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外為マーケットコラム

FOMC議事録公表後に米金利引き上げ観測なら120円台に再上昇

 2月第2週のドル・円は、11日に1ドル=120.50円水準に上昇したが、12日に発表された1月の米小売売上高が弱気の数字となったことで118円台に反落し、反発力弱く、118円台後半で引けた。ニューヨークダウが13日に上昇し、終値で1万8,000ドル台に乗せたが、ドル・円は上昇できず。25日移動平均線が通る118.10円を維持し、下値は堅いチャートだったが、米小売売上高が改善を示さなかったことが足かせとなった。

 今週は18日に日銀金融政策決定会合・金融政策発表、黒田日銀総裁記者会見、同日に1月27、28日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の発表がある。米連邦準備理事会(FRB)の利上げの時期が再度、材料視されそうだ。夏頃に利上げ観測との思惑が強まれば、ドル買いの動きが強まり、ドル・円は120円に再上昇か。

 今週の予想レンジは1ドル=117円台後半ば〜120.50円前後。

【ドル・円は1ドル=120円台で定着できず】

 ドル・円は11日に1ドル=120.48円まで上昇し、1月5日以来の高値をつけた。10日に1月の中国の消費者物価指数が発表され、前年比0.8%上昇となり、5年超ぶりの緩やかな上昇ペースに鈍化したことで中国の追加金融緩和期待からリスク容認ムードが強まり、119.60円台に上昇し、120円を試す機運が高まっていたが、11日はその流れを引き継ぐ格好となった。6日に発表された1月の米雇用統計で米労働市場の改善が示され、米金利引き上げ観測が強いことも引き続き、ドル買いにつながった。年初来高値である120.74円を上抜くと、121円の節目、昨年12月8日の高値121.84円を目指すチャートになり、12日発表の1月の米小売売上高に注目が集まった。

 1月の米小売売上高(総合)は前月比0.8%減少(前月は0.9%減)で事前予想の0.4%減を下回り、2カ月連続で低迷した。またこの日、発表された2月7日までの週間新規失業保険申請件数は30万4,000件となり、事前予想の28万7,000件を上回ったこともドルの圧迫要因となった。

 13日は米ミシガン大学から2月の消費者信頼感指数速報値が発表され、93.6となった。事前予想の98.1を大幅に下回り、予想より弱い数字となり、119円台前半で上値は重く、118.70円台で引けた。この日のニューヨークダウは続伸し、1万8,000ドル台に乗せ、昨年12月31日以来の高値をつけ、S&Pが史上最高値を更新した。ただ原油高やユーロ圏やドイツの昨年第4四半期の国内総生産(GDP)の改善を好感した株高のため、ドルは対円では上昇せず。

 弱い米経済指標が続き、1ドル=120円台が定着するには至らなかったが、米株価の堅調な値動きからドルは深押しはなく、再度120円台に乗せる新規材料待ちの状態か。

【ユーロ・ドルは上昇、強気の独経済指標から】

 ユーロ・ドルは上昇。11日まで横ばいで推移したが、12日に米経済指標の悪化や、ウクライナとロシアが停戦合意に至ったこと、欧州中央銀行(ECB)がギリシャ向け緊急流動性支援(ELA)の上限を650億ユーロと1週前に設定した600億ユーロから引き上げるとの報道を受け、1ユーロ=1.14ドル台前半に上昇した。13日は昨年10−12月期・独国内総生産(GDP)速報値が前期比0.7%増となり、事前予想の0.3%増を上回ったことで、一時、1.1443ドルと今月5日以来の水準へ切り上がった。しかしその後、地合いを緩め、1.14ドル割れとなり、1.130ドル台後半で引けた。1.15ドル超えとなると、基調の転換の可能性はあるが、現時点ではまだ弱気。

 先週は米国の経済指標が弱気でドイツの経済指標が強気となり、ユーロ買い優勢となった。今週は17日に発表される2月の独ZEW景況感指数に注目したい。ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの4カ国の首脳は12日にウクライナでの停戦合意し、15日に発効された。ただし停戦合意後も戦闘が続いており、予断を許さない状況だ。ギリシャ支援に関して16日に再び会合を開く予定となっている。ギリシャ債務問題にも注意を要する。

【大口投機家は円売り越し幅を減少、FOMC議事録公表後の動きに注目】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月13日に発表した10日現在の建玉明細によると、シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、5万5,124枚となり、今月3日現在の5万9,571枚から4,447枚減少した。11日に1ドル=120円までドル高・円安が進み、一度は円売りの動きが強まったが、118円台に戻り、再度、買い戻しの動きが先行か。FOMCの議事録公表後の動きが注目される。

 シカゴユーロ(CME)は今月10日現在、大口投機家の売り越しは19万4,641枚となり、3日現在の19万6,309枚から1,668枚減少となった。11日以降、買い戻しが進み、19万枚台前半まで減少しているとみる。しかし、まだ大幅な売り越し状態だ。1ユーロ=1.15ドル超えとなると、さらに買い戻しが進むとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

17日 
   豪中銀(RBA)理事会議事録
   英1月消費者物価指数、英1月小売物価指数、英1月生産者物価指数
   独2月ZEW景況感指数
   米2月NY連銀製造業景気指数
   米12月対米証券投資
18日 
   豪1月ウェストパック先行指数
   日銀金融政策決定会合・金融政策発表
   黒田日銀総裁記者会見
   英1月雇用統計
   英金融政策委員会(MPC)議事録
   カナダ12月卸売売上高
   米1月住宅着工・建設許可件数、米1月生産者物価指数
   米1月鉱工業生産・設備稼働率
   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
19日 
   NZ第4四半期生産者物価指数
   日本1月貿易収支
   日本12月景気動向指数
   スイス1月貿易収支
   ユーロ圏12月経常収支
   米新規失業保険申請件数
   米2月フィラデルフィア連銀景況指数
   米1月景気先行指数
20日 
   独1月生産者物価指数
   英1月小売売上高指数
   カナダ12月小売売上高

2015年2月16日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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