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外為マーケットコラム

ドル・円はもみあい、米景気に対する弱気ムードがドルの圧迫要因

 4月27日から5月6日のドル・円はもみあい。4月30日に1ドル=118円台半ばに下落したが、30日に発表された複数の米経済統計が強気の数字となったことで119円台後半に反発。5月1日は4月の米消費者信頼感指数が2007年以降で2番目の高水準となり、米長期金利が大幅に上昇したことなどから120円台に上昇し、4月13日以来の高値をつけた。しかし4月13日の高値120.84円が抵抗線となり、120円台は定着できずに119円台に反落。6日に発表された4月の米ADP雇用統計が前月比16万9,000人増にとどまり、事前予想の同20万人増を大幅に下回り、米景気に対する弱気ムードがドルの圧迫要因となった。

ドル・円は4月のレンジ相場内での高下にとどまり、方向感がない。8日に米労働省から4月の米雇用統計の発表があり、この数字が強気となると、120円台を回復の可能性はある。しかし抵抗線の120.84円を突破するには、米景気に対し、楽観ムードが強まり、ニューヨークダウが4月27日につけた高値1万 8,175.56ドルを超える投資環境になる必要があろう。13日に第1四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)、ドイツのGDP、4月の米小売売上高があり、その前に120円台を回復できるかに注目したい。

 今週(7、8日)の予想レンジは1ドル=117円台後半〜120円台後半。支持線は119円の節目、3月26日の安値118.30円、118円。抵抗線は4月13日の高値120.84円、121.00円、121.40円。

【ドル・円は方向性探る展開、米GDPは景気の減速示す】

 ドル・円は方向性を探る展開。注目された4月29日に発表された米第1四半期の国内総生産(GDP)は前期比+0.2%にとどまり、大方の事前予想の+1.0%を下回り、昨年第4四半期の2.2%増から大幅に減速した。この日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、終了後に声明文が発表された。それによると冬季の景気減速が示される一方、4月入り後は緩やかな成長と雇用が増加、中期的にインフレは2%の目標に徐々に近づくとの見解が示された。第1四半期の減速の後、緩やかな成長と雇用の増加が予想されると判断された。

 米景気に対し総悲観ムードでもないが、米第1四半期GDPが予想外の低成長となったのをきっかけに米景気に対しての不安は拡大している。投資家も弱気派が増え、4月30日以降、ニューヨークダウは4月30日、今月5、6日の3日間、長大陰線を引く下げとなっている。6日は1万7733.12ドルまで下落し、1カ月ぶりの安値をつけた。3月26日の安値1万7,579.27ドルが支持線だ。支持線割れとなると、ドル売りが加速し、ドル・円は118.30円の支持線割れから118円を試す展開を予想。

【ユーロ・ドルは上伸、ユーロの投資環境改善で】

 ユーロ・ドルは上伸。4月29日に米第1四半期GDPが予想を大幅に下回る数字となったことで1ユーロ=1.1000ドルの節目を突破し、今月1日には2月26日以来の高値となる1.1290ドルまで上昇。1日のうちに高値を離れたが、1.1000ドル割れとなることなく、押し目は浅く、6日は4月の米ADP統計が弱気の数字となったことに加え、4月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値の上方修正や、ギリシャが国際通貨基金(IMF)にこの日期限を迎えた利払いを履行したこと、欧州中央銀行(ECB)がギリシャの銀行向けの緊急流動性支援(ELA)を789億ユーロ引き上げたことなど、ユーロ圏の投資環境の改善が支援材料に大幅高。1.1370ドルまで上げ、2月26日の高値1.1380ドルに接近した。

 4月の米雇用統計が弱気の数字になれば、2月19日の高値1.1450ドルを更新する可能性もあるとみる。5日間移動平均線が通る1.1242ドル前後までの反落は修正安と判断したい。1.1000ドルの節目を割り込む下げとなると、下げ相場に再転換となるとみる。

【投機家は円を一時、円買い越しに転じた可能性あり=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は5月1日に4月28日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、5,493枚となり、4月21日 現在の1万4,448枚から8,955枚の大幅減となった。4月30日に118円台半ばに円高・ドル安となり、一時差し引きゼロ、または一時的に買い越しになった可能性がある。ただし今月1日に120円台へ円安、ドル高となり、再度、円は売り越しとなっているもよう。118.30円割れとなっていたなら、円の買い戻しが加速し、円高が進む可能性があったが、118.47円で下げ渋ったため、円の買い戻しが加速する前に円売りの流れに戻った。120.84円水準より、円安、ドル高となると、円売りが加速か。

 シカゴユーロ(CME)市場は4月28日現在、大口投機家の売り越し幅は19万7,766枚となり、4月21日現在の21万4,645枚から1万6,879枚の減少。4月29日から5月1日までユーロ高、ドル安が続き、ユーロの買い戻しはさらに進んだもよう。まだ大幅な売り越しではあるが、しばらくはユーロの買い戻しが進みやすい環境か。ただ1ユーロ=1.1000ドル割れとなると、ユーロ売りが進みやすくなるとみる。

 <今週の主要経済統計・イベント>

7日 
   独3月製造業受注指数
   米新規失業保険申請件数
8日 
   中国4月貿易収支
   スイス4月雇用統計
   独3月鉱工業生産指数、独3月貿易収支、独3月経常収支
   スイス4月消費者物価指数
   英3月貿易収支
   カナダ4月雇用統計
   米4月雇用統計
9日 
   中国4月消費者物価指数、中国4月生産者物価指数

2015年5月7日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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