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外為マーケットコラム

円の買い戻し進めば118円台後半へのドル安・円高

 3月第3週のドル・円は16、17日に1ドル=121円台で堅調に推移した。18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明文発表後に早期の米利上げ観測が後退すると、ドル急落となり、対円では119.27円まで下落となった。ただし119円台前半はすかさず買い拾われた。19、20日も119円台に下落したが、119円台での買いは根強く、120円水準で20日の取引を終えた。週明け23日の東京時間の早朝に119.80円を試すまで、ドル安・円高が進み、18日のFOMC声明文の余波が残っている。

 今週は27日に発表される米第4四半期国内総生産(GDP)確報値が最大の注目材料だ。1月26日に発表された速報値は季節調整後の年率換算で前期比2.6%だった。第3四半期の同5.0%から大幅な減速を示したが、修正があるかが注目される。今週は期末で見送りムードが強く、先週前半にもみあった121円台前半から半ばが抵抗線として意識されよう。その反面、円の買い戻しの動きが強まれば、118円台後半までドル安・円高が進むシナリオも描ける。ただし日米間の金融政策の違いからドルの押し目買い意欲は強いと予想。4月第1週に発表される米労働市場に関する経済統計が強気となれば、4月上旬に121円第後半から122円台に上昇する可能性ありとみる。

 今週の予想レンジは1ドル=118円台後半〜121円台半ば。

【ドル・円は修正安、早期の米利上げ観測後退で】

 ドル・円は修正安。16、17日に高もちあいとなった後、下放れとなり、2月27日以来の安値をつけた。18日のFOMCの声明文では予想通り、利上げのタイミングについて「忍耐強く」という文言が削除された一方で、4月の次回FOMCでの利上げの可能性は低いとされ、米早期の利上げ観測が後退した。その後のイエレンFRB議長が会見で「6月利上げの可能性を否定しない」と述べ、6月の利上げの可能性は残している。「FOMCの大半のメンバーが年内引き締め必要と認識がある」とも述べており、金融引き締めの方針に変わりはない。

 19日に米労働省から発表された3月14日までの週間新規失業保険申請件数は29万1,000件となり、事前予想の29万3,000件をわずかに下回った。4週間平均の失業保険申請件数は30万4,750件と前週の30万2,500件から増加した。一方、3月7日までの週の継続受給者数は前週比1万1,000人減少と強弱感が交錯する数字だった。20日はアトランタ連銀総裁が6、7、9月はいずれも利上げの可能性あると述べたが、ニューヨーク時間で120円台中心に推移した。

 ニューヨークダウは18日に早期利上げ観測が後退したことを好感し、1万8,000ドル台を終値で回復した。20日には上伸し、1万8,197.29ドルまで上げ、今月4日以来の高値をつけた。今月2日につけた史上最高値1万8,288.63ドル更新の可能性がある値位置だ。史上最高値を更新すれば、ドル買いにつながろう。

【ユーロ・ドルは反発、FOMCの声明文発表後に修正高局面迎える】

 ユーロ・ドルは反発。16、17日は安値圏ながら、しっかりと推移し、18日のFOMCの声明文の発表待ちとなった。FOMCの声明文で4月の次回FOMCでの利上げの可能性は低いとされ、早期の米利上げ観測が後退し、ユーロの買い戻しが進んだ。1ユーロ=1.1040ドルまで反発し、今月3日以来の高値をつけた。25日移動平均線手前で戻りを抑えられた格好となったが、3営業日連続の陽線引けとなった。19、20日は18日のレンジから出ることはなかったが、しっかりと推移し、週足は5週間ぶりの陽線引け。

 17日に発表された3月の独ZEW景況感指数が54.8(事前予想59.4)となり、5カ月連続上昇となった反面、19日にギリシャ10年債利回りが2013年4月以来、初めて12%台に上昇し、ギリシャ情勢に対しての不安が強まるなど、ユーロを買いにくい環境に変わりはない。自律修正高が一巡後は再度、ユーロ売り圧力が続くとみられる。4月第1週に発表される米労働市場に関する米雇用統計がカギを握ろう。

【1ドル=119.50円水準から円高が進むと円の買い戻しが増加か】

 米商品先物取引委員会(CFTC)が3月20日に発表した同月17日現在の建玉明細によると、シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、4万8,054枚となり、3月10日現在の5万9,387枚から1万1,333枚の急減となった。18日に1ドル=119円台後半まで円高、ドル安が進んでおり、さらに円の買い戻しが進んだもよう。120円水準では円売り、買い戻しが交錯するとみられる。119.50円前後から円高、ドル安がさらに進むと円の買い戻しが増加か。逆に120円台後半から121円水準に円安、ドル高が進むと、円売り、ドル買いが進みやすくなるとみる。

 シカゴユーロ(CME)は3月17日現在、大口投機家の売り越しは19万3,774枚となり、3月10日現在の18万1,073枚から1万2,701枚増加。18日からユーロ高、ドル安となり、ユーロの買い戻しが先行したもよう。ただ18、19日の取組高は2日連続で大幅増となり、ユーロの反発にも売り向かう動きもかなりあったもよう。まだドル高・ユーロ安の流れに基調は反転していないとみたユーロ売りの動きは継続するとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

23日 
   米2月中古住宅販売件数
24日 
   中国3月HSBC製造業購買担当景気指数
   英2月消費者物価指数、英2月小売物価指数、英2月生産者物価指数
   米2月消費者物価指数
   米1月住宅価格指数
   米2月新築住宅販売件数
25日 
   NZ2月貿易収支
   独3月ifo景況感指数
   米MBA住宅ローン申請件数
   米2月耐久財受注
26日 
   英2月小売売上高指数
   米新規失業保険申請件数
27日 
   日本2月雇用統計、日本2月有効求人倍率
   日本2月勤労者世帯家計調査、日本2月消費者物価指数
   日本2月小売業販売額
   米第4四半期国内総生産(GDP)確報値
   米3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値

2015年3月23日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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