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外為マーケットコラム

ドル・円は中期的には1ドル=124.15円を目指すチャートに

 3月第2週のドル・円は10日に1ドル=122円台を試し、2007年7月以来、7年8カ月ぶりの高値をつけた。122円水準での取引は長続きしなかったが、一週間を通し1ドル=120円を一度も割り込むことなく堅調に推移した。対ユーロで直近の高値更新が続き、ドル高が継続し、対円でも上昇基調は崩れず、先高感が強いまま引けた。122円水準で上値を抑えられた格好だが、中長期的には2007年6月の高値124.15円を目指すチャートだ。

 今週は17、18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。FOMC終了後、18日の米東部時間の午後2時(日本時間は19日午前3時)に米連邦準備理事会(FRB)から声明文と経済見通しが発表される。その後、午後2時半にイエレンFRB議長の記者会見がある。米利上げの時期がいつになるかが焦点だが、利上げに関して「忍耐強く」の文言が削減され、早期利上げ観測が強まるとの見方が多い。

 6日に米労働省から発表された2月の米雇用統計が強気の数字となり、早期の米利上げ観測が早まった。その一方で米早期利上げ観測により、ドル高が加速し、米製造業の輸出の悪化につながり、企業業績の悪化懸念が株安の一因になった。12日に発表された2月の米小売売上高が予想より弱い数字となったこともあり、早期の米利上げに関して慎重論が強まるかに注目したい。

 18日のFOMC声明文発表前の16日に3月のニューヨーク連銀製造業景気指数、2月の鉱工業生産・設備稼働率、17日には2月の住宅着工・許可件数の発表がある。強い数字となれば、声明文発表前に122円台に上昇するシナリオも描ける。対ユーロで一段高となれば、対円でもつれ高となろう。その一方でFOMC後は材料出尽くしで自律反発の可能性はある。

 円サイドからは16日から17日に開催される日銀金融政策決定会合・金融政策発表が注目される。日銀・黒田総裁から一段の金融緩和を示唆する発言があれば、日米の金融政策の違いからドル高・円安が進みやすくなるが、相場を動かすような発言が出ることはないとの見方が支配的だ。

 今週の予想レンジは1ドル=119円台後半〜123円前後。

【ドル・円は続伸、2月の米小売売上高が弱気も押し目買い強い】

 ドル・円は続伸。9日は、6日に2月の米雇用統計が強気の数字の数字となったことを背景に1ドル=121.20円台に上昇し、昨年12月8日以来の高値を更新した流れを引き継ぎ、120.40円台を試し、直近の高値を更新した。10日は昨年12月8日の高値121.84円を上抜き122.02円まで続伸した。しかしニューヨークダウが300ドル以上の下げとなったこと、米金利低下から利食い売りが出て、121.10円台まで値を削った。

 11日は120.80円台まで反落したが、ドル高・ユーロ安が進んだことに支援され、121.40円台まで切り返して引けた。12日は米商務省発表の2月の小売売上高が前月比0.6%減少となり、大方の事前予想の同0.3%増を大幅に下回ったことを嫌気し、序盤に120.60円台に反落したが、121.20円台に戻して引け、2日連続で押し目買いの強さを示した。13日は2月の米生産者物価指数が4カ月連続してマイナスとなったこと、3月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が4カ月ぶりの水準に低下し、米株式相場の下落などが圧迫要因になったが、121.40円で取引を終えた。週足は4週連続の陽線引け。25日移動平均線(119.83円)からの乖離率は1.3%、14日間の相対力指数(RSI)は64.87で強気。まだ買い過剰感はない。

【ユーロ・ドルは大幅続落、1ユーロ=1ドルに向け下落の流れに】

 ユーロ・ドルは大幅続落。9日は欧州中央銀行(ECB)がドイツなどの国債購入を開始するなか、1ユーロ=1.0820ドルまで下落し、直近の安値を更新した。2月27日に下放れたのをきっかけに安値模索の展開となり、1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を目指すとの見方が増えた。翌10日はギリシャ不安の再燃もあり、1.0693ドルまで続落し、2003年4月以来の安値をつけた。11日以降も安値更新の動きが続き、13日には1.0461ドルまで下落した。

 米国、ユーロ間の景況感、金融政策の差からユーロ売りの動きは続くとみる。ユーロは対円でも軟調に推移した。ユーロ・円は13日に1ユーロ=126.87円まで下落し、2013年6月以来、1年9カ月ぶりに安値をつけた。2013年6月につけた124.92円を目指す動きだ。

【大口投機家は1ドル=121円台後半〜122円では円売り増しか】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が3月13日に発表した同月10日現在の建玉明細によると、シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、5万9,387枚となり、3月3日現在の5万2,521枚から6,866枚増加した。11日以降は売り越し幅が拡大しているとみられ、13日現在、7万枚以上の売り越しとなっていると予想。121円台後半から122円水準ではさらに円売りの動きが強まるとみる。

 シカゴユーロ(CME)は3月10日現在、大口投機家の売り越しは18万1,073枚となり、3月3日現在の17万2,389枚から8,684枚増加。11日以降もユーロ売りが続き、13日現在、21万枚以上の売り越しとなっているとみられる。自律修正高場面では売り場探しとなると予想する。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

16日 
   スイス2月生産者・輸入価格、スイス1月小売売上高
   米3月NY連銀製造業景気指数
   米2月鉱工業生産・設備稼働率
   米1月対米証券投資
17日 
   豪中銀(RBA)理事会議事録
   日銀金融政策決定会合(16〜17日)・金融政策発表
   日本1月景気動向指数
   黒田日銀総裁記者会見
   独3月ZEW景況感指数
   ユーロ圏2月消費者物価指数
   カナダ1月製造業出荷
   米2月住宅着工・許可件数
18日 
   NZ第4四半期経常収支
   豪2月ウェストパック先行指数
   日本2月貿易収支
   英2月雇用統計、英金融政策委員会(MPC)議事録
   ユーロ圏1月貿易収支
   カナダ1月卸売売上高
   米連邦公開市場委員会(FOMC、17〜18日)・政策金利発表
   イエレン議長記者会見
19日 
   NZ第4四半期国内総生産(GDP)
   スイス2月貿易収支
   スイス国立銀行(SNB)政策金利発表
   米新規失業保険申請件数、米第4四半期経常収支
   米3月フィラデルフィア連銀景況指数
   米2月景気先行指数
20日 
   日銀金融政策決定会合議事要旨(2月17・18日分)
   独2月生産者物価指数
   ユーロ圏1月経常収支
   カナダ2月消費者物価指数、カナダ1月小売売上高

2015年3月16日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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