FX・為替比較はALL外為比較

  • FX会社を探す
  • FXの基礎知識
  • Q&A
  • 外国為替マーケット予想

ALL外為比較 > 外為マーケットコラム > ギリシャ緊縮財政反対からリスク回避も米金利引き上げ観測が下支えか

外為マーケットコラム

ギリシャ緊縮財政反対からリスク回避も米金利引き上げ観測が下支えか

 6月29日から7月3日のドル・円は下落。6月30日に国際通貨基金(IMF)への返済期限を迎えたギリシャ情勢の行方が注目されるなか、引き続きギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念などを背景にしたリスク回避の動きが優勢となり、6月30日に1ドル=121.90円台に下落し、5月26日以来の安値をつけた。しかし下値は堅く、その日のうちに122円台半ばを回復した。月替わり後はしっかりとした展開となり、2日の欧州時間に123.70円台に上昇。ニューヨーク市場では米労働省から発表された6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が事前予想を下回ったことなどが嫌気され、一時122.90円台に反落したが、米当局の9月利上げ開始観測が大きく後退するまでには至らず、123円水準で引けた。3日は米独立記念日の振替休日となるなか、5日に欧州連合(EU)が求めるギリシャ緊縮財政の国民投票を控え、122円台後半中心に神経質な値動きとなった。

 5日に実施されたギリシャ国民投票は反対、賛成が均衡するとみられたが、反対が60%を超え、予想外の大差となった。緊縮財政受け入れ反対となり、ギリシャ情勢は一段と不透明となり、銀行破たん、ユーロからの離脱などが起きる可能性があり、リスク回避の動きが一段と強まることが予想される。

 今週は8日に先月16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開がある。米金利引き上げの時期が改めて材料視されそうだ。

 今週の予想レンジは1ドル=120円前後〜124円。先週は121円台後半〜123円台後半と狭いレンジでの取引となったが、ギリシャ問題が一段と混迷を深め、リスク回避の動きが強まるとみられるが、米利上げ観測が下支え要因か。ただし値動きが荒くなる可能性はあり、気が抜けない投資環境が続こう。

【ドル・円は軟調、米雇用統計は弱気も下値堅く推移】

 ドル・円は軟調。6月29日は27日のユーロ圏財務相会合でのギリシャ支援協議決裂で同国のデフォルト(債務不履行)やユーロ離脱懸念が一段と高まり、リスク回費の動きが一段と強まり、122円台半ば中心に軟調に推移。ギリシャが29日からの銀行休業と資本規制を発表したことで、世界的に株安が進んだが、122円の節目が支持線となった。

 30日はIMFへの返済期限を迎えたギリシャ情勢に関する当局者からのコメントが相次ぐなか、債権団との支援協議に進展があるのかどうかを見極めたいとの思惑が広がり、同国のデフォルトやユーロ離脱懸念からのリスク回避の動きが優勢となり、121.90円台を試す下落となった。この日、シカゴ地区購買部協会から発表された6月の同地区景気指数は49.4で前月の46.2から大幅上昇となったが、事前予想の50を下回ったため、ドル買いにつながらず。

 1日は6月30日期限のIMFへの債務支払いを履行できなかったギリシャ政府が債権者側の救済条件を受け入れる用意があると表明したことからリスク回避の動きが後退し、一時123.20円台に反発し、123.10円台で引けた。6月の米ADP民間雇用者数は前月比23万7,000人増加となり、事前予想の21万8,000人増を大幅に上回り、昨年12月以来の高水準となったことでドルの支援材料となった。この日は米供給管理協会(ISM)から6月の製造業景況指数も発表され、53.5となり、前月の52.8、事前予想の53.2をそれぞれ上回った。

 2日は欧州時間に123.72円をつけたが、ニューヨーク市場では123円水準で小安く推移。この日、米労働省から6月の米雇用統計が発表され、失業率は5.3%と前月の5.5%から低下。事前予想は5.4%。非農業部門雇用者数は同22万3,000人の増加。事前予想の23万3,000人増を下回った。前月は25万4,000人増と速報値の28万人増から下方修正された。前年比での平均時給が12カ月続けて2%を上回ったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利上げ開始観測が大きく後退するまでには至らず、ドルは下値堅く推移した。

 この日は6月27日までの週間新規失業保険申請件数が発表され、28万1,000件となり、前週の27万1,000件、事前予想の27万件を大幅に上回ったこともドルの圧迫要因となった。

 3日は米国が休日、5日にギリシャの国民投票を控えるなか、リスク回避の動きは根強く、122.50円台に下落する場面があったが、122.80円台に戻して引けた。

 テクニカル要因からは1日に一時、25日移動平均線(123.49円)を突破したが、25日移動平均線超えは長続きせず、14日間の相対力指数(RSI)は3日、48.50に低下し、弱気を示唆。6日、121.80円台で取引を開始したが、121円台での取引は長続きせず、122円半ばに反発し、総弱気ムードでもない。

【ユーロ・ドルは続落、ギリシャ不安で下値不安強い】

 ユーロ・ドルは続落。6月29日は乱高下したが上昇。欧州連合(EU)など債権者側による金融支援をめぐり、ギリシャのチプラス首相が27日に7月5日に国民投票実施を表明するなか、同日のギリシャ支援交渉は決裂し、同国が29日からの銀行休業と資本規制を発表したことなどが嫌気され、海外市場では一時、1ユーロ=1.0956ドルと6月2日の安値(1.0916ドル)以来の水準へ急落した。しかし欧州中央銀行(ECB)はギリシャ危機が他国へと波及するようなことを阻止するとの思惑が広がったことなどもあり、ニューヨーク入り後はほぼ一本調子で切り返し、一時、1.1270ドル台まで急反騰となった。

 30日はギリシャの国際通貨基金(IMF)への資金返済期限を迎えるなか、複数の当局者からのギリシャ支援に関する発言が続くものの、悲観的な見方が払しょくされるまでには至らず、一時、1.1111ドルまで下落するなどリスク回避の動きに押さえられた。この日は6月の独失業者数が前月比1,000人減となり、9カ月連続で減少、同月のユーロ圏インフレ率が前年比0.2%上昇となり、2カ月連続プラスとなったが、ユーロ買いにはつながらず。

 1日は5日に国民投票を控えるギリシャでは財政緊縮に反対が優勢となっているとの世論調査や、チプラス首相が反対票を呼び掛けたこと、メルケル独首相が国民投票前の支援交渉はないと繰り返したことなどもあり1.1040ドル台に下落し、1.1050ドル台で引けた。

 2日は6月の米雇用統計が予想されたほど強い結果とならなかったことから、朝方に1.1120ドル台へと切り上がった。しかしユーロ買い・ドル売りを進めて行くだけのインパクトは限定的で、市場の関心は引き続き5日のギリシャ国民投票の結果や、結果を受けた週明けの市場動向へと移っていることから1.1120ドル水準での取引は長く続かず、1.1085ドルで引けた。

 3日は米国が休日となったこと、5日にギリシャの国民投票を控え見送りムードが強く、2日のレンジ内での取引ながら、1.1100ドル台を維持して引けた。

 週明け6日はギリシャ国民投票で緊縮財政受け入れ反対が賛成を大幅に上回り、ギリシャ不安はさらに強まるとの見方からユーロ売りが強まり、1.0968ドルに下落。日本時間の午前11時現在、6月29日の安値1.0951ドルを維持しているが、下値不安が強い。

 借金を返さず、財政緊縮は拒否、さらに支援して欲しいとの考えるギリシャ国民が多かったことは、ひいき目に見てもあまりに身勝手と判断する投資家が多いのではないか。ギリシャの再建は前途多難だ。

【建玉明細の発表は6日に延期=CFTC】

 通常、金曜日の午後に米商品先物取引委員会(CFTC)から発表される建玉明細は、3日が米独立記念日の振替休日となったため、6日に6月30日現在の建玉明細を発表する。

今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

6日 
   独5月製造業受注指数
   スイス6月消費者物価指数
   カナダ6月Ivey購買部協会指数
   米6月ISM非製造業景況指数
7日 
   豪中銀(RBA)政策金利
   スイス6月雇用統計
   独5月鉱工業生産指数
   英5月鉱工業生産指数、英5月製造業生産指数
   カナダ5月貿易収支
   米5月貿易収支
8日 
   日本5月経常収支
   米MBA住宅ローン申請件数
   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
9日 
   日本5月機械受注高
   中国6月消費者物価指数、中国6月生産者物価指数
   豪6月雇用統計
   独5月貿易収支、独5月経常収支
   英中銀(BOE)政策金利
   米新規失業保険申請件数
10日 
   豪5月住宅ローン許可件数
   英5月貿易収支
   カナダ6月雇用統計

2015年7月6日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

コラム一覧へ戻る

当社は「ALL外為比較」に掲載される情報(以下「掲載情報」といいます。)の完全性および正確性を保証いたしません。

また掲載情報は、将来における結果を示唆するものではありません。

したがいまして、お客様において掲載情報に基づいて行動を起こされた場合でも、当社はその行動結果について何らの責任も負担いたしません。

掲載情報に基づく行動は、お客様の責任と判断によりお願いいたします。掲載情報は、金融商品の売買等の勧誘を意図したり、推奨するものではありません。

お客様において掲載情報に含まれる金融商品の売買等の申込等をご希望される場合には、その掲載情報に記載の金融機関までお客様ご自身でお問い合わせください。

当社はお問い合わせに関し対応いたしかねます。

掲載情報のうち「外為マーケットコラム」等に関しましては、著作権法等の法律により保護されており、

個人の方の私的使用目的以外での使用や権利者に無断での他人への譲渡、販売コピーは認められていません。