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外為マーケットコラム

新たな方向性を模索、米GDPやFOMC・日銀金融政策決定会合に注目

 4月20日からの週のドル・円はもみあい。23日に1ドル=120円台を試すまで上昇する場面があったが、119円台後半から120円水準での取引は長続きせず、24日には118円台後半に下落し、17日の終値と同水準で24日の取引を終えた。ハイテク銘柄の多い米ナスダックが史上最高値を更新し、ニューヨークダウが終値ベースで1万8,000ドル台を維持して先週の取引を終えた。米株の堅調地合いがドルの支援材料となった。その反面、米経済統計に弱い数字が見られ、今後の米景気に不安があり、対ユーロで今月7日以来の安値をつけ、ドル・円の圧迫要因になった。引き続き、3月26日の安値118.30円が支持線ながら、25日移動平均線が通る119.60円を割り込み、14日間の相対力指数(RSI)が42.79となり、複数のテクニカル指標は弱気を示唆している。テクニカル要因からはドル安・円高に傾きやすい。

 今週は28、29日の2日間にわたり、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、米利上げの時期がいつになるかが焦点。29日には米第1四半期の国内総生産(GDP)の発表があり、次の方向性を示す可能性もある。先週、ナスダックが史上最高値を更新したが、ニューヨークダウが3月2日につけた史上最高値1万8,288.63ドルを更新すると、ドルは堅調な値動きとなり、120円水準を再挑戦か。円サイドからは30日に開催される日銀の金融政策決定会合が注目材料。金融政策の現状維持を決めるとの予想が多く、現状維持の場合、円高、株安の見方が多い。現状維持の決定を受け、118.30円、118円を試すと117円台後半まで円高、ドル安の可能性もあろう。

 今週の予想レンジは1ドル=117円台後半〜120.50円前後と先週と同レンジ。支持線は3月26日の安値118.30円、118円、抵抗線は120円の節目と今月13日の高値120.84円。

【ドル・円は方向性欠く、120円水準では売り圧力強い】

 ドル・円は方向性を欠く展開。20日は東京市場から欧州市場では1ドル=118.50円台に下落したが、118.30円が支持線として意識され、底堅く推移した。ニューヨーク市場の取引開始後は19日に中国人民銀行(中央銀行)が約2カ月ぶりに預金準備金利を引き下げたことを好感した株高や、ギリシャ懸念からのユーロ売り、ドル買いに支援され、119.40円台に上昇した。

 21日は一時ニューヨークダウが堅調に推移したことで119.80円台まで続伸したが、ニューヨークダウが下げに転じたことで上値を抑えられ、119.60円台で取引を終えた。

 22日は米住宅市場に関する数値が強気になったことで119.90円台に上昇。2月の米FHFA住宅価格指数は前月比+0.7%となり、事前予想の+0.6%を上回り、3カ月ぶりの大幅な伸びとなった。3月の米中古住宅販売件数は予想以上に増加し、前月比+6.1%の519万件となり、2013年9月以来の高水準となったことが支援材料。

 23日は朝方に120円を試したが、弱気の米経済指標が相次ぎ、119.50円水準に反落した。この日発表された米経済指標は、18日までの週間新規失業保険申請件数が29万5,000件となり、事前予想の28万7,000件を上回り、2月27日の週以来の高水準となった。また3月の米新築住宅販売件数が7年ぶりの高水準となった前月から大きく減少し、事前予想の前月比−4.5%の51万5,000件を大幅に下回る−11.4%の48万1,000件となった。

 24日は軟調に推移。この日発表された3月の米耐久財受注(総合)は前月比+4.0%となり、事前予想の+0.6%を大幅に上回り、昨年7月以来の大幅な伸びとなった。しかし輸送用機器を除く受注は同+0.3%の伸びの予想に反し、−0.2%となり、5カ月連続してマイナス。航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注も予想に反して減少し、7カ月連続のマイナスとなったことを受け、長期金利の指標となる10年物米国債の利回りが大きく低下したことがドル売りにつながり、118.80円台まで下落した。

【ユーロ・ドルは堅調もギリシャ債務不安解消できず上値圧迫要因に】

 ユーロ・ドルは堅調。20〜22日は軟調に推移。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)を24日に控えるなか、ギリシャの債務問題に大きな進展が見受けられないことや、デフォルト(債務不履行)懸念が広がり、売り優勢となり、21日に今月16日以来の安値となる1ユーロ=1.0658ドルまで下落。21日に発表された4月の独ZEW景況感指数は53.3に低下し、事前予想55.3を下回ったことも圧迫要因になった。

 22日に欧州中央銀行(ECB)の政策委員会がギリシャの銀行向け緊急流動性支援(ELA)の上限を約15億ユーロ引き上げ、755億ユーロとすることを決めたが、反応は鈍かった。

 23日は1ユーロ=1.0840ドル台に上昇し、17日以来の高値をつけた。4月のユーロ圏総合製造業購買担当者指数(PMI)速報値は53.5となり、事前予想の54.4を下回った。しかしギリシャ政府当局者が債権者側との合意に近づいていると述べ、ギリシャのデフォルト懸念が後退したことや、複数の米経済指標の悪化がユーロ買い、ドル売りにつながった。

 24日はギリシャ政府が地方から4億5,000万ユーロを確保したとの報を受け、デフォルト懸念が後退し、一時、1.0900ドルと6日以来の水準へ切り上がった。4月の独Ifo企業景況感指数が108.6となり、事前予想の108.4を上回ったが、1.0900ドルを突破するほどの支援材料にはならず。この日はユーロ圏財務相会合が開催され、ユーログループのデイセルブルム議長は会合終了後、ギリシャと債権側に大きな隔たりがあるとの認識を示した。また、ギリシャの包括的合意抜きの救済融資はあり得ないとし、5月11日にブリュッセルでの定期会合で再び検証することを明らかにした。今回の会合でのギリシャへの資金支援再開は見送られ、ギリシャ債務問題の不安は解消できず、今後のユーロの上値圧迫要因になりそうだ。

【投機家の円の買い戻し進むと117円台後半の円高・ドル安の可能性=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は4月24日に4月21日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、1万4,448枚となり、4月14日 現在の2万3,070枚から8,622枚の大幅減となった。22日以降も買い戻しの動きは根強かったと予想。先週に引き続き、118.30円、118円の節目を試すと投機家の円の買い戻しが進み、117円台後半まで円高・ドル安の進行の可能性があるとの見方に変わりはない。11円台後半から120円水準では円売り圧力が強まったとみるが、この水準での取引は長く続かなかったことで買い戻しを余儀なくされた格好。今週は円売りに慎重姿勢か。

 シカゴユーロ(CME)市場は4月21日現在、大口投機家の売り越し幅は21万4,645枚となり、4月14日現在の21万2,347枚から2,298枚の増加。22、23日はユーロ買い戻し、ユーロ売りが交錯したが、24日は買い戻しが先行したもよう。1ユーロ=1.1000ドルの節目を試すと買い戻しが膨らむとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

27日 
   独3月小売売上高指数
28日 
   日本3月小売業販売額
   英4月ネーションワイド住宅価格
   英第1四半期国内総生産(GDP)速報値
   米2月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米4月消費者信頼感指数
   米連邦公開市場委員会(FOMC)
29日 
   NZ3月貿易収支
   米MBA住宅ローン申請件数
   独4月消費者物価指数
   カナダ3月鉱工業製品価格
   米第1四半期国内総生産(GDP)速報値
   米連邦公開市場委員会(FOMC)
30日 
   NZ準備銀行(RBNZ)政策金利
   日銀金融政策決定会合・金融政策発表、展望リポート発表
   日本3月鉱工業生産指数
   スイス4月KOF先行指数
   独4月雇用統計
   ユーロ圏3月雇用統計、ユーロ圏4月消費者物価指数速報値
   米第1四半期雇用コスト指数
   米3月個人所得・支出、米新規失業保険申請件数
   米4月シカゴ購買部協会景気指数
1日 
   豪4月AiG製造業指数
   日本3月有効求人倍率、日本3月雇用統計
   日本3月消費者物価指数、日本3月勤労者世帯家計調査
   中国4月製造業購買担当景気指数
   豪第1四半期生産者物価指数
   米3月建設支出
   米4月ISM製造業景況指数
   米4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値

2015年4月27日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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