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外為マーケットコラム

NYダウ史上最高値更新なら抵抗線突破に再挑戦

 5月4日からのドル・円は1ドル=120.50円まで上昇したが、120円台では売り圧力強く、抵抗線の120.84円を突破できず、119.70円台で8日の取引を終えた。その一方、119.02円で下支えられ、下値は堅かった。ニューヨークダウが1万8,205.23ドルまで上げ、3月23日の高値に並んだが、ドル・円はレンジ相場から上放れることはできなかった。大局的に1ドル=119円台中心のレンジ相場。

 今週は13日に発表される第1四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)、ドイツのGDP、4月の米小売売上高に注目したい。4月の米小売売上高が強気の数字となり、個人消費の好調さが裏付けられれば、ニューヨークダウが史上最高値(3月2日のザラバ取引1万8,288.63ドル)を更新の可能性ありとみる。ニューヨークダウが史上最高値を更新すれば、ドル・円は抵抗線の120.84円突破に再挑戦となろう。逆に弱気の数字となるとリスク回避ムードが強まり、再度118円台に下落か。

 今週の予想レンジは1ドル=117円台後半〜121円台前半。支持線は3月26日の安値118.30円、118円。抵抗線は4月13日の高値120.84円、121.00円、121.40円。

【ドル・円はもみあい、米利上げ年末にずれ込むとの観測なら115円までドル安】

 ドル・円はもみあい。抵抗線の1ドル=120.84円、支持線の118.30円に接近するが、どちらにも抜けきれず、レンジ相場の中間水準で8日の取引を終えた。8日に米労働省が発表した4月の米雇用統計は、失業率は5.4%と前月の5.5%から低下。事前予想は5.4%。非農業部門雇用者数は22万3,000人の増加。事前予想は22万8,000人増。前月は8万8,000人増と速報値の12万6,000人増から大幅に下方修正された。米雇用拡大ペースの回復や欧米株式相場の上昇などに下支えられたが、米利上げ時期が秋以降にずれ込んだと思惑が上値を抑えた。7日に発表された米労働省発表の5月2日までの週間新規失業保険申請件数が26万5,000件(前週は26万2,000件)となり、事前予想の27万8,000件を下回り、4週間平均が15年ぶりの低水準となった。14日発表の週間新規失業保険申請件数が引き続き低水準にとどまるかにも注目したい。

 1ドル=118.30〜120.84円のレンジ相場が約1カ半続いている。次の相場が始まるまでのエネルギー蓄積期間。長期間のもみあい期間が続いて放れた場合、放れた方向にある一定期間動くことが多々あり放れにつけ、という格言がある。いったん動き出すと材料は後からついてくる。

 現在の為替相場は米国の金利引き上げがいつになるのかが最大の注目材料。6月利上げの可能性は低くなり、現状は9月に利上げとの見方が多い。米金利引き上げが年後半から年末にずれこむとの観測が強まった場合、今夏中に115円前後まで円高、ドル安が進む可能性ありとみる。

【ユーロ・ドルは高値更新後に上げ一服、ユーロ・ドイツGDPに注目】

 ユーロ・ドルは直近の高値更新後に値を削り、上げ一服。6日に4月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)改定値の上方修正などを背景に1ユーロ=1.1370ドルに上昇し、2月26日以来の高値をつけた。7日は3月の独製造業受注指数が前月比0.9%上昇となり、3カ月ぶりに前月比でプラスとなったことなどもあり、1.1392ドルまで続伸し、2月23日以来の高値を更新した。しかしギリシャ情勢への不安から1.1236ドルまで反落となった。7日も売り先行となり、上げ一服ムード。今週は13日にユーロ圏、ドイツのGDPの発表があり、これらの指標に左右されよう。11日のユーロ圏財務相会合でギリシャ支援協議について合意に達するかも注目要因である。

【円の売りの動きが再度強まる=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は5月8日に5月5日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、3万1,183枚となり、4月28日 現在の5,493枚売り越しから2万5,690枚の大幅増となった。4月に入ってから一貫して売り越し幅が減少し、ほぼ差し引きゼロまで減少した時もあったとみられるが、120円台への円安・ドル高となり、円売りの動きが強まった。6日以降は買い戻しと新規売りが交錯し、売り越し幅は3万枚前後を維持していると予想。

 シカゴユーロ(CME)市場は5月5日現在、大口投機家の売り越し幅は19万127枚となり、4月28日現在の19万7,766枚から7,639枚の減少。6、7日は直近の高値を更新しており、さらに買い戻しが進んだもよう。まだ大幅なユーロ売り越しではあるが、ユーロの買い戻しが進みやすい環境との見方に変わりなし。5日の安値1ユーロ=1.1064ドルが支持線。支持線割れとなると、ユーロ売りが進みやすくなるとみる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

11日 
   英中銀(BOE)政策金利
12日 
   豪3月住宅ローン許可件数
   日本3月景気動向指数
   英3月鉱工業生産指数、英3月製造業生産指数
   米4月財政収支
13日 
   日本3月経常収支
   中国4月小売売上高、中国4月鉱工業生産指数
   独第1四半期国内総生産(GDP)速報値、独4月消費者物価指数
   英4月雇用統計
   ユーロ圏3月鉱工業生産指数
   ユーロ圏第1四半期域内総生産(GDP)速報値
   米MBA住宅ローン申請件数
   米4月小売売上高、米4月輸入価格指数
14日 
   NZ第1四半期小売売上高
   米4月生産者物価指数、米新規失業保険申請件数
15日 
   スイス4月生産者・輸入価格
   カナダ3月製造業出荷
   米5月NY連銀製造業景気指数
   米4月鉱工業生産・設備稼働率
   米5月ミシガン大学消費者信頼感指数
   米3月対米証券投資

2015年5月11日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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