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外為マーケットコラム

FRB議長の議会証言で早期の米利上げ観測再燃があるかに注目

 2月第3週のドル・円は、17、18日に1ドル=119円台半ばに上昇し、堅調に推移した。しかし18日に公表された1月27、28日に開催された米連邦公開市場取引委員会(FOMC)の議事録で多くの参加者が早期の利上げによる景気への影響に対する懸念を示したほか、参加者の1名が更なる緩和策を主張したため、早期の米利上げ観測が後退し、ドルは対ドルで118円台半ばに下落した。その一方で日米の株価上昇やギリシャ救済合意成立に支援され、リスク回避の動きが後退し、119円水準で20日の取引を終えた。

 120円台を試すことはできなかったが、20日にニューヨークダウが史上最高値を更新し、ドル資産に対する投資意欲は強く、120円台に上昇する期待は残した。テクニカル要因も週足は陽線引け、25日移動平均線を支持線に下値堅く推移し、強気ムードはまだ崩れていない。

 今週は24、25日に米連邦公開準備理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言がある。18日にFOMC議事録が公表された後、早期の米利上げ観測が後退したが、FRB議長の議会証言で早期利上げ観測がさらに後退するか、または再燃するかが注目される。25日以降、米経済統計の発表が相次いで発表され、それらの数字にも影響されそうだ。

 欧州連合(EU)は20日にユーロ圏財務相会合を開き、今月末で期限切れとなるギリシャ金融支援を4カ月延長することで合意したが、6月末に期限切れ後の債務の不履行、ユーロ離脱の不安がある。ギリシャ金融不安は根本的に解決しておらず、ドル資産に資金が流れる動きは続くとみる。

 中国は24日まで春節で大型連休だ。春節明けの25日にHSBCから2月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報が発表される。その数字が弱気で欧米、日本の株式市場が下落すると、リスク回避の動きが強まり、ドル安、円高となる可能性があり、注意したい。

 今週の予想レンジは1ドル=117円台前半〜120.50円前後。119.50〜120円のレンジのドル売りを吸収できるかがポイントだ。

【ドル・円は横ばい、NYダウ史上最高値更新が支援材料だが119.40円台を突破できず】

 ドル・円はほぼ横ばい。1ドル=118円台後半を中心としたもみあいとなった。21日に118.27円まで下落したが、17日の安値118.21円を試す前に119円水準まで反発して引けた。

 ドル・円は17日から18日の米東部時間の午前中に119.40円台に上昇しており、FOMC議事録で早期の米利上げ観測が強まれば、120円を試す流れになっていてもおかしくはなかったが、実際には逆の展開だった。

 19日に発表された14日までの米週間新規失業保険申請件数は28万3,000件となり、事前予想の29万件を下回り、4週間平均の失業保険申請件数は28万3,250件と前週の28万9,750件から減少し、昨年10月31日までの週以来の低水準となった。米労働市場の好調が裏付けられたことがドルの支援材料となったが、119.10円台で伸び悩み、直近の高値119.40円台を突破することはできず。

 20日はギリシャ支援が4カ月間延長されたことを好感し、ニューヨークダウが史上最高値を更新したことに支援されるも119円台前半で上値を抑えられた。FOMCの議事録の内容が上値圧迫要因となり、24、25日のFRBイエレン議長の議会証言待ち。

【大口投機家の円売り越し幅5万枚割れまで縮小】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が今月20日に発表した17日現在の建玉明細によると、シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、4万9,091枚となり、今月10日現在の5万5,124枚から6,033枚減少した。直近の売り越しのピークとなった昨年12月2日現在の11万1,160枚からは6万枚以上減少している。投機家が円の買い戻しを先行していることが円の下値が堅くなっている一因だ。118円割れとなると、円の買い戻しが増加し、117円台半ば〜前半まで円高、ドル安進行の可能性ありとみる。

 シカゴユーロ(CME)は今月17日現在、大口投機家の売り越しは18万5,582枚となり、10日現在の19万4,641枚から9,059枚減少となった。20日は買い戻しと新規売りが交錯したもよう。まだ売り人気が強い。今月9日以降、もちあい相場となっているが、1ユーロ=1.12ドル台半ば〜1.14ドル台半ばのレンジ相場から放れた方向に動くとみる。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

23日 
   独2月ifo景況感指数
   米1月中古住宅販売件数
24日 
   独第4四半期国内総生産(GDP)改定値
   ユーロ圏1月消費者物価指数改定値
   米12月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米2月消費者信頼感指数
   イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長 議会証言(25日まで)
25日 
   中国2月HSBC製造業購買担当景気指数速報値
   米1月新築住宅販売件数
26日 
   NZ1月貿易収支
   独2月雇用統計
   カナダ1月消費者物価指数
   米1月耐久財受注
   米1月消費者物価指数
   米新規失業保険申請件数
   米12月住宅価格指数
  27日 
   日本1月雇用統計、日本1月有効求人倍率
   日本1月勤労者世帯家計調査、日本1月消費者物価指数
   日本1月鉱工業生産指数、日本1月小売業販売額
   日本1月自動車生産台数
   英第4四半期国内総生産(GDP)改定値
   独2月消費者物価指数
   米第4四半期国内総生産(GDP)改定値
   米2月シカゴ購買部協会景気指数
   米2月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値

2015年2月23日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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