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外為マーケットコラム

FOMCの声明文、NYダウや米GDPに注目

 7月20日からの週のドル・円は1ドル=123円台半ばから124円台半ばでの狭いレンジでのもみあいとなった。米利上げ観測が強いが、ユーロ・ドルの反発やニューヨークダウの急落からドル売り圧力は根強く、124円を挟んでの取引を強いられた。

 ニューヨークダウは20日に1万8137.12ドルまで上げ、6月24日以来の高値をつけたが、米企業業績の悪化、商品安、米新築住宅件数の減少などを嫌気し、24日には今月9日以来の安値となる1万7,553.73ドルまで下落した。

 今週は28、29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目要因。29日のFOMC終了後に声明文が発表されるが、その内容が米利上げ観測をさらに強める内容となると、ドル高が進みやすくなる。ただしニューヨークダウが1万7,500ドルの節目、7月7日の安値1万7,465.68ドルを割り込む下げとなると、ドル売りが進む可能性がある。30日に発表される米第2四半期の国内総生産(GDP)速報など米経済指標の発表が多く、株安から為替市場も波乱の展開の可能性あり。これらのイベント、米経済統計に注目したい。

 テクニカル要因からは25日移動平均線(日本時間の27日午前10時現在、123.25円水準)が目先の支持線。今月15日以降、25日移動平均線を維持して推移。また14日間の相対力指数(RSI)は今月10日以降、強気と弱気の分岐点の50を超えて推移しており、ドルの強気を示唆している。上値が徐々に重くなっているが、まだ基調はドル高・円安である。

 今週の予想レンジは1ドル=122円〜125円台半ば。抵抗線は21日の高値124.47円、125円の節目、6月5日につけた高値125.85円。支持線は25日移動平均線水準の123.25円台、122円の節目。FOMCの開催、米GDP速報の発表があり、広めのレンジ予想。

【ドル・円は124円を挟んだもみあい】

 20日からの週のドル・円は1ドル=124円を挟んでのもみあい。20日は東京市場が休場、米経済統計の発表がなく、124円台前半を中心とした値動きとなった。米利上げ観測からドル買いの動きは根強かったが、決め手を欠き、124.40円水準では上値は重かった。

 21日はニューヨークダウが大幅安となり、1万8,000ドル割れとなる下げとなり、123.70円台に下落した。この日も主要な米経済統計の発表はなく、ドルが一方的に売られる展開にはならず、123.90円台で終えた。

 22日は6月の米中古住宅販売件数が2007年2月以来の高水準となったことを好感し、米利上げ観測の強まりなどから、一時、124.15円まで持ち直し、124円水準で引けた。この日、全米不動産業者協会から発表された6月の中古住宅販売件数は前月比3.2%増加の549万件となり、事前予想の540万件を大幅に上回った。前月は532万件と速報値の535万件から下方修正された。

 23日は123円台後半に小反落。米労働省が発表した7月18日までの週間新規失業保険申請件数が25万5,000件となり、前週の28万1,000件、並びに事前予想の27万8,000件を大幅に下回り、米労働市場の改善が示されたことを好感し、一時124.10円台に小反発したが、ニューヨークダウが軟調に推移したことで123.80円台に反落し、方向性を欠いた。なお米週間新規失業保険申請件数の4週間平均は27万8,500件と前週の28万2,500件から減少した。

 24日はニューヨークダウが大幅続落となったことや、6月の米新築住宅販売件数が予想に反して減少し、昨年11月以来の水準に落ち込んだことを嫌気し、123.60円を試す下落となる場面があったが、下値は堅く、123.80円水準で引けた。米商務省発表の6月の新築住宅販売件数は前月比6.8%減少の53万8,000件となり、事前予想の54万8,000件を下回った。なお前月は51万7,000件と速報値の54万6,000件から下方修正された。

【ユーロ・ドルは反発、1ユーロ=1.100ドルが抵抗帯ながらしっかり】

 ユーロ・ドルは反発。21日に1ユーロ=1.0807ドルをつけ、直近の安値更新が続いたが、22日からはギリシャ不安が後退し、6月中旬以降の下げに対する修正高局面となった。1.100ドル水準が抵抗帯ながらしっかり。

 23日に発表された7月ユーロ圏消費者信頼感指数速報値がマイナス7.1へ低下し、事前予想のマイナス5.7を下回った。この日はギリシャ議会が改革法案第2弾を可決したことや、ギリシャの今年の1−6月の財政赤字が14億ユーロと前年同期の24億ユーロを大幅に下回ったことを好感し、1ユーロ=1.1000ドルの節目を試し、今月15日以来の高値をつけた。24日は7月のユーロ圏製造業PMI速報値が52.2に低下し、事前予想52.5を下回ったが、市場の関心が米国の利上げの時期に移っていることもあり、反応は鈍く、23日のレンジ内取引から出ることはなく、方向性を欠いた。

 ギリシャの債務不履行(デフォルト)に対する懸念が和らぎ、市場の関心は米国の金融政策、経済指標に移行した。ギリシャの債務問題は根本的に解決されておらず、再度、ギリシャ不安からユーロ売りが進む不安はある。

【123円台前半では円の買い戻し進みやすい=CME】

 米商品先物取引委員会(CFTC)は今月24日に7月21日現在の建玉明細を発表した。シカゴ円(CME)市場で大口投機家の円の売り越し幅は、6万2,314枚となり、14日現在の4万7,371枚売り越しから1万4,943枚の増加。22日以降、1ドル=123円台後半から124円水準でのもみあいとなり、投機家の間でも仕掛け難となったもよう。124円台半ばへ円安、ドル高が進むと、円売りの動きが強まるとみる。逆に123円台前半から123円水準の円高、ドル安となると、円の買い戻しが進みやすいとみる。

 シカゴユーロ(CME)市場は7月21日現在、大口投機家の売り越し幅は11万2,976枚となり、7月14日現在の10万7,781枚から5,195枚の増加。23日に1ユーロ=1.100ドルの節目を突破した場面ではユーロの買い戻しが進んだとみられる。

 今週の主要な経済統計、イベントは以下の通り。

27日 
   独7月ifo景況感指数
   米6月耐久財受注
28日 
   英7月ネーションワイド住宅価格
   英第2四半期国内総生産(GDP)速報値
   カナダ6月鉱工業製品価格
   米5月S&Pケースシラー住宅価格指数
   米7月消費者信頼感指数
29日 
   日本6月小売業販売額
   米MBA住宅ローン申請件数
   米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
30日 
   日本6月鉱工業生産指数
   豪6月住宅建設許可件数
   スイス7月KOF先行指数
   独7月雇用統計
   独7月消費者物価指数
   米第2四半期国内総生産(GDP)速報値、米新規失業保険申請件数
31日 
   日本6月雇用統計、日本6月有効求人倍率
   日本6月消費者物価指数、日本6月勤労者世帯家計調査
   豪第2四半期生産者物価指数
   ユーロ圏6月雇用統計、ユーロ圏7月消費者物価指数
   独6月小売売上高指数
   米第2四半期雇用コスト指数
   米7月シカゴ購買部協会景気指数
   米7月ミシガン大学消費者信頼感指数
1日 中国製造業購買担当景気指数

2015年7月27日

(インベステック/森 成俊)

株式会社インベステック 森 成俊

担当
為替、先物市場
経歴
1992年より商品先物業界でアナリスト業務に従事。1997−99年まで商品、為替調査会社のNY現地法人勤務。1999年に帰国後は商品相場に加え、為替情報もメディアを通して発信。現在、ラジオNIKKEIマーケットトレンドにて商品、為替市場に関してのコメンテーターを務める。ドル・円、ユーロ・ドル中心に為替を取り巻く環境、テクニカル分析を交え、為替取引の一段拡大を目指し、わかりやすい解説を心掛けている。

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