いが強まったことで1.1310ドルまで下落した。まだ25日移動平均線を下回ったままの状態で下落基調を継続とみている。ギリシャのデフォルトの不安が今後も売り材料視されそうだ。

【大口投機家は6日から再度、円売り姿勢か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月6日に発表した3日現在の建玉明細によると、シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、5万9,571枚となり、1月27日現在の6万4,658枚から5,087枚の減少となった。3週連続で減少。しかし6日に1ドル=119円台まで円安・ドル高が進んだことで円売りが進んだもよう。118円台でドルの下値の堅さを確認した後、ドルの堅調な値動きが続くならば再度、円売り姿勢を強める展開か。

 シカゴユーロ(CME)は今月3日現在、大口投機家の売り越しは19万6,309枚となり、1月27日現在の18万4,745枚から1万1,564枚の増加となった。4、5日で幾分、買い戻しが先行した可能性はあるが、6日は再度、ユーロ売りを仕掛ける動きが先行したとみられ、ユーロ売り人気は強い。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

9日 
   独12月貿易収支、独12月経常収支
10日 
   豪第4四半期住宅価格指数
   中国1月消費者物価指数、中国1月生産者物価指数
   スイス1月雇用統計
   スイス1月消費者物価指数
   英12月鉱工業生産指数、英12月製造業生産指数
11日 
   豪12月住宅ローン許可件数
   米1月財政収支
12日 
   日本12月機械受注高
   豪1月雇用統計
   独1月消費者物価指数改定値
   ユーロ圏12月鉱工業生産指数
   米1月小売売上高
   米新規失業保険申請件数
13日 
   独第4四半期国内総生産(GDP)速報値
   スイス1月生産者・輸入価格
   ユーロ圏12月貿易収支
   ユーロ圏第4四半期国内総生産(GDP)速報値
   米1月輸入価格指数
   カナダ12月製造業出荷
   米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値

2015年2月9日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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